雑貨屋売買日誌6
所持金34000ゴールド。
売り物はなし。
もしまた魔王が来たら確実に殺される。
来なくても餓死。
絶望。
ならば仕方がない。あれを使おう。
シュレッピア遺跡
私の両親が半生をかけて見つけ出した遺跡だ。まだまだ解明は進んでいないが一つわかっていることがある。
この遺跡の中心部のカラクリ。
タイルに文字や数字が彫られておりこれを押すと壁にその文字が映し出される。
これこそ全世界が望んだ力。チート!!!
その危険すぎる力にドランフと北キイームですら条約を交わし、これには近づかないようにした。
つまり、これがバレれば私は大罪人。
私は素早くかつ丁寧にタイルを押し、チートコードを入力した。
このチートはただでは発動しない。この世界でも希少な物を捧げなければ作動しないという対価がある。
私は同じくこの遺跡で見つかった秘宝「実猿 着飾猿 巌猿」を捧げた。
そして得たのは………
カツラ。
は?
カツラ「ドウモー」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
なんで!?
私は渋々カツラを手に取って遺跡を後にしドランフ城下町で1人の男性に出会った。
男性「!?すみません、そのカツラ!」
いきなり話しかけてきたのでびっくりした。
ハロルド「このカツラがどうなさいました?」
男性「と、突然すみません。私、こういう物でございます。」
丁寧差し出された名刺にはこう書かれていた。
カツラ職人 カツラ カブロウ
ギャグ漫画じゃないんだからもっとマシな名前なかったのかよ。
カブロウ「そのカツラは古代カツラ職人、ハゲール ピッカリーノの一品ですよ!今もまだこんな綺麗な状態で残っているなんてさすがだ…!」
ハロルド「はあ。えーと、私要らないんで差し上げますよ。」
カブロウ「え!?いいのですか!?では、これと交換でどうでしょう。生憎待ち合わせがなくて。」
結局、彼の持っていた角笛と交換した。
次に食材を買っている時、店員のゴブリンから、
ゴブリン「それ 我一族の宝 返して ください これと交換」
そう言って店の果物全てと交換。
あれ?流れ変わったな。
大量の果物とスライム族の回復薬(超)と交換。
回復薬(超)と傷ついた勇者の豪華な装備と交換。
こうしてわらしべ長者を繰り返していくうちに
モブ「これをどうぞ」
獄炎龍の剣
戻ってきたーーー!
そうか!あのチートは運が桁外れに良くなるチートだったのか!!恐らく持って数日だろう。もっと交換するぞ!!
3日後
立て直し完了!!
前以上に多くの品物を取り揃えて雑貨屋を続けることができるようになった。
運は使い果たしてしまったがこれだけ有れば当分は暮らしていけるだろう。
そんな時、また空が暗くなった。