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第三十五話 奴隷解放

「ただいま、予定よりも2人増えたけど保護完了」


「お帰りなさい♪ ああ、なるほどそれはそれは、保護しちゃうよね~」


「うふふ。お帰りなさいませ」


 鑑定したな、あはは。


「椅子の数が足りないよな、ベッドも使うか」


 3つあるベッドも使い、9人になって少し手狭になったが腰を落ち着かせる事が出来た。


「ナニー、テルースさん、奴隷の解除って簡単に出来ないんだよね?」


「はい。借金奴隷登録の場合は返済すればすぐにでも外す事が出来ますが返済した証明書が必要です」


「うふふ。今なら簡単に返済出来ますわね」


「ならその方向で、そうだ自己紹介!」


 連れてきた4人に向き直って自己紹介を始める。


「ユウマです。よろしくお願いします」


 そして皆が自己紹介をしたのだが4人は困った顔をして話そうとしないのだ。


「ユウマ。もしかしてですが喋るなと命令されていたものを解除していないのですか?」


「あっ! め、命令です! 自由に喋って下さい!!」


 申し訳ありません、完全に忘れてました。


「はぁぁ。ユウマらしいですわね」


「本当にごめんなさいね。商会を出たらすぐにそれだけは解除してあげてって言っていたのよ? 許してあげてね」


「あ、ありがとうございます」


「大丈夫です、ありがとうございます」


「あはは。良いですよ、まともな人達に買われたようで安心しました」


「それね、本当にありがとうございました」


「いや、忘れていて本当にごめんなさい」


「お姉ちゃん自己紹介だよ。私はミリーです、よろしくお願いします」


「そうでしたね。サラです、妹のミリー共々よろしくお願いいたします」


 この2人なんだが実はトラウト侯爵領から人攫いにより連れてこられた貴族の娘さんだ、親元に帰してあげないとな。


近藤(こんどう) 未来(みくる)です、よろしくお願いします」


御前(みさき) 凛花(りんか)です、どうぞよろしくお願いします」


 この二人は召喚者だ、未来さんが魔法剣士で、凛花さんが魔法拳士だ······逆ならバッチリだと思った方は······あはは。


「うん、皆よろしくね。で、サラちゃんとミリーちゃんは誰に借金した事になっているのかな?」


「あっ、私達の事は呼び捨てでお願いいたします。恩人に敬称(けいしょう)を付けられては家の恥ですから。借金に関しては、架空の証文にサインをさせられました。契約の書類と一緒にあると思いますが、そこに返済の受け取りの方が書かれています」


「あっ、私達も下の名前で敬称無しでお願いします」


 了解、んで証文は、どれどれ······。


「分かったよ。おっ、これかな、って! トラウト侯爵じゃん! 他の子のは······ぶはっ! 問題解決だよ、あははははは!」


「え? どうしてでしょうか?」


「うん。私達もこの腕輪のせいでサインをさせられたけれど、その証文があるかぎりはこの国の物凄く偉い人なのでしょう?」


 ミリーも未来も何で? って顔をしている。


「トラウト()侯爵だな。この人悪い人でね、今頃牢屋にいるかな。それに君達は騙されてしてもいない借金をさせられたのだから、ここの領主さん、カウフマン伯爵を通じて王様に言ってもらえればこの証文は無効に出来る筈だよ」


「そうですわね。明日にでも相談に行きましょう、忍君、カウフマン伯爵様にお伺いを記した手紙を書きますので届けて貰えますか?」


「任せて下さい、書いてもらえればすぐにでも飛んでいきますよ」


 ナニーが書いてくれた手紙を手に、本当に窓から飛び出て行った忍君······ドアから出ていこうよ······。


「よし。これでサラとミリーは親元に帰るとして、未来と凛花はどうしようか、召喚者だよね?」


「はい。ヘキサグラム魔法大国で召喚されました、私と凛花のふたりはペアで、えっと、クラスメイトと何組かに分かれ、国境の砦に派遣される事になったのです」


 他にも召喚者が居るのか。


「途中で、その時のご主人様? かな、その人達が魔物に襲われた時に死んでしまって、奴隷の腕輪が無効になったのか、普通に外れたので外し逃げ出したのです」


 ふ~ん、その時の主人役の人が死んだら解けるのかな?


「召喚者用の奴隷の腕輪ですわ。生活魔法とアイテムボックスそして奴隷の効果がある腕輪ね。それなら主人側の魔道具があって、それを持つ者が命令出来るのよ、その方が現場では都合が良かったのですわね、それが魔物に襲われて壊れたと、うふふ」


「そうです。生活魔法とアイテムボックス、それが付いていました。そして逃げ込んだこの国に来て、武器とか買うのに借金はしたのですが、銀貨5枚が大金貨に変わっていたのですよ! ······ところで、サラとミリーは召喚者のところで驚いている様ですがそちらの5人は驚かれないのですね?」


「異世界転生のユウマです」

「セイラです」


「現地転生のナニーですわ」


「事前に話を聞いてました」


「異世界転移の忍です」


 くくくっ。2人を驚かせられた様です。


 ナニーが手紙を書き、持っていった筈の忍君が帰ってきていた事にさらに驚き、忍君の話で、すぐにでも会えるとの事に俺達は、忍君以外がさらに驚く事になりました。


 さっそく4人を連れて、カウフマン伯爵さんの所に奴隷商会の資料も持って伺うことにしました。


 応接室で、お茶を頂きながら待っていると、カウフマン伯爵がニヨニヨ顔を崩壊させながら奥様と一緒にやって来ました。


 2人掛けのソファーに奥様を補助しながら座らせ、その後に自身がその横に座った。


「すまないな。身重の妻がナニー殿に会いたいと会いたいと言っておってな」


「お久しぶりです。ナニーちゃん、覚えていないかも知れませんが、カール王子のお披露目でお会いしたことがありますのよ」


「まあ。憶えておりますともカリス様、美味しいお菓子を頂きましたね、それとカウフマン伯爵様も、ご懐妊おめでとうございます。とても喜ばしい事ですわ」


「うふふ。ありがとうございます。第二夫人の連れ子のロイバーがあのような事になりましたから」


「うむ、トラウト侯爵のからの紹介で仕方無くな、子持ちであったが、私とカリスの間に子が中々出来なかったものでね。カウフマンの血が途絶えると諦めておったが良くやったカリス」


「はい、あなた」


 いやいや、甘々ですな······。


「カウフマン伯爵様、こちらの4人ですが奴隷を解除しても大丈夫ですか?」


 話が終わらなそうなので、無理矢理話に入ることにしましたよ。


「おお、そうであった。先ほど王に確認を取った。『構わん!』との事だ。しかしトラウト侯爵はそんな事をしておったのだな、それに第二夫人の事だが、あやつもギルドメンバーであった、先ほど王に捕らえよと進言もあり捕縛してきた」


「余罪ではないな、どんな罪を犯したのかも聞くと、はぁぁ、頭が痛い」


「そんな話より、その子達を解放してあげませんと」


「あっ、そうですね、さっそく、解放!」


 1人ずつ解放し魔道具はカウフマン伯爵が監理するとの事で渡しておいた。パティさん作の物は沢山あるから特に必要ありませんしね。


 そして帰ろうかと思ったのだが、夕食をご馳走になることになりました。

 読んでくれて本当にありがとうございます。


 これからも読んでもらえるように頑張ります。








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