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ヤンデレ系乙女ゲームのヒロインになってしまった…(泣)  作者: フリージア
第一章 全てはここから始まった
4/15

勘違いとすれ違いは恋の始まり?~Part① ~

 不味い!すぐに謝罪せねば!


 ほぼ反射的に私は頭を下げていた。


 父よ、のほほんとするでない。一緒に謝ってくれ。お父様の頭をガシッと掴み、力づくで頭を下げさせた。

 とても4才児とは思えない力でねじ伏せたので、父は、

「ちょっ!ミレーネ、ギブギブ!父様首グキッてなっちゃったから!」などと、ほざいていた。


 この軽い頭を重力に従わせるにはこれくらいの力が必要だと思う。


 すると、突然尊大な態度のナジアス殿下が、目も飛び出さぬ勢いでビックリな顔をされていた。


 「……もしやこの婚約を断りたいと言う訳か?」


 俺様な王子に似合わない掠れた声が聞こえた。


 隣のセントバル殿はというと、「おぉ~」と、なぜか感嘆の声をあげていた。


 よくわからないセントバル殿下は置いといて。ナジアス殿下には伝わるどころか、なんか不味い方向に勘違いされてしまった!


 すぐに“不敬罪”という言葉が再び脳裏に宿った私はものすごく慌てた。



 「いえいえ!断るとかそんな意味ではなく、純粋にお父様の無礼な態度を謝罪したく、身体が勝手に動きました!」


 そうとうテンパっていた私は、思わず正直に答えていた。だが、正直すぎたのがまずかった。


 「…あ、でもでも!断りたい事には違いありませんけど!」(私みたいな奴が王族の一員になるなんて、無理!きっと皆様にも多大なご迷惑を御掛けして生きていくしかなくなるわ!それに、自由に身体を動かせない日々なんて絶対無理無理!)


 「なっ!?」

 滅茶苦茶驚いていらっしゃいます。

 

 (やばい!またもや怒らせてどうするのよ!私も馬鹿!)


 そんな気まずい空気の中、馬鹿その1(父)は軽ーい調子で言った。

 「ミレーネ、それは無理だよ~。もう国王様の前で誓ってしまったし~?それになにより、私が宰相になって政で権力を握るためには必要な話だしね!」


 …まさか権力欲しさのままに、勝手に娘を王子様の婚約者にしようとは…。父様は自分ために娘の一生を引き換えにしても構わないと言うの!?この腹黒馬鹿父がぁ!!


 頭が沸騰しそうなほど怒り心頭な私は、魔力が視認できるほど溢れ出ていた。

 金髪は黄金色に光り輝き、肌も神がかったように光り輝いていた。

 感情がMAXに高まると、魔力が金色の光として身体の中から溢れだし、身体能力は化け物レベルになる。この状態で本気で殴れば骨が折れるどころか、身体の一部が吹っ飛んでなくなるだろう。

 怖くてしたことはないけど、軽く地面を殴ったら、かなり大きな地割れができた。覗いてみたら底が見えないくらい深かった。それでビックリして、前回は正気に戻ったのだった。


 一応大事にされてると、父親の愛情を感じていたミレーネは、哀しみが怒りとなって湧いてきたのだった。


 父様は「ちゃんと説明するから!ミレーネ落ち着くんだ!」とか言いながら、怯えて固まっているセントバル殿下の後ろに隠れた。3才児を盾にする姿はまさに外道の極みだった。


 「お前、普段は可愛いが、怒ると美しいんだな」


 こんな緊迫した空気の中で、ナジアス殿下は口を挟んできた。

(今から父様を絞めようとしてるのに邪魔しないでよ!!………ん?…いっ……今イケメン王子から可愛いって!?美しいって!?言われましたか!?私!!!)

 

 頬がボッと赤く火照っているのを感じる。今、私の顔面はきっとリンゴのように真っ赤だろう。びっくりしすぎて金色の光はボシュッと収まっていった。


 「な、ななななっ!?」


 面倒くさい結婚は嫌だか、私だとてただの女の子?だ。美しすぎるイケメンに可愛いとか、美しいとか言われたら、思わず赤面をしてしまう。

 

 イケメンの甘い言葉や誉め言葉は破壊力抜群だった。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回はナジアス殿下視点のお話を予定しております!

殿下の恋模様を楽しんで読んでもらえたらありがたいです(*^^*)


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