第六十二話 デムー・ヘキサグラム
「お疲れ様、忍君こっちは大丈夫? 追加は無しだよ」
「はい、6人とも良い子ですね、シェアして放牧しますか?」
「放牧してどうする! 皆は何て言ってるの?」
「冒険者になる方向ですね、ソフトなシェアでお願いしますね」
「パァーンは、見るのも怖いしね、了解」
何も無いルームの中で、椅子とテーブルを出して、お茶しながら雑談をしている様だ、もうここでソフトなシェアをやってしまいましょう。
「忍君、シェア終わったから後は任せても大丈夫? 明日ってか今日だな、今回はデムーだから戻って少しは寝ておくよ」
「はい、ありがとうございます。未来と凛花次第ですがこちらもそこそこで寝ちゃいますね」
俺は一旦ルームを出て、いつものルームに入りログハウスに入りました。
皆は寝室にいるようで俺も寝室に戻り、夜が明けるまで眠ることにします。
「そろそろ起きるにゃ、朝にゃよ」
「あふっ、もう朝なの、あふぅあぁぁ」
「デカいアクビにゃ、吸い込まれるところにゃ」
いやいや、頭くらいなら入るか? まぁ入れないけどね。
「起こしてくれてありがと、皆も起きてるかな?」
リビングに出ていくと皆はもう揃っていました。
「ごめん、寝過ごしたかな」
「うふふ、よろしくてよ、まだ明るくなりだしただけですわ」
「ユウマ、顔洗って、寝癖直してきなさいよ、うぷぷ」
まだそんなもんなのか。
「そんなに寝癖付いてるか? 微妙に伸びてきたからなぁ、散髪するにしても、こっちの世界ではどうやるんだ? ハサミやバリカンなんて無いよね?」
「ナイフで切りますわ、今度切って差し上げますね」
「おお、頼むよ、んじゃ洗面所に行ってくるよ」
洗面所で鏡を見ると、おお、成長してイケメン度が上がってきてます。まだ高校と中学のどちらでも通りそうだな、ってかボサボサだよマジで、ナイフか、前髪だけでも切りたいよなぁってゆっくりしている場合じゃないか。
歯を磨き、顔とそうだ、どうせなら頭から洗っちゃおう。
ささっと洗い終えるとさっぱりした、水魔法で髪の毛の水を移動させ乾かして、錬金術でミスリルを使い、ウェーブカチューシャを造り、前髪を固定する。
「部活の時良くやってたよな、確かサッカー選手が使ってるの見て真似したんだよな、よし、鬱陶しい前髪も解消したしオッケーだな」
ついでに成長したマイサンを確認してビビり、洗面所を後にした。
軽い食事をして、外に出ると、忍君達も出てきた所だった。
「おはよう、そっちは町巡り行くんだろ、気を付けてな」
「はい、この子達をどうするか悩んだのですが、一緒に連れていって修行させますよ、なので持ち運びハウスの予備ってまだありますか?」
「有るぞ、ほいっと!」
ズン!
「「デカっ!」」
「ん~と持ち運びハウスのデカいバージョンみたいだな、後は、ほいっと!」
ズン
「これくらいかな?」
「一度大きくしてみますね」
魔力を流し持ち運びハウス設置すると、新興住宅の建て売りサイズで、だいたい二倍くらいのお金持ちサイズでした。
「これだけ大きければ、男の子六人でも余裕ですね」
「だな、一人一部屋ありそうだな、デカいのはしまうよ、収納! そうだ、透明ローブも渡しておくよ、ほいっと!」
「助かります、ダンジョン攻略で何枚かはあったのですが、足りなかったので」
「んじゃ俺達は行くよ、1周回って落ち合おう」
「はい、では、転移!」
忍君達は、透明ローブか羽織り、転移で呼んだ街まで戻っていった。
俺達も透明ローブ羽織り飛翔で、学院都市に向け飛び立った。
流石に近いためすぐに到着、別邸上空である。
(デムーの場所はっと、鑑定!)
(分かりますわ、うふふ、見つけましたわよ、この部屋なら私が転移出来ますわ)
(ほう、なら皆を頼めるか)
(行きますわよ、転移!)
デムーの寝室に転移した俺達はその惨状を見て、皆の前に立ち、隠す。
(皆目を閉じていて!)
そこには、若い女性······だったものが転がっていた。
俺は、少しだけ多めに体力を残し搾取して奴隷の腕輪をデムーに嵌め、叩き起こした。
「痛ぅ~、何事です!」
(命令! 動くな! 喋るな! この方達をアイテムボックスにしまえ!)
デムーは命令を聞き、残しておいた中身は死体だらけの、死体だけ残したアイテムボックスに、新たな死体を追加する。
俺は部屋全体をクリーンで綺麗にしてしまう。
(ナニー、コイツは······)
(私がやらないと)
そう言うと透明ローブを収納しデムーにその姿を見せる。
(声を、小さな声を出せる様にお願いします)
(命令! 小さな声で喋り、ナニーの質問に嘘偽り無く全てを話せ!)
「なぜ生きていますの! あの毒は最高の回復術士が手当てしても無理な毒ですのよ!」
顔を醜く歪め、ナニーを睨み付けるデムー。
「いえ、死にましたわ。死して創造神様に拾われホムンクルスとして転生しましたわ」
「なんと言うしぶとさ、潰しても潰してもわいてくる虫の様ね、で、私に復讐でもしに来たのかしら、無能!」
唾を吐き、睨み付けたままだ。
「ええ、デムー貴女には国民の前で全ての罪を告白して、その罪を問われるの、さて、生き長らえることは出来るかしらね、暗殺ギルド、王都サブマスター」
「なっ! どうしてそれを! 誰が喋ったの! そいつは八つ裂きにしてやりますわ! 教えなさい無能!」
一気に表情が変わり、誰が犯人なのかと思いを巡らせているのか、目がキョロキョロしだす。
「あははははは、無能はどちらかしらね、デムー、ご自身のステータスを確認してみてはどうかしら」
「ステータス? ······なっ! なんなのこのステータスは、ほぼ全てが1じゃないの! スキルは! ねえ! 私のスキルは! 職も消えているわ!」
一気に驚愕の表情に。
「無能のデムー、明日からは良い事だけをやり、もうすぐオシリス様がこの街を通ります。そこに出頭し全ての罪を暴露しなさい、全ての資料と、アイテムボックスの死体も持って」
「嘘! そんな事をすればお父様もただでは済まなくなってしまうわ! 良くて政権交代の幽閉、普通なら斬首よ! お父様もお兄様も、私も!」
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