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嘘ではないがウソ


葛原は白緑(びゃくろく)の発言の意味が分からず首を傾げるが、それを置いて白緑は語り出す。



「私をあの黒い人たちから逃がしてくれた人が最後に言ってくれた言葉……大切な人に会えって、絶対に会えるって、あの人が言っていた」


白緑は色の違う瞳を潤ませながら、自分にとって大切な事を述べる。

だが、突然そんな事を聞かせられて理解できるほど葛原は頭が柔らかくない。


「……なに? え? よくわかんねーんだけど」


当然また疑問を返すが、それ以上は言わずに白緑は踵を返して再び歩いて行ってしまう。


「ちょちょちょ! 全然分からんのだけども!?」


葛原はまた引き止め、白緑はしつこそうな顔で文句を言う。


「しつこい、大体なんで私を留めるの?」


「え…そいつはだな…」


白緑に聞かれてしどろもどろになる葛原。

そう言われればそうだ。

白緑は知らなかったが、この葛原は『育ててから食べる』と狂気じみた、いやそれそのものの考えで白緑を連れ出して今ここで温かい食事をさせただけだ。


食べる為以外には解剖や生首を取ると言う仲間たち。

それ以外には特に理由はないのだ。


白緑は、答えが出ない葛原にもう一度。


「…それじゃ」


白緑はそう言って葛原の手を払いのけて歩き出す。


まずい。

このままでは食えない!

必死に止めようと思ったが、それでは育てるという趣向からは外れてしまう。

そもそも、そんな事をして食べても人間の肉は緊張かとストレスが相まって肉が強張り不味くなってしまう。

葛原は必死に頭を回して妙案を考える。


この場でこの白緑を、今後安全に、疑問も抱かせずに自分たちの手の届く範囲における言い訳を。


そして、ひとつだけこの白緑を止め、なおかつ信頼を築けるワードを口にした。


その一言は、「なんだなんだ」と言って2人に近づいてきていた黒田と葉隠(はくれ)も聞いていた。


「お、俺たちがお前にとって大切な人になってやるってんだよ! 俺たちがお前を…なんとなく守ってやるってんだ!」


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