王子様と婚約させられました
誰かこの状況を説明して下さい。
『伯爵令嬢ミレーネ・シャルド・イルファン。我が息子と婚約を結んで頂きたい。第一王子のナジアスか、第二王子セントバルのいずれかをそなたの伴侶に選ぶ事を命ずる。』
父と二人、謁見の間に案内されたら、なんか王様が玉座にお座りになられていました。挨拶など、形式的な言葉を交わした後、突然ど偉い王命を頂いてしまいました。
(これって王命だよね?絶対逆らえないって事だよね?)
いったい全体どうしてこうなったの!?
公爵令嬢ならいざ知らず、私はただの伯爵令嬢のはずだ。身分的にも、年齢的にも、選べると言う条件的にも、この婚約話は全てが可笑しすぎる。
4才児の幼女だが、一年前から教養を身に付けさせられていたため、動揺しつつも、どうにか失礼のない立ち振舞いのままでいられた。
ちなみに、前世で25才で死んだのだ。25+4=29…立派な三十路手前のレディである。ビックリし過ぎて気絶するかと思ったが、なんとか踏ん張った!自分グッジョブ!!!
王子様と婚約!?王族なんて嫌だ!面倒くさいだけだもの!!という気持ちで一杯ですよ。
三十路前の女の子?は結婚を夢物語ではなく、現実の問題としてとらえるものだ。夢のような甘いシンデレラストーリーのその後は、絶対窮屈な毎日だよね。私のような、出来れば奔放に生きたい性格の人には窮屈すぎて堪えられないだろうなぁ…。
その時、突如嫌な予感がゾワッときて、隣に控えている父の顔をチラッと横目で盗み見た。
あれ?
父の口の端が上がっているよ。
あれれ?
見た目爽やか好青年のお父様から腹黒さが滲み出てるよ。
…え、嫌だ。味方がいないじゃないの。誰か助けてーーー!!お父様の笑みが怖いよぉーーー!!!たぶんお父様は、私とは正反対の気持ちなのではないだろうか!?
『有り難き幸せにございます。我がイルファン家、その命、慎んでお受けいたします。』
ガーン……
一度王様に返事をしてしまった以上、もうどうしようもない。
絶句して固まっている娘を他所に、お父様は嬉しそうに返事を返していましたとさ。 おわり。
なぜ終わりかって?よくぞ疑問に思ってくれた!
なぜならば私はこの瞬間、何者かの魔法によって気絶させられたからだ。
(いったい誰が…)
クラッ…
突然目眩が起きて、ミレーネは倒れた。消え行く意識の端に、周囲のざわつきが聞こえてきた。
『君は誰にも渡さない』
そんな声がどこからか聞こえた気がした。
日本語おかしい所、修正致しました(;´▽`A
他にもたぶんあるので、ちょこちょこ直せていけたらと思います!(;・ω・)