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そして物語は廻り始める

お読み下さり、誠にありがとうございます!(///∇///)

やっと第二章が始まります!皆様のおかげでここまで書き続けることができております。感謝の気持ちで胸が一杯です( ;∀;)

 「お嬢様。そろそろお時間でございます」


 イングリッシュガーデンのごとく、ハーブやバラなどの良い香りがする庭の中で、少女が一人、空手の型を行っていた。

本来ならば異様な光景のはずなのに、少女は妖精のごとき可愛さと軽やかな動きで魅せ、見る者にまるで背中から羽でも生えているのかと錯覚させる。

 手入れされたふわふわで艶やかな金髪、エメラルドのようだと褒め称えられる美しい碧の眼に、色白でピンクに染まった頬。稽古をしていたためか、頬はいつもより血色よく見え、それが彼女の愛らしさをより際立たせてみせていた。


 何をしても可愛く、かつ美しく見えるとは…まったく末恐ろしい少女である。


 「え~!もうそんな時間!?もうちょっとお稽古したいのになぁ」


 「それはなりません。朝から領民に頼まれていた熊退治をなされていたではありませんか。早めに切り上げて頂きます。その代わりと言ってはなんですが、本日はアプリコットティーと、スコーンをご用意させて頂きました。どうか冷めないうちにお召し上がり下さいませ」


 「わかったわよ!もう、私がアレクセイの紅茶とお菓子好きなの知ってて言ってくるんだから!あなたって性格悪いわよ?」

 ぷーっ頬を膨らませて抗議をしてくるが、何のダメージも受けない。そんな事をしても、ただ可愛いだけなのだから。


 「ミレーネお嬢様。わかっておいでだとは思いますが、本日はあなた様の誕生日でございます。お城にて、お嬢様の成人を祝うお誕生日会を開いてくださるのです。婚約者であらせられるナジアス様にお会いになられる日でございますよ。そして…「そして貴方がナジアス殿下の元に帰る日なのよね…」…はい」

 

 アレクセイの顔は下を向いていて伺い知れない。

 11年前だったなら表情を隠そうとなどしかなっただろう。まるでロボットの様に無表情で、その瞳には何も映してないように見えたものだ。

 そんな彼がうちの屋敷に来てからというもの、今まで隠していたのだろうか、彼の喜怒哀楽を見せてくれるようになっていた。時折見せてくれる笑顔は破壊力抜群だ。私は何度かそれで死にかけた(萌え死に)のだから。


 「アレクセイ…今日まで本当にありがとう。貴方のおかげで楽しい日々が過ごせたわ。快く貴方をうちで仕えさせてくれたナジアス殿下にも感謝しなくちゃね」

 

 アレクセイの思惑通りに、美味しいお茶とお菓子で休憩をとりながら、アレクセイと話をする。

 私は紅茶の時間が大好きだ。アレクセイと話が出来るのだから。

 私は密かにアレクセイも攻略対象者ではないかと思っている。だって、こんな銀髪のクール系イケメンがモブな訳はない!!

 念のためにヤンデレにならないよう見張ってきたが、今の所その傾向はみられない。良かったような、残念なような…微妙な乙女心というやつである。


 彼と過ごすのも今日で最後かぁ~…などと感慨に耽っていると、


 「いえ、それは必要ありません。お嬢様は怒るこそすれ、ナジアス様に感謝の気持ちなど1㎜ほども抱いてはなりません」


 ビックリした。アレクセイがナジアス殿下の事をここまで否定する所など見たことがない。


 「アレクセイ?ナジアス殿下と何かあったの?」

 ちょっと心配になって聞いてみたが、


 「いいえ。そのような事はございませんよ」

 アレクセイは笑顔で答えてきた。


 「ふーん…」(めちゃくちゃ疑わしいわぁ~)

 猜疑心一杯の眼で見つめたが、笑顔を返されただけだった。こういう時の彼の笑顔は嘘をつくときの笑顔だ。だって、眼が笑ってないもの。

 感情を出してくれるようにはなったが、代わりに嘘をつくのが下手になった気がする。本当の顔と嘘の顔が違いすぎる。第一に、嘘の顔の時には私の心臓は反応しない!!!(ときめきません!!!)

 

 アレクセイとの時間はあっという間に過ぎてしまった。

 急ぎお風呂で汗を流し、お城に行く支度をする。


 『お嬢様!今日のお召し物はこの赤いドレスにいたしませんか?』

 『ちょっと!あなたわかってないわね!お嬢様はこちらの淡い水色のドレスの方が可憐さが引き立って美しいわ!』


 メイド達はキャッキャッ言いながら、それはもう大層楽しそうに張り切って身支度をしてくれていたが、私の心は沈んだままだった。

 だって…15才になってしまったのだから、近いうちに私は婚約者を決めなくてはならない。普通なら王子も諦めてくれてるだろうが、ここはヤンデレ系乙女ゲームの世界で私はヒロインだ。甘くはいかないだろう。それをこの11年間で嫌というほど思い知った。


 心の中で、神様に祈った。


 (これ以上めんどくさいキャラに逢いませんように!そして、私に変に執着している“あいつ”のルートだけは発生しませんように!!!)

新しくUPした空白の11年間の番外編は、本編と同時進行で進めさせて頂きます!


クール系少年アレクセイ君を、私何気に気に入ってしまいまして、彼の心情がわかる話にしております。

第一章の後何があったのか、細かく知りたい方は宜しければ、そちらをご覧くださいませ(*^_^*)

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