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第十四話 転移者達の末路

「待たせたな」


 応接室に戻ってきたペイジさんと、パティさんは、"辺境伯さんですよ~奥様ですよ~" と言われなければ分からないレベルで冒険者だ。


 おっと、呆けている場合ではなかった。


「いえ、問題ありません」


「あなた達も装備をしたのね······うん、きちんと整備もしているわね、ランクを上げられない冒険者は、100%手入れが雑なのよ」


 いや、この装備、勝手に自己修復とかしてくれるのですよ······。


「そ、そうなのですね、ではその事を心掛けていきたいと思います」


「は、はい、私も心掛けます」


 セイラも焦っているな(苦笑)。


「うふふ。そうですわね、とても大切な物ですので、私もそう心掛けますわ」


「ふふっ、私も妻にはよく言われている」


「そうですよ。うふふ」


 装備を整えた俺達5人と後から兵士さん4名がゾロゾロと、村長さん達に見送られ村長宅を出て南門へ歩いて向かう。


 馬車で御者さんが待っていたのだが。


「おいおい。今の私は冒険者だ、歩いて行くから休んでおれ」


 御者さんと、馬を引き待機していた兵士さん達は、『えぇ~』な顔をしてました。


 なので結局門まで行くのも歩いていくことに(苦笑)。


 兵士達も残したまま、俺達5人は大通りを進み、南門に着いた。


 そしてそこに居たのは······。


「ひゃははははは! なんだお前ら、オークも倒せないから助っ人見つけてきたのか~ひゃははははは!」


「あっ! 昨日のお酒のおっさんじゃん♪ まだお酒あるなら置いてってぇ~。きゃはは」


「ついでにあのの馬車も貰ってやるからよ、感謝しろよおっさん! あははははは!」


「あ~馬車の運転手もつけてよね! 運転出来ないし! 後お金もちょうだい、この前無くしちゃったから~。うふふふふふ」


 こいつら俺達に付いてきているのか?


「お前達こんなところまで俺達に付いて来たのか?」


「ああん! ヘボ転移者の癖に報酬貰ってたからよ、俺達が流行活用してやろうとしてんだよ」


「きゃははははは! 有効活用だよ~。流行してどうすんのよ! きゃは」


 そこに奥さんが参入!


 お前ら、物理的に飛んじゃうよ······。


「あらあらまあまあ。盗賊のようね。あなた、()っちゃっても良い?」


「ふむ。君達はそれで良いかね」


 奥さん、"や" の上に物騒な字が、小さく見えてますよ!


「ははは······。捕まえるくらいで」


「ああん! お前ら舐めた口聞きやがって、転移者達の競争に置いてかれてるレベルも上がってないクソにやられっかよ!」


「ひゃははははは! また舐められてやがる」


「ね~もうやっちゃいなよ~。あの馬車貰って街に帰ろ~」


「ムカつくからさ~、さっさとやって帰ろうってねぇ~」


 そう言って俺に向かって男2人が出てきたのだが、レベルも下がったままで勝てるわけ無いのに(苦笑)。


「おらブッ飛べ!」


「ひゃははははは!」


 加速して拳を握り向かってくるが······遅っ。


 左右から俺の顔を狙いフックを放ってきたので、余裕を持って、パンチの軌道を変えて二人の拳同士をぶつけてやった。


「いだっ!」


「あだっ!」


 ゴキッっと、良い音が聞こえたので骨は折れているだろうな。


「クソっ! 避けてんじゃねぇ!」


「いやいや。殴られたら痛いじゃん? 君は殴られそうになっても避けないのか?」


「ああっ! クソ、折れてるかも知れねえ」


「きゃははははは! 二人とも笑わせないでよ」


「もう、さっさとしてよ! 先に馬車に行っちゃうよ!」


 俺はペイジさんと、パティさんに一応訊ねる。


「この場合、俺がこの子達を倒してしまっても大丈夫ですか?」


「うむ。殺しでもしなければ罪には問われないな」


「うふふ。そうね、大丈夫ですよ」


 よし、言質(げんち)は取れた。


「レベル1のお前に俺達がやられるかっ!」


「生活魔法で戦うのか? ひゃははははは! つぅっ、てかマジで折れてねえかこれ」


「君達もレベル1だよね、それなら元々持ってる技能で差が出るよね」


「は? お前何言ってるんだ? レベル1なわけな――」


 言葉を(さえぎ)るように仲間が声をあげた。


「嘘嘘嘘うそ! レベル1じゃん!」


「マジだ! またリセットされてるぞ!」


「やだやだやだやだ! こんなの無理よ! どうなってるのよ!」


「どうしたんだよみんな」


またレベルが1なんだ(またレベルが1なのよ)!!(!!)


「へ? ステータス! な、何でだぁ!」


「じゃあ、君達を拘束するからね」


「待て! 待て待て! 何かの間違いだ!」


「ユウマ君、こんな時は迷わず一気によ、うふふ」


「はい!」


 一気に近付きボディヘ一発ずつ、転移者達は、お腹を押さえ地面に転がった。


 後ろで、セイラとナニーが吹き出すのを我慢している。


 うん、お尻だけ突き上げた格好だから笑えるよな、あはは。


「うむ、見事な動きだ、レベルが上がれば素晴らしい冒険者になるだろうな」


「そうですね、体術系の武術かしら」


 兄さんの見様見真似(みようみまね)ですけどね。さて、この後はどうしようか、こう何度も来られるのは面倒だよな。


「門番、この4人を拘束し牢に入れておいて貰えるかな」


「はい、領主様。見てましたが酷いもんですな」


「ああ、盗賊と変わらん。持ち物も全て剥いでおくのだぞ、こういった者達は何かしら魔道具を持っているからな」


「はい、任せて下さい、おい! ちょっと手伝ってくれ!」


 門番さんは仲間を呼び、転移者達の装備を剥ぎ取り、拘束していく。


 鑑定してみると杖などに魔法の付与が付いている、なるほど、あの杖で魔法を覚えたのか。


 それより


「称号が酷いな」


「ユウマも見たのね。強盗、窃盗、恐喝、詐欺······」


「それに殺人が付いていますわね」


「うむ。犯罪奴隷にしようと思うが、パティ、腕輪は持っているかい」


「うふふ。もちろん、いつも持ち歩いていますよ、"盗賊狩り" の二つ名もありますから」


 Sランク冒険者に出会った盗賊なんて、あはは······。


「はい。ユウマ君にやらせて上げるわ、これからも盗賊に会う時があったら捕まえて、1人最低銀貨になるわよ。うふふ」


「ふふっ、パティは幼い頃からそうであったな。そのために腕輪を作るスキルを手に入れたのだからな」


「パティさんのお手製ですか、盗賊には勿体ないくらいですね、お預かりします」


 4人の腕に奴隷の腕輪を装備していこうとしてるのだが······。


「ぐぅ、てめぇ」


「うがっ、クソ止め」


「うぅ、そんな」


「くぅ、いやぁ」


 まだもぞもそと逃げようとするので、ここは大人しくさせるために。


 搾取エクスプロイテイション


 魔力を全て搾取し0にして気絶させ、4人は地面に転がり動かなくなった。


 一人ずつよし。これでこの転移者達の奴隷人生が始まった瞬間だな。まあ頑張れよ。


 読んでくれて本当にありがとうございます。


 ほんの数秒、私にお時間を下さい。


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 読んでいただき、ここまでお付き合いありがとうございました。


 これからも読んでもらえるように頑張ります。

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