思いがけない再会
お読み下さり、誠にありがとうございます!!(>_<)
今回、セントバル殿下かみかみ過ぎて、書いた自分でも読みづらかったので……( ノД`)
一部意訳を入れさせて頂きました!
これで話が少しでもわかりやすくなっていたら、嬉しいです(^^;A
今、セントバル殿下は何て言った?神崎詩織?かんじゃきしぇおり?噛んだ気にするな?……はおかしいか。考えていてもわからん!
よし!もう一度聞いてみよう。
「殿下、すみませんが、もう一度何と仰られたかお伺いしてもよろしいでしょうか」
「かんじゃきしぇおりじゃにゃいかといったんだ」
「……」やっぱり神崎詩織と言っている気がする。
殿下って…何者?
「……神崎詩織なら、私はよく知っています。失礼を申しあげますが、あなたは彼女の知り合いですか?あなたはいったい誰なんですか?」
警戒を込め、遠回しに聞いた。前世を知ってるといことは、私をこの世界に転生させた元凶なのだろうか?それとも、前世の知り合いで、たまたま同じ世界に転生したとか?…いやいや、まさかそれはないでしょうよ(笑)
「おりぇはきゃわぐちりゅーへい。みにょりのなにきだよ」
何て言ってるか分かりにくいが、どうやら《俺は川口龍平。実里の兄貴だよ》と言っているっぽい。
今回はよく耳を済ませて、文字補正の推測をしたらわかった!
川口龍平は私の前世の親友、実里ちゃんの亡くなった兄の名前だ。よく、お夕飯をごちそうになるなど、私にも良くしてくれた。
はい、ありえないきたぁーーーーー!!!
これ、夢なのかな?神のイタズラってやつですか?それとも、前世で大切に思っていた人は、生まれ変わっても出会う説???でも……
「………嬉しい!龍兄…会いたかったよ!しかも何その姿!可愛すぎだから!!!」
思わず抱き締めてしまった。
「…ぐるじぃ」
やばっ☆力の加減を間違えてしまったようだ。
「あっ、ごめん!」腕の力をもっと緩めてあげる。腕は回したままだ。龍兄こと、セントバル殿下は私の現在の小さな体でも抱き締められる小ささで、温かいし、柔らかい。龍兄が生きている。触れていると、じわじわと実感ご湧いてきた。
「ごほっ…ごほっ……やっ…ぴゃり…しぇおりちゃんじゃにゃいか!ちょっ!はにゃちぇって!かわいいちょか、4ちゃいのおまえに言われたくにゃいわぁ!」
ぷくっと紅くなった頬を膨らまし、睨み付けてくる天使。……可愛すぎるよーーー!!!!!これで、前世元ガテン系のイケメンとか、何このギャップ!!新しい扉が開いてまうわ!!
「セントバル殿下の姿は可愛いけど、龍兄は中身が格好いいから拗ねないで」
フォローを入れておいた。龍兄は単純だから、きっとこれで機嫌を直すだろう。ふふっ、やっぱり満足そうな顔に変わった!
(姿はお互い変わっちゃったけど…でも私、また龍兄に逢えたんだ…)
そう思うと、不意に嬉しさが込み上げてきた。涙も止めどなく溢れてくる。
龍兄は強くて、優しくて、おまけにシスコンで。でも、笑顔が素敵な…私の憧れの人だった。
気がつくと、3才児に頭をよしよしされていた。
「おりぇだって、うれちぃよ。またしぇおりちゃんにあえちゃんだからにゃ。でも…」《俺だって、嬉しいよ。また詩織ちゃんに逢えたんだからな。でも…》
突然言葉をつまらせ、頭の上の龍兄の手が止まった。
「…こうやっちぇ、ゆうちょうにしゅていりゅばあいじゃにゃいんだ。…このみゃみゃじゃ、しぇおりちゃんはこりょされるかにょうせいがたかい……」
《…こうやって、悠長にしているにしている場合じゃないんだ。このままじゃ、詩織ちゃんは殺される可能性が高い……》
※ただ今、絶賛訳し中。脳内補正頑張ります。
……で、え?何で??今、私が“殺される”って言った?
