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さぁ逃げよう!

「ンンンンー!!」


「んだよ聞こえねぇよ。…つかなんでお前の腕とか掴めねぇんだよ」


「ンンンンンンンーーー!!!!!!」


「うるせぇな、ちゃんと喋れよ」


「………!!!!!」



シャワー室の狭い脱衣所で壁になるように行く手を遮る葛原。

その前で息を止めて顔が真っ赤な女性が苦しそうに通り抜けようとする。

熱い攻防……葛原の方はすぐにでも自身の体に体当たりをかますこの女性を退かそうと体を掴もうとするが、なぜかスルリと、それこそ掴むところが無いかのように手が空を掴んでしまう。


なぜかと思いながら不思議に思っていた葛原だったが、女性の方はもう限界だった。

もう顔が真っ赤を通り越して青くなりそうな金髪の女性は、自分で口を押さえていた手をどけながらゼーゼーと息を吸って吐いたりを繰り返す。


その姿には、葛原もそうだが白緑も「なんだこいつ」と訝しげに見た。


「おい大丈夫か!?」

「こっちに変なやつ行ったけど無事!?」


その時、脱衣所の壊れたドアから2人の見知った顔が現れる。

黒田と葉隠だ。


「ん?…こいつの事か?」


葛原はすぐ目の前で息を整える金髪女性を指差すと、2人はウンウンと首を縦に振る。


「あーそれそれ」


「気をつけて葛原、そいつ変だから」


「大丈夫だ、もう目の前で奇妙な事してるから」


「か、勝手に話を進め…ないで…」


3人が息のあったコントのように語るので女性が息を切らせて会話を断とうとする。

だがそれを見て葛原はすぐさま金髪女性の首に腕を回し締める。


ヘッドロックだ。


「ぐ…ぐぇ…」


「よし、この変な女は押さえた。あとは…」


言いかけたその時、ちょうど店の出入り口に続く廊下の奥から足音が聞こえた。

同じような足音が他の廊下からも聞こえる。


「まずい!店員がきちまう!!」


「あわわわわわわー!これマズイよ!こんな場所見られた上に警察呼ばれて生首入りのバック見られたら僕らの人生終わる!」


「いや終わりはしないだろ。不老不死だし」


「あっそっか…じゃなくてさぁ!!」


「おうおう、黒田の言う通りさっさと逃げるぞ!!」


葉隠がパンツだけ履いた白緑を掴むと肩掛けバックに綺麗に入れる。

そして、シャワー室の外にある小窓を開けると格子をへし折ってそこから逃げる。

葉隠はガタイが大きいのだが、それがスッポリとハマらない丁度良い窓枠だったのですぐに抜ける事ができた。

それに続いて、黒田がたった一回の跳躍だけで窓を飛び越える。

すぐ外は狭い路地裏になっており目の前には壁があるのにそれにも当たる事もなく、黒田はそのまま細道を伝って逃げる。

そして、最後に葛原が。


「ちょ!私をどうする気よ!!」


「黙ってろ。テメェは俺たちが逃げ延びるための人質だ」


「はぁ!?わ、私を人質にしてもアレはそれ以上の価値が…!」


「ほら舌噛むぞ!」



何故かおっかなびっくりしている金髪女性を連れて、共に窓枠の中に突っ込む。

「ひ!」と短い悲鳴を女性が漏らしたので少し愉快になるが、それでも葛原は止まらない。

女性を抱えて、すぐさま回収した荷物を持って彼は路地裏を駆け逃げる。




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