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第六十話 救う召喚者と、救わない召喚者 Ⅰ

 搾取エクスプロイテイション


 この商人が多い街は、暗殺ギルドが根深く、大きな商会はほぼ全滅、今日夕方には衛兵の詰め所はパンクするかもしれない。


「思ったより時間がかかったな」


「それね、道を歩けば状態だよね~」


 その通りだった。商会が建ち並ぶ通りは明日にはシャッター商店街になっているだろうな。


 そして今のヤツが大物だった。


 奴隷の腕輪で話をさせたのだが、ビルドの右腕をしているヤツだった、定時連絡があるので当たり障りの無い情報を流すように命令し、今現在未来と凛花のクラスメイトがどこに居るのかを聴くことが出来た。


 今夜中に回るか、次の学園都市にはデムーがいる可能性が高いから、憂いは取り除いておきたい。


「そろそろ夕刻の定時連絡だ、命令、俺達の事を知らせるの禁止、オシリス王弟様に関してもだ」


「それにもうすぐデムーの誕生日、欲しい物と所在場所を聞いて下さる」


 なるほど、それが聴ければ場所を特定出来るよな。


「はい、くそぉ、なんでこうなったんだ」


 ピーピピー

 ピーピピー


「よし出て良いぞ」


「ビルド様、お待たせいたしました」


「うむ、今週の上がりと報告をよこせ」


「黒貨2枚、大白貨8枚、白貨2枚、大金貨8枚、金貨9枚です。カール様のご依頼、オシリスへの対策として使いました魔物寄せと、モンスターハウスの魔道具3台が無ければ黒貨3枚に届いておりましたが、必要経費でしょう。雨で門前が詰まっていると聞きました、早ければ昨晩遅くとも今晩には砦、オシリスは落ちましょう」


 1週間でそれだけ儲かるのか、どれだけ暗殺の依頼を請けているんだよ、人数もいるみたいだから数も積もればって事か。


「うむ。良い流れだな、オシリスが済めばチェルノーゼム王国へ攻め入り鉱山まで行ければ月黒貨100枚は確実、穀倉地帯まででも月10枚は余裕であろうな」


 残念だがそれは無くなったよ。カールが率いていた軍はオシリス王弟様に付いてこっちに向かってきてるからね。


「はい。その通りでございます」


「私のエンシェントとハイエルフ、カールにつけるエルフどもはどうなっておる? それとまた搾り取っておけ、ヤツはまだまだ溜め込んでいる筈だからな」


「はっ。請けていたエルフ6名について、近日中に心が折れるとの事です。手はつけず純潔のままお渡しできるかと」


「うむ、よろしい」


「ビルド様、そろそろデムー王女様の誕生日だと記憶しております、何か入り用はありますか? 直接王女様に届ける事も出来ましょうし、今は学園でございましたね、別邸にお届けしますが」


 よし、苦虫を噛み潰したような顔だが声はにこやかに喋っているように聞こえる。


「うむ。オリハルコンの腕輪が欲しいと言っておったな。ふふん。今週のあがりが飛んでしまうな、用意頼めるか」


「はっ。聖なる紋様を刻印した豪奢な物をビルド様からとお届けしておきます。私も龍の革が手に入りましたゆえ、バッグとチョーカーをお作りしている最中ですので」


 へぇ、プルプル怒りを堪えているのか真っ赤な顔をしている。これは本当に作りかけていたのかもな。


「ふむ。奮発したのう、デムーも満足するであろう、別邸にはその旨伝えておこう、今月末に1度王都に戻るがそれまでは別邸におるからな」


「はっ、承知しました」


「ではな」


 定時連絡は終わったようだ。


 更に命令で、こいつには明日以降も同じように定時連絡はして貰い、ビルドに上がる情報を止めてもら事にした。


 こいつの後もこの街を精査し、全体を回りきり、忍君達と一旦合流し、クラスメイトの解放を進めることにした。



 そして夕食時も過ぎ、町の灯も少なくなって来た頃合いで、クラスメイト達との接触を始める。


「皆、透明ローブを羽織りクラスメイト達と接触を図るぞ」


 だが、上空から砦の上にいるクラスメイトを見て2人は少し困った顔をしている。


「はい。ねえ未来、この3人は私あまり知らないの」


「素行の良くない子達って事は聞いたことはあるけど私もよく知らないの、凛花も知らなかったのね」


「ん? クラスメイトなのに知らないのか?」


「本当のクラスは別々なのですよね、8クラスあって、専門的な選択授業のIT系を選択すると、その時間はパソコンを皆が1台ずつ使ってやるのだけれど、今は流行りのコロナで各自の教室や、自宅で遠隔授業が出来たのですが、その日はたまたま学校の視聴覚室でやることになったのです」


「うちのクラスIT不人気で未来と2人しかいなくて、他の子はきちんと知らないかな、人数も把握出来ていないし、あはは······」


 だとすると、人となりも見てからで無いと不味いよな。


「じゃあ鑑定かけて、称号を見てみて判断するしかないな」


「私もそれが良いと思いますわ。自分から進んでヘキサグラムに加担している者もいるやも知れませんし、それに奴隷の腕輪で無理矢理やらされた事なら罪にはなりませんわよ」


「よし、人数は18名だな3人ずつに分かれているようだ、鑑定して近くで話を聞いてみよう」


「「はい!」」


 ローブを羽織って砦に降り立つ。


 鑑定すると、3人の男子には強姦の称号と窃盗、強奪がついていた。


「糞つまんねぇ見張りなんか辞めて娼館行こうぜ」


「金ねえって言ってるだろ、やるなら攫ってやるしかねえべ」


「冒険者ギルドの受付嬢攫うか! あいつ好みなんだよ」


 搾取エクスプロイテイション


 聞いているのも嫌になった。


(奴隷の腕輪で縛るよ)


(はい、問題ありません)


(自業自得です)


 すぐさま嵌めてしまい、命令を下す。


(命令だ。今後は罪を償い良いことだけをして行け)


 よし次に行こう。

 読んでくれて本当にありがとうございます。


これからも読んでもらえるように頑張ります。









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