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第二十七話 寄生の新たな可能性

 カンカンカンカン


「魔物!?」


「そのようだね。まぁ、この城に居る限り大丈夫だとは思いますが」


「なんだろうな、すまぬが誰か呼んでくれ」


 王様は、お茶を用意してくれていたメイドさんに物凄く申し訳なさそうに頼んでいる。


「チッ、畏まりました」


 え? 今舌打ちしたよね! 良いの王様!


 メイドさんは部屋を乱暴にドアを開け出ていく。


「彼女は相変わらずですね、ふふっ」


「まったくだね。そこに惚れてしまったから奥さんになって貰ったのだが、メイドを最近やり出してな。くくくっ」


「え? 王妃様がメイドさん?」


「はい。私のお義母さんです♪ メイドの前は料理人で、その前はお父さんと一緒に庭師をしてました」


 良いのそれで! 他の使用人さん達が戸惑わないの!


「はは。ユニークスキルの万能(中)のお陰で何でもそつなくやってしまうからね。パーティーを組んでいる時は凄かったよ、剣に槍、弓、シーフと盾役、回復、攻撃魔法と何でもこなしていたからね」


「ふふっ。パティはスピード、王妃はパワーで、“戦女神(ワルキューレ)” と言う二つ名でしたね」


 王妃様ならあの態度でも怒られることは無いか、あはは。


 ダダダダ

 バンッ!


「スタンピードだ! 出所はうちの管理ダンジョンだぞ!」


 マジか!


「何! 壁は破られたのか!」


「知るか! 街に出てる魔物も居るからね、その可能性はデカい、私は行くよ、ちょうどペイジも居るんだ、さっさと支度しな! 第三王妃は動かないで隠れているだろうな、あのクソ王子と一緒に、何であんな女を娶ったのかね、リベルは」


「そう言うな、魔法大国からのって今は置いておこうその話は。よし、ペイジ頼めるか」


「分かりました。パティにも魔道具で連絡いれます」


「おっ、パティも来てくれるなら頼もしいね」


「ふふっ、キュキィとリベル、少し暴れましょうか」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 王城から街に飛び出した俺達は逃げ惑う人の流れを逆走し、人々を追い回す魔物を倒しながら管理ダンジョンのある街の外れに走る。俺達が魔物を倒し、ついてきた兵士達が人々を避難させていく。


「数はまだ少ないが厄介なヤツが出てきてるじゃない! ペイジ、リベルも毒には気を付けろ、そっちの少年も! って何でフォルトゥナちゃんまで居るのよ!」


「私は母の娘です。これでも賢者のたまごですよ♪」


「ユウマ君、フォルトゥナ姫を頼めますか?」


 シェアして底上げしておくか。俺はフィナに寄生(パラサイト)して、シェアしておく。


「分かりました。フィナは絶対に怪我させたりしません」


「ん? フィナと呼んでいるのか?」


 次の角を曲がればダンジョンが見える所まで来た、そこに頼もしい助っ人が合流した。


「あら~リベルにキュキィ、お久しぶりです」


 パティさん達が合流した。


 セイラにナニー、お母さんまではまぁ良いけどテイラーと忍君まで居るし! あかん、二人にも、寄生(パラサイト)! シェア! まったく怪我したらどうするつもりなの!


「久しぶりパティって言っている場合じゃないよ、ダンジョンまで急ぎながら魔物も殺って行くよ!」


 そこからは進むスピードも上がるが魔物の相手をしなくてはならないから、見えているダンジョンまでが遠い。


「やっぱり、門が上がったまま下りていない!」


「それだけ一気に魔物が溢れたのだろう、兵士達が無事なら良いが」


『ユウマ、私とフウでこれ以上魔物達が広がらないように威嚇しましょうか?』


 どうするか、考えている暇は無い!


