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雑貨屋売買日誌  作者: 毛ムチ
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雑貨屋売買日誌5

憂鬱。落胆。

魔王に店の商品を10円で買い取られてしまった。

なんかまた来る気みたいだし。

しかし、不幸中の幸いというべきか、例の獄炎龍の剣は残っていた。

なんとかしてこれを売り、このほぼホームレスの状況を打破せねば。


私はドランフ中を駆け巡った。しかし、どの勇者もその目玉が飛び出るような値段に驚き、買うことはなかった。


こうなれば、雑貨屋としての最後の手段。

「後付け払い」しかない。

後付け払いとは読者の皆様の世界でいうと、


車を販売している店が「お客さんお目が高い!では今回は特別に15%引きにします。」

といい、それに釣られた客が、「まあ、お得!!買います!」

しかし実際に買う時になると店員が「申し訳ございません。今、店長に問い合わせてみますと5%引きが限界のようなんです。」

と値段を変更。客は仕方ないので買っていくという手法である。

いわゆる持ち上げてから落とすというやつだ。



早速最も勇者が多いドランフの城下町に来た。


早速何人かの勇者が入ってきた。


ハロルド「いらっしゃいませー。」


勇者A「すいません。回復薬ください。」


ハロルド「ないです。」


勇者A「あっ、無い。じゃあ、睡眠薬を塗った矢尻をください。」


ハロルド「ないです。」


勇者A「やめたら!?この仕事!?」


ハロルド「すいません、正直なところ今は雑貨屋として機能していないんです。」


勇者A「?じゃあなんで開店の看板が立ってんだ?」


ハロルド「あれです。」


私が指を指した方向にはもちろん例の剣だ。何人かの勇者が群がっている。


お金を握る手を緩めるため、自然に見せかけて剣で値札を隠し実際には幾らするのか分からなくする。


勇者A「あれは、まさか!」


ハロルド「はい、魔王が移動用に使うと言われている獄炎龍、その子孫の素材を加工した剣です。」


よし、何人か喰らい付いてきた。

ここから少しずつ推していく。


ハロルド「皆さん、運がいいですね!今、当店に残っている商品はこの剣だけ!!今ならラストワン価格!だったの15000ゴールド、150$、15000円でーす!」


勇者B「あれ買う!!」


勇者C「俺も!」


勇者D「僕は15030ゴールドで買う!!」


狙い通り!!この世界の勇者のほとんどはお子様漫画の主人公の如く一度決めるとその考えを貫き通すタイプ!しかも、結構頭が悪い!

これを一度自分で買うとしたらなんとしてでも買おうとする。このままオークション形式で場を進めていけば定価よりも高く売ることができる。

値札を隠したのも彼らに値段がバレないようにするため。彼らはもうあれをなんとしてでも手に入れようとする筈。


結局、勇者達は私の策略に見事ハマり、最終的な落札値段は34000ゴールド!

提示した値段の倍以上って。

いくらなんでも頭悪すぎるぞww


しかし、このなけなしのお金でどうやってこの先生き延びようか。


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