表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石鎚表参道殺人事件  作者: 生間ひろし
1/7

ヘリコプター

 四国の尾根、石鎚の上空にヘリコプターが3台飛び回っていた。そのうちの1台から梯子を頂上付近に下ろしていた。

「また、三の鎖で滑落事故か? それとも北壁クライマーか?」

 午前6時10分、日の出と同時に登り出し、ロープウェイの営業前に「夜明峠」まで登ってきていた今治の登山者が2名、頂上を仰ぎ見て話した。

 石鎚山、西日本最高峰天狗岳(1982m)を有する、日本百名山にも選ばれ、登山客も多い。


 午前6時50分、二人は「二の鎖」の分岐手前に登ってきていた。相変わらずヘリコプターは上空を旋回していて、さらに2台増えていた。

「ただ事ではなさそうだな。」

二の鎖小屋は、レスキュー隊らしい隊員が出入りしていた。

 午前7時半ころ、二人は「頂上山荘」に入った。鎖場も巻き、登山気分は失われていた。

「何があったんかのう。」

ペットボトルのお茶をすすり、山荘の従業員に聞いた。

「二の鎖小屋に死体があったらしい。さっき登ってきた人が見つけて、救急に連絡したんよ。」

 従業員はさっきと言ったが、実際は二時間前の事である。


『ゴゼンロクジゼロハチフン。石鎚二の鎖小屋にてイチイタイ有り。服装より登山者。身長162㎝ハタチ前後の女性。外傷はなし、死因不明。身元を確認できる所持品なし。事故、他殺の両方の可能性。』


 山岳救助隊より、西条市消防局に無線連絡が入った。すぐさま愛媛県警に報告された。


『局より救助隊。局より救助隊。小屋を封鎖、待機せよ。救助隊は待機。県警より捜査員急行す。救助隊は県警の指揮下に入る。案内を行い、指示を仰げ。また、第一発見者につき確保の事。繰り返す、・・・』


 6月30日(月)の朝の出来事である。石鎚の北壁は何事も無いかのように聳えていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