第五十三話 ダンジョン?
「お疲れ様、って本当にお疲れ様だな寝てないし」
「え? 僕達は交代でルームに入って寝てましたよ」
「マジか! そんな使い方も出来るとは······いや~、若者の発想はスゴいね、思い付きもしなかったよ」
いやマジで、それってルームに持ち運びハウス入れておけば、旅の途中どこでも休憩や夜営出来るし、馬さん達も持ち運びハウスに入れなくてもルーム内を改造すれば草原とか作ったり、確か木魔法あったよね、水場もお水が出る魔道具で解決だから、それなら安心安全だよな、よし、作る方向で皆と相談しよう。
「ユウマさんも若いじゃないですか、転生前もそこまで行ってませんし」
「そうか? そう言ってくれると嬉しいな」
「そうだ、僕達はまた先行しますよ、王都まで後何か所か、村や町もありますから、少しでもお役に立てるように頑張りますよ」
そしてダンジョン攻略といちゃいちゃするんだろうな。
「ありがとう。この目的が終わったら何かお礼しないとな」
「そんなの要りませんよ、助けていただいて、強くなる切っ掛けも貰いましたから」
「そうか? まあ、何かあったら遠慮しないで良いからなセイラ達が欲しいとか抜かしたら、搾取しちゃうけどね」
「あはは······、そんな事言う訳無いですよ、あっ、でもサラとミリーの街には少しだけ横道になるそうですが、よっても良いですか?」
「もちろん。どうせならオシリスさんに味方してもらえる様に仕向けるくらいで」
「了解です。王都手前の街から横道にそれますので集合場所はその街の冒険者ギルドで」
「了解。気を付けてな」
「は~い、皆行くよ~」
「「は~い♪」」
忍君達は馬車には乗らず走り去って行きました······馬車要らんやん。
俺達は結局お昼まで寝てしまい、軽めのお昼ごはんを食べ進むことにした。
安定の俺の運転&ルキとラミエルが御者台、今はラミエルが手綱を握り進んでいる。
その間に、草原から馬が好きそうな草を採取しルームに植えて、木魔法で増殖中だ。
3キロ四方の大きさにしたので、中々の草原が出来つつある、少しだけの間、2人には馬車を任せてルームに入り、持ち運びハウスを設置し、水場も作成、ついでに途中にあった果物が実る木を何本か植えたり、花壇なんかも作って、なんちゃって庭園になってしまいました。
「ごめんね運転任せちゃって、何かあった?」
戻ってきたら、セイラとナニーが馬車の屋根に登っていたので聞いてみる。
「うふふ。美味しい鳥さんが沢山来てくれましたので、4人で狩りをしただけですわ」
ほお、こんな草原の真ん中で、目立つからかな。
でも美味しいのか、それは楽しみだ。
「ヤミツキーって鳥さんだよ~♪ ずんぐりした鳥さんなの」
「うむ。ヤミツキーは美味じゃぞ、私も好物じゃ」
「はへぇ~、今から晩ごはんが楽しみですぅ~♪」
「くくっ、俺も楽しみになってきたよ。そうだ、ルームが一応完成したから見てくると良いよ、手綱は俺が握るから」
「うふふ。いないと思ったら、それをやってましたのね」
「ふむ。よし、私が見てやるとするか、行くぞ!」
「「は~い♪」」
皆には俺のルームに勝手にアクセス出来るようにしているから、ひょい、ひょいっと窓? 入口を開け消えていく。
さて、しばらくは一人で頑張るか、あっ、馬さんも一緒ね。
しばらく走ると、草原の中で巨石が立ち並ぶ場所にやって来た。
「へぇ~、近くに来るとデカいな、光っている気がするけれど、なんだろう、鑑定!」
◇銀を極少量含んだ石 : 銀貨十枚程度の銀を含んだ石
「銀が少しだけ入っていてそれが光っているのか、綺麗だしルームに何個か、あのデカいヤツを飾るか、収納!」
「うわっ! 穴が空いてしまったよ、あはは······、ん? あれ? 底に何かあるな? 何だろ」
馬車を停め、穴の底に降りてみると、階段だ······もしかしてダンジョン?
(皆! ちょっと来て、ダンジョン見つけたかも)
((嘘!))
俺の横でルームを開き出てくる皆。
「階段だね~」
「まあ。大きな穴を空けましたのね」
「ああ、キラキラ光ってる岩があったからね、ルームに飾ろうかと思って収納したらこの階段だよ、ルキ、ルキのダンジョンカードは新品だったよね、出してみてくれる?」
「うむ、ラミエルは持っておらんのか?」
「私は薬草採取で入った事があるので登録されちゃってます」
「俺達も前に入ったからな、どうだルキ」
「残念じゃの、ダンジョンではないの、しかし、中には入るのじゃろ?」
「そうだな、よし馬達にはルームに入ってもらい、入ってみよう」
「「は~い♪」」
そして階段を降りていく俺達は暗くなるにつれ生活魔法の光を浮かべ、行き着いたところは大きな部屋で真ん中に祭壇があり、鎖に繋がれていたのだろう白骨が横たわっていた。
「何かの生け贄をしていた場所でしょうか、古い言い伝えで神々の怒りを鎮めるために、純潔の娘を捧げていたとされていますわ」
「その犠牲者なのか、可哀想な方だね、上の草原に埋めてあげようか、こんな場所よりよっぽど良いと思うし」
「そうだね、立派なお墓を作ってあげようよ」
「だよな、よし、収納!」
「······あれ? 収納出来ないな?」
「ふふふ、起きよ、ベリアル」
「ふあぁぁ、ん? おはよう? あっ、ルキフェルちゃんお久しぶりです」
「ふふふ、久しいのう、こんなところに封印されとったか」
「あ~、ルキの知り合いなのこの白骨さん?」
そう、白骨がお座りし直して、それも女の子座りをして喋っているのだ、セイラ達3人はフリーズしてしまっていたが俺は何とか耐えきった。
「うむ、ベリアルと言ってな遥か昔からの知り合いじゃ、管理神のおやつを盗んだ罪で封印されたと聞いておったが」
「そうですよ、ちょっと蜂蜜を一舐めしただけですよ、酷いです」
「あはは、ごめんなさいって言わないとね、一応は」
「はぁ~。そうですね~、神様ごめんね、今度美味しいの見付けたら持っていくから許して下さい」
ガチャガチャ
音を立て鎖が外れてしまった······え? 今の謝り方で許してくれるの? それともここに長くいたから刑が終わったって事?
「やたっ! 貴方の提案で解放されたわ、ん? あなたルキの旦那様なのね」
「うむ、そうなのじゃ、良い男じゃぞ、中々おらん逸材じゃ」
「うん、サタン君もカッコ良かったけど、私もこの人の方が好みよ、ねえねえ私も仲間に入れて下さい♪」
「ん? ルキの友達なら大歓迎だよ、俺はユウマ、よろしくね」
「フウにゃ、よろしくにゃ」
「うん、私はベリアル、ルキフェルと同じ悪魔だよ♪ ユウマにフウちゃんね、よろしくぅ~♪」
骨をカチャカチャ鳴らしながら、俺達に新しい仲間が増えた。どこかの某大人気漫画のそれを思い出しながら。
「「えぇ~!」」
この後皆も自己紹介をして、階段を上がるのであった。
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