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第五十七話 包囲作戦 Ⅰ

「······討つだけなら簡単ですが、民の皆さんにその罪をお知らせして、皆で裁こうと思います」


 バルバロッサ伯爵はほんの少しだけ間を置いて笑顔になり大きく頷きました。


「バルバロッサ家はオシリス王弟様に付きます。親戚筋でも信用の有る者もおります、これでもこの国の中で最大派閥の長、寄り子も多数おります、お力になれるでしょう」


 微笑むナニー、笑顔のバルバロッサ伯爵、お互いに頷き合います。


 おお、このバルバロッサ伯爵さんは仲間内のリーダーで、寄り子ってことは、部下みたいな感じかな。


 それが沢山いるなら心強いな、あれ俺と、忍君を見て、なにやら観察してますね。


「そこのユウマ殿と忍殿は、ここまでナニー王女様と娘を護衛してきてくれたということですね」


 ん? 見た目はそうなるのか?


「うふふ。ユウマは私の旦那様ですわよ、それに」


「「忍は旦那様♪」」


 ナニー、幸せになろうね。


 うんうん、二人は元気いっぱいだけど、バルバロッサ伯爵さんと奥さんが、“へ?” って顔してますよ。


 やっと娘が帰ってきたと思ったら、同じ人を旦那様だと言えば驚くよね? 伯爵さん、奥さん、頑張れ。


「ナニー様に旦那様が出来たのは喜ばしいですね、あはは」


 頑張れ伯爵!


「忍殿、娘が君の事をそろって旦那様と言っている様だがどういう事かね」


 こめかみがピクピクしてますよ、伯爵さん。


「いっぱい愛して頂いているのよ♪」


「凄く優しいの♪」


 油が注ぎこまれ、伯爵さんは笑顔のまま真っ赤に、そしてわなわなと震えだした。


 しかし奥さんが思わぬ掩護射撃(えんごしゃげき)を。


「まあまあ♪ あなた、これでバルバロッサ家は安泰ですわね、忍殿、いえ、忍さん、娘をよろしくお願いいたします」


「はい、大切にします」


 おお、忍君言いきったじゃん、俺も応援するぞ。


「ぐぬぬぬぬぬ、納得出来てはいないが、二人の顔を見れば(ないがし)ろに扱ってはおらんようだ、認めよう婿殿」


「はい、ありがとうございます」


 鬼の形相だけど、なんとか握り震える手を押さえた伯爵さん。忍君の満面の笑顔でどれほどのダメージがあるのかは、計り知れないよ、本当に頑張れ伯爵さん。




「今夜は離れに部屋を用意しましたので、ナニー王女様達はそちらにお泊まり下さい」


「分かりましたわ、お世話になります」


 あの後、バルバロッサ伯爵さんは早馬を各方面に走らせた、オシリス王弟様に付く旨を書き記した書簡を持たせて。


 そして、今夜の宿も確保出来ました。


 忍君達、テルースと未来、凛花も本宅で泊まるそうで、なにやら結婚のドレスがどうとか、奥様と話しているのが聞こえてきた。


 伯爵さんはぶすっとした顔ですが、口元が少し上がっていたので、絶対嫌だって事は無さそうです、男同士で語り合って下さい。


 離れにメイドさんに案内され、中に入りリビングでお茶を用意してくれました。


「書簡と魔道具で連絡をしたけれど間に合うのかな」


「遠い領地からだと1月(ひとつき)は軽くある遠い領地の者もいますから、近くの領地、1週間程度で集まれる者達だけになりますわね」


 ふむ、そうなるか。


「じゃあそのタイミングに合わせて搾取出来るように、寄生だけはやっておいて、後は起爆させるだけにしておきましょうよ」


 そうだな、そうしておけばたぶん偽装の魔道具を使っている筈だから、タイミングよく搾取してしまえばもしかして、王様に味方している良い人達もそれで気付き、オシリス王弟様に付いてくれる筈だな。


