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閑話 転移者達の、その後 ② 迫る転移者の破滅とオーク村 

「クソッ! いったいどうなってやがる!」


「俺とお前は15までレベルが上がってたんだぞ!」


「アイテムボックスの魔道具も無くなっちゃってるし、アジトに、武器や魔道具はほとんど置いてあったから良いけど」


「アイテムボックスは落としたんじゃないの? 腰に引っかけただけだったから」


「ちくしょう! こんなのムリゲーじゃねえか!」


「あいつらの金も取り損ねたしよ!」


「大丈夫! あのよわよわ転移者は開拓村に行ってるから、オークの討伐だったはずね。だから追いかけましょう」


「よし! 根こそぎいただくか、みなな行くぞ!」


 翌日、乗り合い馬車に乗り開拓村に向かう。


 途中ゴブリンを魔法の杖で倒し、他の冒険者が戦っているところに便乗しオークや魔狼を、邪魔をしながら倒してレベルが5まで上がっていた。


 魔物の出現が多く、五日が立ち、開拓村に到着したのは六日後の夕方であった。村のギルド出張所で職員を脅し無理やり宿を借りることになった転移者たちは。


「くそっ! やってらんねえよなぁ!」


「まったくだぜ、2日か3日で着くはずがなんで6日もかかるんだよ!」


「お尻が痛いし最悪だわ!」


「それに宿も無ければお店も無い~! もう携帯食はいやぁー!」


 イライラに任せ、壁に向けて携帯食をおもいっきり投げつける。


 ドゴンッ


 木箱に入った干し肉を箱ごと投げつけたため大きな音が鳴り響き、隣の部屋が騒がしくなる。


「おいおい! 干し肉は俺が食うから投げ捨てんな!」


「うるさいわね! お酒でも買ってきてよ! あーイライラする!」


「ねえねえ、隣の部屋がやかましいんだけど、あんた達黙らせてきてよ」


「しゃーねぇーなぁー、酒買うついでにシバきまわして来るか!」


 ガチャ


 転移者達が泊まる部屋のドアが開いた。


「貴様ら静にせんか!」


 先日ユウマとすれ違った、騎士達が、開いたドアの向こう、廊下に立っていた。


「なんだおっさん! てめえらがうるさいっつってんだよ!」


「なに勝手にドア開けてんだ! 浮浪侵入だぞ!」


「きゃははは! 不法侵入だって! 浮浪してどうするのよ、きゃははは!」


「イライラしてるのに! お酒でも持ってきたなら許すけど! 持ってないの!」


 兵士の後ろから、1人の40歳くらいに見える男性が前に出てきた。


「ふむ。酒か、酒ならやろう。だから静にしてもらえるか、おい、酒を持ってきなさい」


「はっ!」


 兵士の1人がお酒を取りに行ったのか隣の部屋に戻って行った。


「なんだよ、話の分かるおっさんじゃないか」


「なあ、食いもんは無いのか? この村は店もねえからよ」


「ふむ、こちらも携帯食を食べておるからなあ」


「チッ、しけた村だぜ!」


 部屋に戻っていた兵士が酒樽を持ち、戻ってきた。


「酒が届いたようだな、ではすまぬが病人がおる、静にしてくれ」


「おお! 中々デカい酒樽じゃん!」


「分かってるじゃん、気が向いたら静にするからよ」


「ほら早く私のそそぎなさいよ!」


 ・

 ・

 ・

 ガチャ


 兵士達はドアを閉め、部屋に戻って行った。


 廊下では


「辺境伯様、あのような無礼の数々、放って置くのですか?」


「ああ。あんな奴等と関わるとろくなものじゃない」


「辺境伯様が良いと言うなら私共はそれに従いますが、次はありません」


「ふふっ、酒で騒ぐぐらいは大目に見るがな」


「はあ~、奥様がいらっしゃったら、先程の者達は首が飛んでますよね(苦笑)」


「明日には来てしまうがな、ふふっ、では戻り今日の資料をまとめようか」


「はっ」


 辺境伯達は部屋に戻り、まだ聞こえてくる隣の部屋からの、声や物音に眉間を皺寄(しわよ)せる兵士を見て辺境伯は小さく(つぶや)いた。



・・・・・・・・・・(奴等の命も明日までの)・・・・・・・(様だな、ふふっ)



 兵達はこの言葉を聞き取り、眉間の(しわ)を元に戻すのだった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 その頃ユウマ達は、パラパラと帰って来ていたオークが途絶え、洞窟の中を探索していた。



「洞窟の中も今のオークリーダーで終わりだな」


「ここで、脇道も全て回ったよね、突き当たりはここで最後だよ」


「まだまだ、鑑定! うふふ、その岩の向こう側に何かありますわよ」


やりい!(何個目かな♪)


「三個目ですわね」


 オーク達は、武器や盾は自らが使っていた。でも魔道具や貨幣は洞窟内にまとめて置いてあったようだ。


「ここは一番深い場所なだけあって、大量だな」


「一旦収納してしまいましょうよ、外でゆっくり何があるか確かめましょう」


「それがよろしくてよ、もしかすると、オーク達が近くに来ているかも知れませんしね」


 ユウマ達は全ての物を収納し洞窟から外に出た。


「気配が無いなあ、ゴブリンはポツポツ居るようだが」


「そうね、夜に、ゴブリン、魔狼がどれだけこちらに近付いてくるかよね」


「オークはこの辺り一帯は倒しきったと思って良さそうですわね」


「なら今晩で最後にして明日に開拓村に帰ろう」


は~い♪(賛成ですわ♪)


「そうだ、あれやってなかったな」


「そう言えば七日前だよね、一週間ですし、やってしまいましょう」


搾取エクスプロイテイション


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 転移者達は辺境伯からもらった樽酒で、まだ騒ぎが続いている。


「おい、もー酒はないのかぁ~」


「あははは~まだまだあるよ~」


「お前ら酔いすぎだぜ、ったく、ほらよ!」


「私にも注ぎなさいよ!」


「自分でやれや!」


 ◇搾取エクスプロイテイション


「あれ~座ってられないぃ~」


「俺もぉ~寝るかぁ~」


「急に回ってきたぞ、寝るか」


「う~ベットまで遠いぃ~」


 転移者達は、装備品や魔道具も、飲んでる間に外してしまい、机の下に捨て置いたため消える事はなかった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「あいつら少しだけレベルは上がっていた様だな、装備品などは増えていない、持っていなかった可能性は高いが」


「夜だから外していてもおかしくはないしね」


「はいはい。ユウマもセイラもオークの戦利品を確認しましょう」


 その結果、大金貨が1枚だけだが入っていた。金貨も1枚、銀貨と銅貨も数枚。


 だが問題は、辺境伯の紋章が入った箱に手紙と一緒に入っていたことだろう。


 それに紋章入りの短剣、宝石付きだ。


 セイラとナニーと話し合い、辺境伯領の場所を調べ寄り道する事になった。


 ナニーの記憶では、この国の辺境伯は領民思いの領主として有名とのこと。


 その辺境伯の奥さんはSランクの冒険者だった強者らしい。


 二つ名は、"首狩り姫" だそうです。


絶対返そう!(確実に返品よ!)


 読んでくれて本当にありがとうございます。


 ほんの数秒、私にお時間を下さい。


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 読んでいただき、ここまでお付き合いありがとうございました。


 これからも読んでもらえるように頑張ります。

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