シュガー9
私たちの仕事は『CEOの所有していた異常脳力者の確保』だ。
字面だと人身売買のように思えるが、私はそこに一切疑問を挟まない。
そんなのこの組織では普通だったから。
私は捕らわれながらも才能を見出されここにいたが、この第1支援隊のメンバーは事情が違う。
彼らは私と同じではない。
ある者は力を欲して進んで能力を手に入れ。
ある者は思想に賛同して。
ある者は金のために。
とにかくそんな者ばかりだった。
年齢層も下は14と広いが、全員が異常な思想で動いていた。
もちろん私もだ。
私はあの赤いスーツのCEOや上層部の人達に褒められたくてここにいる。
そんなものと思うが、私にとってはそんなもの以上のことだ。
ここはあの慰め合いの場所よりも血生臭く、それでいて心地が良かった。
とにかく、私を含めて他の超能力者よりも異常で不可解な超能力を持つ『異常脳力者』と呼ばれた私たちは全員おかしかった。
『こちら実行部隊、工作員『ヒ素」より第1支援隊へ。指揮官から作戦内容の変更あり、これより第1支援隊の有力者である隊長1名で対象の奪還作戦を行う。直ちに準備をして現場地点J-4h56srの店内に潜入せよ。繰り返す、J-4h56srに潜入せよ。なお、部外者の排除は今回の作戦には無いものとする』
来日してから4日後、初めての任務は私1人のものだった。
「こちら第1支援隊『シュガー』了解です」
私は緊張した面持ちを黒いゴーグルと覆面で隠しながら通信相手に答える。
『偵察隊は店外まで同行し店内では指示しか出せない。くれぐれも失敗しないよう健闘を祈る』
冷淡だがその言葉の優しさに少しほんわかした私。
「お気遣い感謝します」
本心でそう言ってから通信を切ると、私はすぐさま着替える。
防具や武器などの武装を外すとそれらを所定の位置にしまい、その間に仲間が用意した着替えを着ると私は車から出る。
ワンボックスカーで待機していた。
「隊長、ご健闘を」
副隊長が平坦な声で答えるので私は敬礼して応える。
「これが終わったらワインでも飲もう」
私の言葉に、顔を伺えないが首を傾げて呆れたような副隊長。
私はそんな彼に背を向けて向かった。
異常脳力者、超危険人物である『ダイヤモンドを作る』少女の確保に。




