行動
「……このガキ、俺が育てて良いか?」
「「…………………はぁ!?」」
それには2人も驚く。
正しい選択肢じゃ無い方を選ぶ。
いや、それ以上に最悪の選択を。
「おいおい気は確かか!? さっきの銃持った奴見ただろ!」
「そうだよ!あいつら、僕らが見つけた隠れ家で死体を見たんだよ!あーいうのに限って正義だとかバカみたいなこと言って僕らの存在を脅かすに決まってるよ!その子は殺したほうがいいって!」
「うっせぇな、別に俺たちにはそんな銃とか効かないんだから別に良いだろ。俺はそんなもんより重要な事に気づいただけだ」
そう言って少女に近づき、その細い足を触りだす。
撫でるのではなく、触る。
「この足…今時の子供でこんなに細いのに筋肉がしっかりしたやつはいねーよ…なんつーか、こいつが成長したら絶対美味しい…」
足を触りながら恍惚な表情を浮かべる葛原に、黒田と葉隠は呆れてしまった。
アホだ、と。
「…同じ不死身だと思いたく無い」
「俺もお前に賛成だ。こんな変態と一緒に旅してる自分が恥ずかしい…」
「でもお前らもこのガキが成長してから殺すってのはそそるもんがあるだろ?」
そう言われて想像しながら「確かに」と二人同時に答えてしまう。
彼らもそういった趣向がある。
食人鬼、解剖魔、生首収集家。
彼らは殺し方は違えど同じ殺人鬼であり、似たような思考で動いてるからだ。
「そんじゃ決まりな。んじゃ、この道路辿って街に行くか」
「おいおい、こんな服装のガキ抱えて歩いたら流石に不審者だろ…」
それもそうだなと葛原は呟いてから、彼らに言った。
「だったら着替えさせれば良いじゃん、黒田のお下がり着せてよ」
「僕の服も限りがあるんだけどね…まぁ、育てて解剖できたらそれはそれで面白いけど、さっきの連中はどうするの?」
「来たら殺せばいいだけだろ?」
「殺せばって……僕らは武闘派とは無縁のただの殺人鬼なんだけどなぁ…」
そう言いながらも説得を試みようとするが、葛原は面倒な性格の人物という事を思い出し、現に一歩も引かないのでさすがに諦める。
黒田は医療器具が入ったカバンから自分の衣服を取り出すと少丈を合わせて少女に着せる。
少女の着ていた服は捨てようとしたが、葉隠から置いて後から拾われると面倒という意見が出たので黒田が渋々汚い患者服をカバンにしまう。
さてと、と一区切りを着けた葛原は服だけ綺麗に変わった少女を連れてある場所に向かう。
「んじゃ手軽にコンビニで飯買って、その後朝方になったらネット喫茶でぶらっとシャワー浴びたりしようぜ。どうせそん頃には年齢制限なんてねーだろ」
「いやそもそも子供をネット喫茶に連れ込むのってどうなの?」
「なんならカバンに入れちまえばいいだろ」
「……僕ら捕まらないよね」
「諦めろ、こいつはそういう奴だ」
不安になることを言う葛原に黒田と葉隠が心配になるが、結局のところさっきの銃を持った連中に追われるのだけは御免であり、人混みに紛れ込んで無難に過ごしたいと思っていた。
とにかくやる事は決まった。
彼らはすぐに立ち上がり、車道に沿ってなるべく急いで街に向かう。




