第四十二話 犯罪者の引き渡し
インターフォンでも呼んだ後は続々と集まって来ますね。おお、今来たグループはまともなグループじゃん!
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
次はっと、暗殺ギルドじゃん! トラウト絡みか?
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まことか!」
「はい。あの、小さな声でお願いしますね、王からはまだ連絡は来てませんか?」
「うむ、ここ半月ほど領地を回っておったからな、魔道具は屋敷にしか置いていない」
「なら知らないか、ってか結構居ますね、それに駄目な称号のある者が多数ですよ」
「はぁ、もうすぐ集まりきるだろう。一気にやれるか?」
「大丈夫です、やっちゃいます」
5分後くらいに最後の組が来て全員揃ったみたいだ、準備はいいですよ~。
「総員128名揃いました!」
「うむ。ご苦労、旅の方」
「ユウマですよ、では行きますね」
搾取!
暗殺ギルドと犯罪の称号がある者に透明なピンポン玉が吸い込まれ、膝を付いたり倒れ伏しました。
「忍君お手伝いお願いね」
「はい。って多いっすよ!」
あはは、3分の2が倒れているからね、82名がダメダメ認定ですよ。
「ふむぅ。領地が近いこともありトラウト侯爵、いや、トラウトは沢山の兵を都合付けしてくれたのだ、格安でな」
「それがこの結果だから迷惑極まりないですね、あはは」
「そこの君、衛兵を呼んできてくれんか」
「はっ、これは一体どういうことでしょうか?」
そだね、説明無しに倒れるわ、呻いてるわじゃ困惑もするよね。
「ふむ。その者達の称号を見てみよ、さすれば分かる」
「よろしいのですか? 仲間内ではやらないと決めていましたが」
「構わん。今後は互いに確認する事とする。始めよ」
「はっ! 鑑定! なっ! 犯罪の称号が! こっちの者は暗殺ギルドだと!」
倒れていない良い子の人達は鑑定しまくっているのか驚きの表情だな。
「では、衛兵を呼んできてくれ」
「はっ!」
「そんな必要無いよ、命令! 立ち上がり衛兵の詰所まで歩いて行け! 罪を包み隠さず全て話す事! 衛兵さんの言う事をちゃんと聞くように」
「その手があったな。よし、数名だけ付いて行き、説明をしてくるのだ。残りは警備などの割り振りを変えねばならん、少ない人数だが頼む」
「「はっ!」」
「後は、屋敷の中で弁償をせねばな、付いてきてくれるか?」
だいぶ目減りって言うか減りすぎでしょ! こんなのさらにお金貰うの悪い気がしてしょうがないよな。
「ん~、もう良いよ、兵隊さん達もいっぱい減ったし、これから入り用だよね?」
「うむ。確かにな、だが良いのか? 貴重な持ち運びハウスだぞ?」
「皆、良いよね? ちょっと可哀想だし」
皆はうんうん頷いてくれるし、良かったよ。
「そんな感じで、じゃあ俺達は衛兵さんのところで報酬貰って旅に戻るよ」
「うむ、ならば、なにか力が欲しい時には力を貸そう」
「あははは、ありがとうございます、それじゃあ」
ブリガン子爵邸を出て詰所まで来たのだが、溢れて増すやん!
「ユウマ、溢れてますよ」
「うふふ、今日はここで泊まりのようですね」
さてどうしたもんか、顔出しはしておかないと報酬も貰えなくなるよね。
「忍君達は宿を探してくれる? 俺は詰所で手続きだけしてしまうよ」
「分かりました、持ち運びハウス壊れたのは辛いっすね」
「ん? あの後見たんだが、まだあるぞ、サイズは分からんけど」
「マジすか! なら僕達は先行しても良いですよ」
ん~、忍君はやりたい盛りですな。
「ならほいっと!」
ズン
「このサイズだと前と変わらないですよね、収納! では俺達は先にトラウト領に行ってますね、冒険者ギルドはよって下さいね」
「ああ、忘れなかったらな」
「忘れないで下さいよ!」
「あははははは、分かってるよ、気を付けてな」
「「はい!」」
忍君達はそのまま門を出て行ってしまった。
たぶん今夜も忍君は頑張るのだろう。
俺達はごった返す詰所に近付き、外にいた衛兵さんに声をかけました。
ってか中には入れる気がしません。
「あの。報酬貰いに来たんですが、無理そうですね」
「ん? あはは、この状態だと難しいな、俺も巡回から帰ってきたらこの有り様で、中に入る事も出来ない、ところで何の報酬だ?」
「この騒ぎの犯罪者を捕まえた報酬ですよ、107名捕まえましたから」
「おお、お手柄······ひ、107名だと!」
「はい、沢山いて参りましたよ」
「いやいや、捕まえすぎだろ、それにブリガン子爵様の兵士ばかりじゃないか? ヤバくない?」
「子爵様も知ってますよ、一緒にいましたから」
「いやでも、鑑定では称号に出てるからなぁ、今までは子爵様の兵士達の鑑定は全然やってなかったからか、あはは」
「今日は無理だと思うから、明日の朝に報酬貰いに来るつもりですけど、何か引換証みたいな物はありますかね?」
「ん~、ある事はあるのだが、この状態だとなぁ」
ん~、まいったな、ん? そうだ中に入れる様にか。
「命令です! 真ん中を開けて通れる用にしなさい!」
そう言うと綺麗に真ん中が割れ、奥のカウンターが見えた。
「おお! 凄いじゃないか、よし付いてきてくれるか」
「はい、お願いしますね」
仲に入るとすぐにカウンター前に行き、一緒に入ってきた衛兵が手続きを促してくれた。
そしてすぐに割符の片割れをくれたのだ。
「107名だと単純に換算しても金貨2枚と大銀貨1枚、銀貨4枚だな。それは今渡すぞ、残りは明日だな」
おお、先に人数分だけくれるのか、それなら。
(ユウマ、もうそれだけで私達も次の街に行かない?)
(そうですわね、それだけ貰えれば後はブリガン子爵にでもあげてしまうのがよろしいかと)
(おお、皆は念話出来るのだな)
(あはは、そうしよう)
「じゃあ残りはブリガン子爵様にでも渡しておいて貰えますか?」
「構わんぞ、ほら報酬、はぁぁ、俺も無理だがこんなに捕まえてみたいもんだよ、あははははは」
「俺は頼むから良い子でいて欲しいですね」
「そりゃそうだ、あははははは!」
そして俺達も街を出て2時間くらいは走ったかな? 持ち運びハウスを出して、ここで夜営する事になりました。
夕食が終わり、お風呂にゆっくり、はぁぁ~。
「フウは、お風呂とか嫌じゃないのか?」
「ほかほかにゃ、気持ちいいにゃよ」
「そうなんだ、猫って濡れるの嫌いだと思っていたよ」
「お邪魔しま~す♪」
「お邪魔しますわね」
「ユウマ! 先に入るとは、なぜ待っててくれん!」
すぽぽんです······
「おいおいおいおい! な、な、なんでルキまで入ってきてんの!」
逃げよう!
一気に湯船から飛び出し、脱衣場を目指す。
「だぁぁぉぁ~!」
ヤバいおもいっきり滑った! 天井見えてますやん!
ドゴン!
あっ······あかんこれ脳震盪は······。
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