第四十七話 トラウト領都到着?
「領都が見えてきましたわね」
「ああ、流石にデカいな」
トラウト領に入ってすぐのトラブル以外は思った程ではなく、パラパラと暗殺ギルド員を捕まえて町や村の衛兵さんに引き渡し、お小遣いを貰う程度だった。忍君達は3か所のダンジョンを攻略し、大金持ちになっていたりするが。
「あれを越えて、ヘキサグラム魔法大国だね」
「ああ、そのつもりだ。領都はついでに忍君達が辺りのダンジョン6か所を攻略させて、お金を巻き上げるって言ってたな。俺達はこの国の暗殺ギルドの本部、トラウト侯爵の城を更地にする? 暇潰しに」
「うふふ。忍君達はダンジョン攻略がメインですわね」
あはは、確かにそうだよな、おっと轍が、酷いなこの街道は、するとラミエルが馬車の屋根から話しかけてきた。落ちないでね。
「そうですね、忍さんそっちにハマっているみたいでしたから」
「うおっとぉ! ふむ、なんともガタガタな街道じゃな、土魔法! ほいっと!」
膝の上に乗っているルキが、轍の振動で落ちそうになるので、土魔法で街道を地均しをし始めた。
めっちゃ、綺麗になった街道は振動もほぼ無くなり快適な馬車の乗り心地になりました。
「ルキありがとう。これならお尻も痛くならないよ」
「うんうん。ルキちゃんありがとう」
「うふふ。快適ですわね」
「はわぁ、ルキさんスゴいです! 私にも教えて下さい!」
「うむ。ラミエル、ならば御者台におりてくるがよい、ユウマの片膝を進呈してやろう」
いやいや、膝は俺のだから勝手にあげたりしないでね。
「よいしょ」
ってか既に乗ってきてるし、はぁぁ、まぁ軽いから良いか。
「くふふふ。お兄ちゃんが妹2人をあやしてあるみたいだね」
「本当ですわね。うふふ」
入門待ちの列に並び、時間をまったりお茶しながら待っていると、未来と凛花がやって来た。
「お~い! 思ったより早く着きましたね~♪」
「ああ。忍君達が先行して色々してくれた後だからな、楽々だったよ」
「えへへ。それなら頑張った甲斐がありますよ」
「そうだよね。それからこの街はもう大丈夫だから、国境に行きませんか?」
なんと! 数日先行しただけで既にこの街は攻略済みなのか。
それなら寄る必要は無いかな。
「ナニー、この街でやることはあったのかな?」
「いえ、大丈夫ですわよ。寄らなくて済むなら進みましょう」
街に入る列を外れ、街の外周をぐるりとまわる街道を進む。道はルキを中心に、ラミエル、セイラもナニーも巻き込んで、ついでに未来と凛花までもが土魔法で地均ししてくれる。
たまに遊び心か、お地蔵様を設置している。
その横にはモアイ像······いやいや、道端にある物なのモアイさんは。
夕方には領都をぐるりと半周し、今夜の夜営地に向かうことにする。領都からしばらく走ると少し広くなった場所に持ち運びハウスが建てられ、忍君がバーベキューかな? の用意をしているのが見えた。
「お疲れ様です。ユウマさん達早かったですね、後数日はかかるかなと思ってました」
「忍君達がやることやってしまうから、俺達はほとんど進むだけだったからな、本当に助かったよ」
「いえいえ、それより未来達には聞きましたか? この先の状況」
ん? そんなのは聞いてないよな、ヤバいのか?
「「あっ!」」
「忘れていたみたいですね、ならバーベキューをしますのでその時に話しますね」
「何か分からないが、俺達も夜営準備してしまうよ」
バーベキューが始まり、少しだけお酒も頂きました。
「それでこの先の状況ってどんな感じなんだ?」
「検問があって、旅人や商人達の列が数キロ続いていますね。俺達は森を抜けて向こうを見てきたのですが、出る方も行列でした。なのでどうしますか? 抜けるだけで数日はかかってしまいますし」
「おかしいですわね、私が生きていた時にはその様な事は無かったのですが」
「強者と、転移者の炙り出しです。国内外の転移者を集め、反抗的な者は奴隷の腕輪を嵌められていました。不確かな情報ですが隣国との戦争をするために集められている様です」
なるほど、転移者は転移者同士で戦い勝ち続ければ強くなるからか。よし、ここからは気を引き締めないとな、思わぬ怪我をするかもしれない。
「その話しは信憑性がありますわね。実際、未来、凛花達も複数で召喚されてます。ずっとチェルノーゼム王国との戦争をし、穀倉地帯を取り込むのが、現王、私の父の願いでありましたから。動き出したとすれば戦争が近いのかも知れませんね」
「で、どうするかですね」
「なら、私達は現地人の弱者に偽装して入国しましょうよ、こそこそしなくても正々堂々入国すれば良くない? 時間はかかるけどたまにはゆっくり行くのも良くないかな?」
「それだと、もしかするとナニーと、未来、凛花の顔バレが不安だな、もしかするとナニーの死亡が公表されていない可能性もあるからな」
「そっかぁ、良い作戦だと思ったのに」
「うふふ。簡単ですわよ。夜中に浮遊と飛翔で検問を飛び越えれば良くないかしら」
「「「それだ!」」」
そして深夜、俺達は持ち運びハウスを収納して、皆を浮遊させる。
馬さんも落ち着かせるために目隠しをして、ゆっくりと100メートルほど上空へ、そしてそのまま国境の砦を越えて、出国の列を越えて森の中に着地。
街道に出て街道脇に夜営する事になった。
朝までゆっくりと寝れるかと思いきや、まだ遠くの山に日が差し出して間もない明け方に、招かれざる客がやって来た。
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