第四十話 パァーン
「ん? 知ってる天井だ」
「それは言わねばならんのか?」
「いや、本来なら知らない天井だったりするんだけどね、ってルキ、また看病してくれてたのか? ありがとうね」
「うむ、馬達にも水と塩、それに餌をあげたぞ、セイラとナニーはほれ、一緒にして見ておった」
俺の両サイドにセイラとナニーが、規則正しいリズムで寝息をたてている。裸で······俺も裸やん!
「な、な、な!」
「な?」
「何で裸なんだ!」
「うるさぁ~い!」
上半身をお越し抗議してフリーズ······とりあえず目を閉じて······
「きゃぁぁぁぁぁ~!」
ガン見してしまった俺は悪くないよね? お風呂も一緒に入ったよね?
後ろ手に拘束されて、足もベッドの足にロープでくくりつけられ、全開状態です、漢字で書くと、“人” 状態です。
猿轡、目隠しもされ、カサカサと着替える音が聞こえてきます······。
あの、俺も裸なのですが、せめて隠すものを頂けないでしょうか? ルキも見てるよね······。
着替える音が聞こえなくなっても、一向に俺にはシーツすら頂けず、仰向けに寝ることしか出来ない。
今、ちょ~っとばかり元気になっちゃっていますから、物凄く恥ずかしい······。
「セイラにナニーよ、流石に可哀想ではないか? エレクションしておるし、そのシーツを掛けてやってはどうじゃ」
神様仏様ルキフェル様! そうです! 掛けて頂きたいのですよ! エレクションはたぶんあれの意味だとは思うが、ってか見てるの? ねえ、俺のパオオ~ン! 見られちゃってるの!
「え~、しっかり見たのお風呂と今回で2回目だし」
「私も、2回目ですわね」
「ふぐぅふぐぅぅ!」
「私は人の物は初めてでじゃが、オーク達のものより大きいくらいじゃろうが、そこまでは変わらんじゃろう、ほれシーツを貸すのじゃ」
「ふぐぐぅふぐぅぅ!」
そして服を着させて貰い一息。
「ルキ、何で裸だったの?」
恥ずかしさは心の奥にしまいました。
「聞きたいかの? あまり気持ちの良いものでは無いのじゃが」
なにそれ聞きたくない気がしてきたぞ、でも聞いておかないとな。
「俺は聞きたいと思うけど、2人はどう思う?」
「え~。一応聞いておいた方が良い様な気がするけれど」
「そうですわね。ユウマが脱がしたなら良いのですが、今後この様な事が起こらないとも限りませんから」
俺は脱がして良いのね、次の機会という事で。
「うむ。簡単な事じゃ、お主らの身体が人と、ホムンクルスでは耐えきれんかっただけじゃな。お主らの身体は神様が創りたもうた身体じゃが人のそれじゃ、私の魔力が強大じゃからパァーンじゃった」
「え? 弾けた?」
「うむ。皆を一度に見るためこの部屋に集めてすぐにパァーンじゃ。その後弾けたものが集まりだし、今の身体になった訳じゃ」
「「えぇぇぇぇぇぇ~!」」
「じゃからお主達は、私もだが限りなく神に近付いていると言うことじゃな。今ならユウマの腹に刺さったミスリル、オリハルコン、ヒヒイロカネ、アダマンタイトの合金でさえ傷付けることは出来んじゃろうな」
「え? それヤバくない? 忍君達は神様仕様じゃないよね······行くぞ!」
「嘘っ! 死んじゃうよ!」
「気配を感じれる筈、膨大な魔力がある筈だから! よし、見つけた! 外に出て行くぞ!」
街道の少し開けた場所に持ち運びハウスが設置され辺りは数組のテントが張られ夜営の準備がされていた。
俺達は馬と共に持ち運びハウス前に転移して素早く馬をくくりつけ中に入り、気配のする方に走る。
バァン!
戸を乱暴に開け中に入ると、畳まれた6着の服と、血まみれの一つのベッドに裸で眠る6人を見て、血をクリーンで綺麗にして静かに外に出ました。
復活はしたようだ······頑張れハーレム王。
隣に持ち運びハウスを出して、俺達も休むことに。
「忍君って、手が早くない? 私はダメだと思うの」
「そうですわね、いくらなんでも数日でなんて驚きですわ」
「ん~、もしかしたら何かイベントでもあったのかも知れないから後で聞いてみるよ」
「逆は考えんのか? おなごの方が襲ったと考える事も出来るじゃろ?」
「「それもそうね」」
「セイラとナニーもユウマを襲えばええじゃろ?」
「「それもそうね」」
「いやいや、何を言っているのかな? セイラとは初日に、ナニーともこの間その、って何を言わせるの!」
コンコンコン
それからしばらく眠ることなく話をしていると、ドアがノックされ噂の彼らがやって来た。
「ユウマさん1人増えてますね」
「忍君達には負けるよ? で、いつの間に引っ付いたの?」
「え? どうして知ってるのですか! あっ······実は――」
話はこうだ、先日の大雨で、持ち運びハウスが出せる場所がないところで、仕方無くテントを一つ張って、皆で寝たそうだ。
それだけならそのまま終わったらしいのだが、激しい雷のため、皆が忍君に引っ付き一晩が過ぎた、その流れでそうなってしまったらしい。
「う~ん、何かスッキリしませんが、一応無罪としましょう」
「そうですわね、一時保留としましょう。でも、サラとミリーはこの世界の貴族です、相続は大丈夫ですの?」
「お姉ちゃんが嫡子だよね?」
「はい。なので忍には当主の補佐として側にいて欲しいです」
うるうるしちゃってるぞ、忍君、覚悟を決めなさいね。
「分かりました。僕で役に立つなら、いくらでも力になるよサラ、それにミリー、未来、凛花、テルース六人で良い領地にしようね」
おお! 男前やん!
「では、ユウマはヘキサグラム魔法大国の女王になるかもしれない私の補佐はしていただけますか」
「ナニーは俺で良いのか?」
「はい、もちろんお慕いしておりますわよ」
「そうか、なら力の限り補佐でも何でもやるよ」
「ナニー私も手伝うね」
「ふふふ。ならば私も手を貸そう! ユウマ、良しなに頼むぞ」
「え? ルキもなの?」
「当たり前じゃ、あんなもの見せられたのじゃぞ、責任取るのが男じゃろ!」
「あはは······、そっか、皆よろしくね」
「「はい♪」」
(ユウマさん、ハーレムですね)
(忍君。君は王だ、俺なんかまだまだっすよ)
コンコンコン
「ん? 今度は誰だ?」
窓から覗くと、騎士っぽい人達と、貴族だろう人が、ドアの前にいる。
少し離れたところに豪奢な馬車が停められており、そのご一行がやって来た様だ。
「貴族っぽいのが来てるね~」
「見たことはありませんわね」
「私達も見たことありませんね」
「仕方無いか、あまり待たせると不敬罪って五月蝿そうだしな」
「頑張ってくださいね」
「はぁぁ、は~い」
カチャ
返事をしながら開けたのだが、目の前に剣の切っ先が突き付けられていました。
読んでくれて本当にありがとうございます。
これからも読んでもらえるように頑張ります。
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