「いいか!しぇんじぇられにゃいだりょうが、このせかいは、みにょりがすきだっちゃ、ヤンデレおちょめゲームのせかいにゃんだよ!」
おちょめゲームの所で少し笑ってしまった。
ちょっと睨まれた。やっぱ可愛すぎる。
それにしても、かみ過ぎだよ、龍兄。訳すのが大変すぎる。乙女ゲームをおちょめゲームって……え?乙女ゲーム…の世界?ヤンデレ?え……?
《いいか!信じられないだろうが、この世界は、実里が好きだった、ヤンデレ乙女ゲームの世界なんだよ!》
う~!頑張って訳したのに、龍兄の言葉の意味が解らない!
龍兄の顔は真剣だ。とても冗談を言っているようには見えない。
「どういう事なの?龍兄、ちゃんと解るように教えて」
「……おりぇにもよくわかりゃないんだ」
《俺にもよく解らないんだ》
かみかみではあったが、ゆっくりと、私にもより解りやすいように、龍兄が気づいた事実について話してくれた。
―――「要するに、龍兄はナジアス殿下を見て、ゲームとこの世界が同じであることに気がついたと。そして、私の中身が神崎詩織だと思ったのは、強いものを力付くでねじ伏せようとしたり、怒った時の雰囲気に、大変覚えのある恐怖を覚えたからと……」
…ちょっとそこは女子として納得しがたい所ではあるが、まぁ、結果、龍兄とこうして話せるきっかけになったのだから、今は言及しないでおいてあげよう。
「そして、私がヒロインな話のため、攻略対象者に関わると物語が動き出し、私の命がヤバイという事?」
うん、と頷く龍兄こと、セントバル殿下。
確かに、大学生の頃、実里はあるヤンデレ系の乙女ゲーにはまっていた。私にも薦められたが、表紙や説明書きをみて、プレイしようとは思わなかった。選択肢を間違えると監禁、処刑、精神崩壊、様々な愛憎劇も観られる、昼ドラテイストの物語ってなんだ。それはもう、丁重にお断りした。
龍兄は実里や私など、身近にいる者には決して嘘はつかない。信じたくはないが、私がヒロインらしい。鏡を見たら、私なのに、自分じゃないような美少女が写った。金髪ゆるふわウェーブに碧の目。何じゃこりゃ。文句のつけようもなく可愛いんじゃないだろうか…。これ絶対モブ顔じゃないわぁ……。
(……くそう!何て事だ!なんで私は実里ちゃんに借りなかったのだ!)
タイトルすらも思い出せない、興味がなさすぎた過去の自分の所業を思い、思わず両手で頭を抱えてしまった。
(ヤンデレの出てこない乙女ゲームなら、意外と面白かったから、いくつか借りたのに!転生するなら本気でそっちが良かったよ!好きなキャラとハッピーエンドを迎えられるなら、張り切って挑むのに!!!)
「龍兄どうしよう!!」
「おりぇにもわきゃらん!」《俺にも解らん!》
オワタヨ。私の第二の人生完全に終ワッテシマタヨ……。
「あにうえのルートのかいひほうひょうにゃら、わかるきゃも!」《兄上のルートの回避方法なら、解るかも!》
「え!?本当!??」
絶望のどん底に落ちた私は、すぐにその話に食い付いた。
「……い、いやかもょしゅれないが、おりぇをこんにゃくしゃにえりゃべばいいんじゃにゃいかにゃ!」
《……い、嫌かもしれないが、俺を婚約者に選べば良いんじゃないかな!》
一気に捲し立てた龍兄の顔は、真っ赤に染まっていた。
龍兄、3才にして、まさかのプロポーズ宣言です。
ちなみに、前世で重度のシスコンだったため、初のプロポーズですねΣ(・∀・;;)
前世の記憶があるとはいえ、ませた子供達だこと(ノ*´-`)笑
次回、ナジアス殿下の殴り込み!?をお送りいたします。