第四十一話 なんだかなぁ
「この持ち運びハウスは、ブリガン子爵様がお使いになる、早々に明け渡すが良い!」
「えっと、盗賊ですね。捕まえちゃいますよ?」
「無礼な! ブリガン子爵様、いかがなさいましょう、もう不敬罪適用が良いかと」
ブリガン子爵ねぇ、称号はまともだよね。周りの奴らはまぁ、恐喝、恫喝、強奪、窃盗のオンパレードだけどブリガンさんはどう出るのかな。
「良い。ワシはテントで良いと言っておるだろう、人様の物を奪おうとするなど盗賊と言われ当然だ! すまぬな旅のお方よ」
「いえいえ。隣の方に行って、こじ開けようとしている奴らは、捕まえますね」
搾取!
素早く6名に奴隷の腕輪を嵌めてしまった。
「命令。黙って付いてきて」
ゾロゾロとカルガモの様に引き連れて戻ってきたのだが、俺達の持ち運びハウスに押し入ろうとしている。
搾取!
「な、なんだぁ、力がぁぁ」
「やっぱり盗賊だね。奴隷の腕輪を嵌めてもらうね」
「や、やめろぉぉ、貴様ぁぁ」
こちらも、素早く6名に奴隷の腕輪を嵌めて命令する。
「黙って外に出て、こっちに来て」
「旅の方、これはいったい」
「隣の持ち運びハウスは俺の連れの物だ。ドアをこじ開けようとしていたから捕まえた。キズが付いたから弁償ね、それとこっちの持ち運びハウスは俺のだ、俺の許可無く足を踏み入れていたよな? それも剣を抜いた状態でだ。強盗だろ」
「それはあまりに」
「間違った事は言っていないだろ? それともえっとブリガン子爵だったかな、貴方がもし同じ事をされた場合はどうしますか?」
様子がおかしいと馬車に残っていた残りの兵士達がやって来た。
こっちも兵士は、······同じか。ブリガン子爵が可哀想になってきたよ。
「何を手間取っている。さっさと明け渡すようにしてしまわんか!」
「なぁ、ブリガン子爵。貴方ならどうしますか?」
「ワシもその者達を捕らえ、犯罪奴隷とする」
「だろ? そっちの後から来た兵士さんは、人の物を無理矢理取り上げるつもりですか?」
「貴様! 抜刀! 一斉にかかれ! 切り捨てよ!」
搾取!
ドサッ ドサッ
透明な玉が一直線に飛び、13人いたが全て地面に倒れ込んだ。
そいつらにも奴隷の腕輪を嵌めてしまい、残りはブリガン子爵と馬車で心配そうにこちらを見ている、従者だろう人達が5名いるだけだ。
「命令です、黙って立っていろ」
「これではワシの兵士達がいななくなったではないか」
「そだね、いつもこんなことしてるの? よく犯罪系の称号が付かないね」
「いつもは馬車で待っているが、偶々外の空気が吸いたくてな」
「でも、あっちの連れの持ち運びハウスをこじ開けようとしていたのをブリガン子爵さんは見て見ぬふりしてたよな、あんたも同罪だと思うが、貴方が俺の立場ならどうする?」
「くっ、捕らえ犯罪奴隷だ」
「まあ、あんたには犯罪の称号は無いから俺は捕まえない。こいつらは次の町で犯罪奴隷として付き出すで良いよね?」
「ワシの護衛がいないではないか!」
知らんよ。
「でも仕方無ないよね、ほら馬車に戻って従者達と相談でもしたら」
「ぐぬぬぬ、情けない。こんな者達と見抜けぬワシが無能と言う事か、すまぬが街に引き返す際は護衛としてこ奴らを貸してはもらえんか、あちらの持ち運びハウスの弁償だが、すまぬ、今はそこまでの財は持っておらぬのだ」
そんなに高いの持ち運びハウスって、聞いてみよう。
「そんなに高いの? 持ち運びハウスって」
「うむ、黒貨まではいかんが、あちらのサイズで白貨はするか、しないかだな、旅の方のサイズで大金貨は越えるだろう」
「高いな、それは無理か、次の街までなら構わないよ、明日の早朝に出発するから」
「分かった。すまぬが頼む、あちらの弁償はさせてもらう」
そう言って、自分の馬車の方にとぼとぼ帰って行きました。
「命令、夜営の準備をして次の街に着くまで護衛をしろ、ほら行け」
ブリガン子爵さんの後ろ姿が可哀想になって、直立不動のバカ共に護衛をしてもらうことにしましょう。
そして翌朝早朝、仕方がないので馬車は使わせてあげた。今回は皆揃って次の街に移動しましょう。
到着してみるとなんとこのブリガン子爵の街だそうです。それにフリーパスで街に入れました。
入ってすぐだが衛兵の詰所に寄って行きましょう。
冒険者ギルドと併設されてるから楽だな、それにその横はデカい屋敷だし。
「ふ~ん。一応街の防衛のために門近くにあるんだ」
「ユウマさん、衛兵さんを呼んできますね~」
忍君は屋根からぴょんと飛び降り衛兵の詰所に向かいましたね、ってか女の子組は馬車内だがやっぱりあの中はね、あはは。
おっともう帰ってきたし、ん~と10人も連れてきたよ! あははは。
「盗賊はどこだ!」
「ちょっと待ってね、命令! こっちに集まって!」
大きい声で呼ぶとゾロゾロと集まる兵士もとい犯罪奴隷達。よしよし全員揃ったね。
「こいつらです。ブリガン子爵さんと従者の5人以外が、俺達を襲ってきた盗賊です」
「は? しかし、この者達はブリガン子爵様の私兵では?」
は~い、ブリガン子爵さんの出番ですよ。
「その者が言った通りだ。屋敷の兵士にも居るだろうからこ奴らを牢に入れ、屋敷に来てもらいたい」
そうか、その可能性はあるあるだな。
「ですが、兵士長殿までいらっしゃいますが?」
「構わん! 連れて行きまずはこ奴らの分の報酬を持って参れ!」
「はっ!」
「命令。罪を全て正直に話して衛兵さんの言う事を聞いてね、返事!」
「「はっ!」」
「よしよし。んじゃ衛兵さんよろしくお願いしますね」
「う、うむ、よし付いて来い!」
ぞろぞろ連れていかれましたね。
「あっ、ブリガン子爵さんの馬車どうしましょう」
「従者も乗れるのでな、それに屋敷はそこだ、置いて行き、後で取りに来ても良かろう」
確かにすぐ横だからな。
従者の人達に指示してこっちに戻ってくるね······。
「では参ろうか。それと手を借りたいのだが、もしあやつらの様な者が居れば、頼めるか?」
「あはは、······そうですよね。分かりました、とりあえず門番は駄目ですね、見えている2人とも」
「ぐぅ、情けない事だな、すまぬが頼む。それとその腕輪の代金も支払おう」
「ん? これは、『盗賊狩り』のパティさんに貰った物だから代金は良いよ」
「なんと! ペイジ辺境伯様の奥方様の! ふむ、旅の方はパティ様のお弟子さんであったか」
「あはは、違うけどまぁ、良いか」
出ていた出ていた門番と待機中の門番合わせて6名が、全滅!? どうなってんの!
「むう。ここまでとは屋敷の兵を全員呼ぶことにする、確かこの魔道具だな」
壁にかかっていたインターフォン······で良いよな、ボタンは無くて、手を置いてそれで良いみたいだな。
「ブリガンだ。兵士は全て門前に至急集まれ!」
呼んだみたいだ、さてさて何人いるかな······。
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