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01 召喚

初投稿の初心者です。拙い文章ですがよろしくおねがいします。

7/21 少し直しました。

ぴっかー!ららんらー☆


端的にいえばこんな感じだった。

それが真っ白い光の中なのか白一面の世界なのかわからないうちに、気がつけば変な台座の真ん中に立っていた・・・ということは。



こんなバカげた状況に憧れること幾星霜。

いつからだったかその手の本を読み漁っては召喚に必要なものはなんなのか常々模索していたのだ。

この年になるまで。

すっと胸元に拳を引き寄せると斜め上を見つめる。


笠鷺みなも、19歳。

いま、わたしは旅立ちます。


「おい、お前、どこを向いてしゃべっている?」


その声にはたと視線をめぐらせれば、全然まったくこれっぽっちも見たことのない絶対知り合いではない少年が、腕を組み尊大な態度で立っていた。

真っ黒なマントに真っ黒な上下。

真っ黒な髪に・・・薄茶の瞳。

・・・あう。

こういうとき瞳は赤か金であってほしかったのに。

しかも見るからに年下。実に惜しい。


「・・・はあぁ。」


全身をじっくり眺めまわしてからの、さも期待はずれだといわんばかりのため息に目の前の少年の機嫌が悪くなったようだった。


「何者だ?どうやってこの部屋に入った?返答しだいでは・・・」


眉間にしわを寄せて右手を僅かに掲げる。

なんだか物騒な空気を醸し出す少年に、その年でこのキレやすさはないと思った。

見た感じ年下、中学生くらいかと思っていたけど、この様子ではもう少し下かもしれない。

これで万が一同い年とか年上だったときは、この世界から早く帰してもらおう。

そう心に誓うと、いまだにこちらを睨みつけている瞳を静かに見返す。


「・・・ねぇ、ちょっとまって。たぶんここは異世界だと思うの。」


まったくもって知らないものだらけだった。

この変な台のある部屋は8畳くらいの広さで総じて灰色の石でできており、変な台座も黒めの石の表面に何らかの模様が彫ってあるだけの至って地味なもの。

部屋にある明かりはぼんやり光るランプだけで、窓も扉もなく今が昼か夜かもわからない。


ふむ。

よくよく見ればこの少年、将来が楽しみなお顔立ちである。

すっと通った鼻筋にわずかに吊り上った眉と目じり。

ちょっと丸いほっぺは幼い証。

こっちの世界の“普通”がどの程度なのかはわからないがモテない顔ではないだろう。たぶん。

わたし個人の好みでいけば好きの部類に十分入る見た目ではある。

まぁどう見ても平均点なわたしとでは釣り合わないのだけど。


ということで、この子には“鑑賞用”のマークの入ったシールを貼り付ける。心の中で。


しかし目の前で何やら考えこんでいる様子の少年に呼びかけようとして軽く困ってしまった。

名前も知らない美少年に「ねぇ君、」なんて口にするのは、どうしてだか変態っぽい気がしたから。


・・・・・・・。


やっぱり何度考えても「ねぇ君、」の後に続くのがどれもこれもアブナイものしか浮かばない。

いくらなんでも来た早々“変態”と見なされるのは嫌だ。

ここはやはり名前をお聞きするのが妥当だと思う。

とすると・・・パッと見、ツンか俺様としても『他人に名を尋ねるときは自分から名乗るべきではないのか(疑問符はつかない)』なんて言われるのがオチだ。

フラグは立てられずとも嫌われたくはない。

そう意気込んで俯けていた顔を上げ、なるべく真面目な顔をする。


「・・・ょ

「わたしの名前は笠鷺みなも、19歳。性別は女。成績は中の上。剣も魔法も使えない、多少馬にのれるくらいの親兄弟親戚恋人なしの一般人で・・・」


美少年くんがほぼ同時に何か言いかけたが、わたしは心に決めていた自己紹介を一息に吐き出した。

自分でもなんて使えないやつだろうと思う内容だったが、変に期待されては身の危険に晒されるのだ。


つまり。



「勇者と生贄は無理よ?」



何のために喚ばれたのかは知らないけれど、たいていは自分たちで解決できない何かのためなはずだから。

できることとできないことは、はっきりさせといた方がいいと思っていた。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

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