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第二十五話 忍者が仲間に

「うそ~体が思う様に動かない~やめ~~」


「その腕輪なによ~」


「だめ~全然ちからがぁ~」


「変なとこ~触るなぁ~」


「くぅ~おぼえてろ~」


「よし、動くな。喋るな。命令だ!」


「ふむ。私が用意した睡眠薬入りのクッキーは必要なかったね。ふふっ」


 そんなの用意していてくれたんだ、だからメイドさん達は来なかったのか。


 そう言う気配りが出来るペイジさんは凄く良い貴族さんだね。


「さて、まずは何から説明していけば良いのか、ハッキリ言って俺達もあまり詳しくは無いからそれを踏まえて聞いてね」



 転移者は、お互いのスキルをかけて戦う事によってスキルを増やせる事。


 獲得できるスキルはランダムである事。


 相手を殺せば全てのスキルが奪える事。


 パーティーを組めば、そのパーティーの皆にスキルが平等に付く事。


「こんなところしか俺達は知らないかな。そしてこの子達は鑑定で見ると犯罪の称号が色々と出ていたから誘い込んで捕まえたってところかな」


「だいたいは把握出来ました。では、転移者には近付かないようにした方が良いのですね。後やっぱり帰ることは出来ないのでしょうか?」


「そこは分からないとしか言えないかな。それに俺達は帰れないから」


 そう俺達は神様に教えて貰ったから、それに転生だからな。


「出来れば早く帰れると良いのですが、ん? 君達は帰れない?」


「神様に会って、そう言われたからね」


「僕は神様には会って居ませんよ? 声が聞こえて、『転移者同士の戦いをする事になります』としか言われず、気が付いたら異世界だったので」


 そうなの!? 神様は転移者には会わないのかな?


「今さら聞きに行くことも出来ないし、探す事を一旦目標にするしか無いかな。もしかしたら帰る方法があるかも知れないしね」


「あの、もし良ければですが、探すのを手伝って貰えたりは出来ないでしょうか?」


 まぁ、そう来るよなぁ、気持ちは分かるし。


「今は無理かな。俺達は、······今は言えないけれど目標があって、それを済ませてしまうまでは横道に時間をかけたくないのが本音なんだ」


「そうなの、この目標がある限り。だからそれの後なら構わないわよ」


 ナニーは何も言わないが、少し嬉しそうな顔をしている。可愛いじゃないですか! ん? 俺って良く考えたらここまで気の多い人間じゃなかった筈、ましてや今の段階で2人に······そう言えば、考え方や言葉遣いなんかも、見た目に引っ張られている様な······。


 おっと、それは後で考えよう。


「その後で良ければ手伝うことも出来るかな、それに今現在君は何も持っていない様だし、武器と防具は色々持っているからそれを使って貰っても良いし、お金も少しなら貸すことは出来るよ。勿論、次に会った時に犯罪の称号があれば、そこに転がって居る子達みたいに犯罪奴隷として罪を償って貰うけど」


「分かりました。この街で冒険者をやって待っていれば良いですか?」


「そうだね、この街には······ん~、戻ってくるよね?」


「あ~、そのまま楽しそうなところに行ってしまう病が発症しない限りは?」


 それは物凄く発症しそうです。


「うふふ。連れていってあげれば? 目的には関与させることはありませんがね」


「ナニー良いのか? まあそうだよな、この子には関係無い事だしな。よし、一緒に行こうか、俺はユウマ」


「私は、セイラ」


「ナニーですわ」


「テイラーです♪ よろしくね、お兄ちゃん♪」


 あれ? テイラーは行かないよね?


「はうっ! お兄ちゃんですか! よろしくお願いします! (しのぶ)です。親が坂上さんの大ファンでこの名前になりました! 名字は七五三(しめ)です!」


 あはは。俺も初めてお兄ちゃん呼びされた時は嬉しかったな、末っ子だから呼ばれた事が無かったし。ってかこれまた職業にそのまま反映されている名前だな。


「あははは♪ ユウマお兄ちゃんと同じ反応だ」


「ああ。俺は末っ子だったからめっちゃ嬉しかったぞ」


「僕もです。ところでユウマさんは年下に見えますがもしかして年上?」


「0歳だ! ステータスで見るなら12歳だ! 転生(・・)前なら、25歳だ!」


「へ? 訳が分かりませんよ?」


「ユウマ君は転生者なのだね」


「はい。今まで言ってませんでしたがセイラとナニー()、ですね」


「それで納得が行った。幼い見た目で言動は大人のそれだったからね」


「ふ~ん。お兄ちゃんはおじさんだったの?」


「はぐっ!」


 テイラーの一言でダメージが······完全耐性さん、お仕事ですよ······。


「あはは······、テイラーちゃん、流石にこの見た目でおじさんは可哀想ですよ、せめてお兄さんにしようね」


 忍君の優しさがさらにダメージを呼び、しばらく立ち直れませんでした。


 その後は、5人を一旦牢屋に入れ、今後の予定を話し合う。


「ナニー、この後の行程は?」


「そうですわね、王都から更に北上して、まずこの商業街へ、次はダンジョン街、徐々に北上してこのトラウト侯爵領、そして隣国、ヘキサグラム魔法大国、そして王都に向かう事になりますわ」


「ふむ。少なくとも、一月(ひとつき)は掛かりますね、トラウト侯爵領までは馬車をお貸ししましょうか、それなら10日は早く着けると思いますが」


「ナニーは馬車の運転は?」


「もちろん! 出来ませんわ! うふふ」


 いやいや、自信満々に胸を張ることじゃないよね、あはは。


「なら無理だね、忍君も無理だよね?」


「もちろん無理です!」


「くくくっ。3日ほどあれば覚えられますよ、すぐに手配しましょう」


 馬車の運転か、教えて貰えるならラッキーだよな。


「ペイジさんありがとうございます、正直助かります」


 カチャ


「ただいまぁ~、また衛兵さんの詰所に行かないといけない様ですが、そちらの少年は大丈夫そうですね」


 パティさんがかえってきました。せっかく帰ってきたのにまたですから少し可哀想ですね。


「すまないなパティ。そうだ、明日の謁見は皆も一緒に行こうか、王城なんて物は入りたくても中々入れるものではないからね」


 おお! それもそうか、少し楽しみだよね。


「お城かぁ~私は眺めているだけで良いかなぁ」


「うふふ。私も遠慮しておきますわ」


「え? 二人とも行かないの? お城だよ? ノイシュバンシュタイン城だよ?」


「ユウマそれは違いますよ。お城が転移してきたのなら分かりますけれど」


「いや、なんかお城ってイメージでそれしか思い浮かばなかったから、あはは」


「ふむ、ではユウマ君だけだね、その様に手配をしておこう」



 そうして俺はお城見学に行くことになりました。

 読んでくれて本当にありがとうございます。


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 読んでいただき、ここまでお付き合いありがとうございました。


 これからも読んでもらえるように頑張ります。

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