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企業戦士戦線(コーポレート・ウォーフェア)  作者: 凡夫 成


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36/71

第36話 企業戦士、因縁。

本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。

商談は戦闘。契約は勝敗。

その結果は株価として市場に反映されます。

現場、会議、市場——すべてが戦場です。

気軽に読んでいただければ嬉しいです。


東北。


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森。


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静か。


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だが——


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“腐っている”。


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ミツキ、立つ。


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足元の草が黒ずむ。


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木の幹に、細かな穴。


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「……最悪ね」


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触れた枝が、崩れる。


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パラパラと、粉になる。


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声。


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「……食べ頃だ」


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虫無 透。


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姿はない。


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だが——


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空気がざわつく。


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無数の“何か”。


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ミツキの視界に、微細な影が走る。


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目の奥が、痛む。


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「……チッ」


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袖で目を拭う。


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「目に入るとか、趣味悪いわね」


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虫無

「……見えなくすれば」


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「簡単だ」


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微蟲が広がる。


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視界が、鈍る。


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その瞬間。


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地面から根が伸びる。


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空間を埋める。


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「……そこ」


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だが——


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根が、崩れる。


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黒く変色。


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腐る。


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一瞬で。


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ミツキ

「やっぱり……あんた」


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視線を鋭くする。


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「虫無家ね」


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沈黙。


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虫無

「……久しいな」


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「柏木」


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空気が張り詰める。


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ナレーション。


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育てる者。


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喰らう者。


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柏木と虫無。


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古くからの因縁。


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森は、戦場だった。


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その時。


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「……そこじゃない」


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背後。


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一瞬。


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空気が“抜ける”。


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虫無の輪郭がズレる。


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初めて、捉えられる。


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鬼頭 迅。


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立っている。


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無音。


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ミツキ

「……来たのね」


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迅、視線を向ける。


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一言。


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「……親父は?」


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沈黙。


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ミツキ、答えない。


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それで理解する。


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わずかに、目が伏せる。


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だが——


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すぐに戻る。


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「……そうか」


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それだけ。


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一歩。


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消える。


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虫無の背後。


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「……遅い」


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斬撃。


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虫無の体が揺らぐ。


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だが——


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消えない。


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虫無

「……速いな」


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「だが」


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「届かない」


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その瞬間。


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地面から何かが這い出る。


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細い。


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黒い。


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蟲。


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迅の足に絡みつく。


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「……っ」


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動きが鈍る。


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虫無

「……寄生」


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「内側から、止める」


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さらに。


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空気中の微蟲が集まる。


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視界を塞ぐ。


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呼吸が重くなる。


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ミツキ

「させるか!!」


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植物が一斉に広がる。


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だが——


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触れた瞬間。


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腐る。


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崩れる。


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ミツキ

「……チッ」


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虫無

「……終わりだ」


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その時。


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迅。


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静かに息を吐く。


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「……遅い」


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次の瞬間。


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消える。


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絡みついた蟲ごと。


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強引に突破。


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血が飛ぶ。


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だが止まらない。


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一瞬の“隙”。


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ミツキ

「——今!!」


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根が伸びる。


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一瞬だけ、腐食が間に合わない。


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固定。


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その瞬間。


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迅、現れる。


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正面。


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「終わりだ」


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一撃。


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深く入る。


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虫無の輪郭が崩れる。


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初めて。


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明確なダメージ。


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虫無

「……なるほど」


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「速さで、押し切るか」


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だが——


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まだ消えない。


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存在が揺れるだけ。


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ミツキ

「しぶといわね」


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迅、無言。


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構える。


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虫無も、静かに構える。


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ナレーション。


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因縁は、


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簡単には終わらない。


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森は、まだ生きている。


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東北。


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戦いは、


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さらに深くなる。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、

情報戦なども含めて描いていきます。

少しでも面白いと感じていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

今後ともよろしくお願いします。

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