「頼む、お母さんとフウでこのダンジョン前の広場から出ないように!」


『任せて!』


「分かったにゃ、ほいっと!」


 二匹は一瞬で大きくなり、左右に分かれ倒したり押し戻したり、広場の外周をぐるぐる回って魔物の流出を押し止めている。


「セイラとナニーは怪我人を頼む、動けるまで治したらこの広場から出てもらって!」


「「はい!」」


「王様は兵士達にこの広場の出口を封鎖させて、中は俺だけでやります!」


「何を無茶な事を言っておる!」


「少年、思い上がるな! 皆でやらねばこれは無理だ!」


「リベル、キュキィも、ユウマ君に任せよう、きっとやってくれるはずだ!」


 ありがとうペイジさん、よし全開で行くぞ!



 搾取エクスプロイテイション


 出てくる端から全ての魔物に寄生させ搾取していく。


 倒れるだけで死にはしないが、後から出てくる魔物に踏み潰され消え、踏み潰したヤツがまた倒れ、踏まれるを繰り返す。


 ドロップした物は全て収納していくが、ヤバそうな魔道具がこれでもかと収納されていく、これは管理しないと本当に駄目なダンジョンだな。


「何だこの少年も、あのウインドエンペラーキャットも」


「ふふっ。呆けている場合ではないですよ、まだまだ広場に魔物が居るのですからね、リベルにキュキィも」


「そ、そうだ、キュキィ、まだこの危機は終わっておらんぞ」


「後で聞かせろよ! 魔法は仲間に当たる可能性があるから使用禁止だ! 行くぞ!」


おう!(はい!)


 俺も刀を出し魔物を切り伏せながら、搾取エクスプロイテイションを連射し続ける。


「ユウマ。怪我人は大丈夫みたい、兵士さん達が途中から対応を代わってくれたよ」


「止まりませんわね、ダンジョンに寄生(パラサイト)は出来ませんの?」


え?(え?)


 出来るのそんな事を······、やってみるか!


「分かった、そのアイデアいただき!」


 寄生(パラサイト)


 溢れ出てくる魔物にも、搾取を飛ばしながら、ダンジョンにも向けて撃ち出す。


 ダンジョンに吸い込まれ、ステータスを確認、よし、寄生出来ている。


「いけそうだ! 搾取エクスプロイテイション!」


 次の瞬間膨大な、増え続ける経験値と魔道具、スキルは途中で止まったが。


『素体情報を確認しました』


「え? 何の事?」


『お名前を』


「へ? ユウマですが······」


『登録しました マスターユウマ ご用命を』


「マスターって何? あなたは誰?」


『ダンジョンです』


「ダンジョンが喋ってるの! 俺がマスター?」


『肯定』


「どうしたのユウマ?」


「どなたと喋っていますの?」


「ダンジョンと、ごめんちょっと待ってて、俺がダンジョンマスターなら······せや! 魔物の流出を止めてくれるか?」


『モンスターハウスの魔道具が 何者かによって暴走させられています それの回収をすれば止まります』


「モンスターハウスの魔道具? それはどこに?」


 ならそれを収納するだけだ!


『入口の天井にあります』


「分かった!」


 ダンジョン入口を鑑定すると確かに天井に魔道具が貼り付いている。


「よし! 収納!」


 収納した後は出ていた魔物を倒すだけで、出てくる魔物は居なくなった。


『魔物の大量放出により魔力の低下 崩壊します 魔力の供給をお願いします』


「崩壊! あかんやん! どうしたら······せや! これでどうや! シェア!」


 ・

 ・

 ・


『Lv MAX』


『崩壊は回避されました』


「はぁ~、ダンちゃんありがとうね。崩壊したらどうなるか分からないよね」


『ダンちゃん 登録しました』


「へ?」


(どういう事?)


『名前をつけていただきました』


(声に出さなくても良いのか?)


『はい、念話です』


 ほうほう、確かにこれは内緒話に良いよね。皆で練習しよう。


 そして今気が付いたのだが、皆が見ている。なんて説明しようかな······。


 読んでくれて本当にありがとうございます。


 ほんの数秒、私にお時間を下さい。


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 読んでいただき、ここまでお付き合いありがとうございました。


 これからも読んでもらえるように頑張ります。

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