「うふふ。では、王都に行き、王城に忍び込んで、寄生はユウマにして貰わないとですね」


「分かった、ガンガンやってやろう」




 その後、夕食に招待され、食事も済み、リビングで、バルバロッサ伯爵さんから報告があると皆がソファーに座り、バルバロッサ伯爵さんの言葉を待っている。


「オシリス王弟様に連絡が付き、懸念であったアポローン侯爵様もオシリス様に付いたと言うことです。あの方はカール王子に意見をしまして、本来なら軍を率いる立場の方なのだが、今回の不可解な進軍、今はチェルノーゼム王国に攻めいる直前だったと聴いた、その監視役として下級兵士の扱いを受けていたのだ、だが将軍に返り咲き、軍を率いるとの事だ」


 おっと、あの良い貴族の方だね、将軍にかぁ、元々オシリス派と言っていたしね、頑張って貰いましょう。


「うふふ。頼もしいですわね」


 伯爵さんは、一口お茶を飲み言葉を続ける。


「10日後に王都に到着予定で西側からアポローン侯爵領に寄り、兵を追加し向かうそうです。我々は南東、北東の二つに分かれ、王都を包囲する予定となっております。その後主要貴族で王城に向かい、詰問を投げ掛ける所存であります」


 また一口お茶で喉を潤し、続ける。


「しかし、暗殺ギルドのグランドマスターですか、偽装をしているのですね」


「はい。ご安心を、詰問の時点でその偽装の魔道具は効力を失いますから、任せておいて下さいまし」


「はっ! よろしくお願いいたします」


 3方から囲い込みか、逃げ場は無いんだろうな。


 その後も、感づかれない様にする事を徹底するとの事です。




 翌朝俺達は出発した。サラとミリーの事で少しゴタゴタがあったが、せっかく帰ってきた娘がまた出かけ、それもこの作戦を忍君達と一緒に行うって言った時の伯爵様の顔は、この世の全てに裏切られた様な顔でした。


 奥様に慰められ、見送ってくれた。


 さあ、一気にやっちゃいましょうか!


 街を出て、街が見えなくなったところで、先日忍君達と待ち合わせした所まで転移でショートカット。


 そのまま馬車と馬さんはルームにいて貰い、このまま街に入っちゃおうと飛翔で街壁を越え、忍君達は街に散らばり情報を集め、俺達は貴族街に潜入し、鑑定&寄生をしていく事になった。


「呆れちゃうわね。バルバロッサ伯爵がこの街には寄り子も、親戚もいないって言ってたけれど、今のところ8割が暗殺ギルドじゃないの?」


「そうですわね、残りの2割近くも何かしら犯罪称号がありましたわよ、良い方はたったの2人だけですわね」


 そうなのだ、ヤバいのですよ、まぁ、詐欺、脱税、密輸入・輸出くらいは可愛い物だと思えるほどの称号がずらり。


 それに、状態に魅了 (ビルド)これは偽装の魔道具ではなく、ビルド王のスキルによる偽装なので掛けられている本人も知らない、分からない状態の様だが、試しに、脱税の男爵から魅了を搾取してみると、なんと俺は、“魅了”のスキル(使いません)を覚え、正気に戻った男爵は怒り狂い、『ビルドめいつからだ! くそ、我輩の金がヤツに流れてるじゃないか! ヤツの罪を暴露してやる!』と、そんな事を言い出す。


 仕方がないので、腕輪を嵌め、オシリスさんに味方して、その情報を教える様に、それと脱税などの悪さは辞める様に命令をして、その場を去り、同じパターンで全ての貴族を回り、命令を繰り返すことにした。

 読んでくれて本当にありがとうございます。


これからも読んでもらえるように頑張ります。









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※誤字脱字報告いつもありがとうございます。頑張って無い様に······頑張ろう。


 




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