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第五十六話 再会

 入門待ちの列に並び、ベリアルも落ち着いて今はルキ、ラミエルと一緒に屋根の上で、並びだしたところに咲いていた花を摘み、花の首輪を作って馬さんに装備されています。


 次は自分達用の冠を作成中だったりする。


 徐々に日が山に沈みだした頃、俺達の番になり冒険者のギルドカードで入門は中の人数と各々ギルドカードを提示して、あっさり入ることが出来ました。


 そうだ、中に入ったのなら、サラとミリーの案内があった方が良いか。


(忍君。直接サラとミリーの家に行くんだろ? それなら先行してくれるか?)


(はい、分かりました。二人を御者台に乗せて堂々と凱旋です♪)


(戦争しに行ってはいないが、無事に帰って来たってことで凱旋で良いか?)


(はい♪)


 俺は門を抜けすぐの広場で一旦停まり、忍君達が門を抜けてくるのを待つことにした。


 その広場には屋台や地面に布を広げ、多種多様な品物を並べる露店があり、馬車を降りて俺、セイラとナニーの3人で見て回る。


 ラミエル、ルキ、ベリアルの3人は屋根の上でまだ花の冠を作っている様だし、ってかどんだけ作るんだよ。思わずつっこみを入れそうになったぞ、既にみんなの分は完成して、屋根に積まれているのが見えるので、相当な数の花かんむりが作られたのが分かった。


 まあ、それは置いておいて、露店を見て回るその中にドンっと宝箱を一つ置いて、金貨1枚と立て札を掲げた露店がありました。


「へえ、中身が分からない宝箱か、福袋みたいで面白そうだな」


「おっ、兄ちゃん買っていくかい、13年ほど前にダンジョンで発見された宝箱だ、中身も入ったままだぜ」


「へぇ、中身はなんなの?」


 セイラ、それは俺も知りたいと思っていた。ってか、俺は宝箱がカッコいいなと思って欲しいと思ったのだが······。


「お嬢ちゃん、実は開けられた事がないんだよ、幾人もの鍵開けのスキルを持った者達が開けようとしたんだが、未だかつて開いていない」


 ほお! それは逆に中身なんか何でも関係なく欲しくなって来るじゃん! 高価な福袋は中身が分かるヤツしか見たこと無いが、これは中身も分からない完璧に運任せ! 度胸試しだな。


「「買います!(要らな~い)」」


「え? ユウマ本気?」


「え? 宝箱のデザインが気に入ったから欲しくなってさ」


 セイラは呆れた顔だが。


「うふふ。中身ではなく宝箱ですか、確かに重厚な造りで、宝物倉庫に入っているような宝箱ですわね」


 うん、流石王女様、分かっていらっしゃいますね。


「だろ! ほいっと! 金貨1枚!」


「あははは、そんな理由で買われるとは思わなかったぜ、ありがとよ、ほら、持っていきな」


 俺は金貨をおっちゃんに渡し宝箱を収納して、ほんの一瞬止まってしまったが、バレてはいないだろう。


「うふふ。あらあら、忍君達が門を抜けましたわね、護衛付きにランクアップしておりますわよ」


「はぁ。入れ物を気に入ったなら良いかぁ~。ん? ホントだ! 騎馬隊さんが付いたよ!」


 見ると、兵士さんが馬で周りを護衛しながら、門を抜けて来ているではないですか!


「あぁ~、そうか、貴族さんの娘さんだから護衛が付いたのかもね」


「私達も行きましょう」


「よし、馬車に戻ろう。おっちゃんありがとうな、部屋にでも飾るよ」


 早足で馬車に戻り、出発の準備を整える。


「ユウマさん、この方達が一緒に行ってくれるようです、後ろに付いてきて下さい」


「了解」


「サラ様、ミリー様の乗る馬車の後ろにお願いいたします」


 態々馬から降りて、兵士さんが俺達のところに来てそう言う。


「はい、分かりました」


「よろしくお願いいたします」


 兵士さんは、馬に戻り手振りで俺達の馬車が忍君達の馬車の後ろに付けるため、スペースを開けるように指示をしてくれる。


 俺はゆっくり馬車を操作し、指示通りに後ろに付けた。


 騎兵に護られ、大通りを進む。するとやはり目立つから、じろじろ見られて少し恥ずかしい気がするな。


 そんな状況の中馬車は順調に進み、大きなお屋敷の前に到着。その大きなお屋敷の門が開かれるのを待つこと無く中に入る事となりました。


 お屋敷の前で馬車を停め、馬車から皆が降りると屋敷の扉が、バン! と開き、まだ若い男女が走り出てきた。


 それで真っ直ぐ、サラとミリーに向かいあっという間に駆け寄り、抱き上げてしまう。


「サラ! ミリー! よくぞ無事に戻った!」


「お父さん、苦しいよ」


「お母さんただいま」


「お帰りなさい、サラ、ミリー」


 再会を喜ぶ家族をここにいる皆で、あたたかく見守り、落ち着くのを待った。




 その後しばらく時間はかかったが、俺達は大きな応接室に通されソファーへ座り、お茶を頂いている。


 サラ、ミリーしか目に入っていなかった、ご両親が俺達の方を見て固まった。


 俺達ってより、ナニーの事をだが、······あはは、気が付いていなかったのか、やっぱり。


 ご両親がソファーから飛び降り、床に跪き。


「大変失礼をしてしまいました! ナニー王女様! 申し訳ありません! どうか、どうかお許しを!」


 あはは、不敬罪にはしないから安心してね。


「バルバロッサ伯爵様、奥様、お久しぶりです。顔をあげソファーにお戻り下さい。人攫いにあった娘が戻ってきたのですもの、私はこの様な事で怒ったりはしませんよ」


「はっ! ありがとうございます!」


 2人はソファーに戻り、今度はきちんと俺達の方を向き座る。もちろん背もたれに背は付けず、背筋がピンッですけどね。


「お父さん、お母さん、こちらの忍とユウマさんに、そちらの未来、凛花と共に奴隷商会から救い出され、解放して貰ったのです」


「おお! 忍殿、ユウマ殿、本当にありがとう」


「それに、ナニーちゃんとセイラちゃんに服を貰ったんだよ、ごはんも食べさせて貰ったし」


 そうだよね、冒険者仕様だけど、あはは······。


「ナニー王女様、セイラ殿もありがとうございます、後のお4人は?」


「うふふ。テルースは忍君のパーティーメンバーで、ルキ、ラミエル、ベリアルは、私と同じユウマパーティーのメンバーですわね」


 後フウとお母さんもメンバーだよ。


「おお! 2人は冒険者をしたのだな、私とお母さんもBランクまで行ったのだぞ」


 おお、貴族でも若い頃は冒険者をするのか。


「おっと、失礼をいたしました」


「バルバロッサ伯爵様、折り入って1つお願いがございまして、実は······」


 ナニーがこれまでの経緯を話し始めた。

 読んでくれて本当にありがとうございます。


これからも読んでもらえるように頑張ります。









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※誤字脱字報告いつもありがとうございます。頑張って無い様に······頑張ろう。


 




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