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雑貨屋売買日誌  作者: 毛ムチ
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雑貨屋売買日誌3

今回は少し休暇も含めて温泉の街「ブイレ村」に来た。

ここらは火山帯になっていて近くに鍛治を中心とした集落もあるので先日のゲルク達が置いて行ったモンスターの素材を加工してもうことにした。

さらにここは中規模なギルドも展開しており数々の勇者がいるので商売にはもってこいだ。


しかし、せっかく温泉に来たのだ。まずは娯楽施設を遊び尽くそう。こんな五十路を過ぎた私でもしっかりともてなしてくれる筈だ。


[温泉]


ババンバ♪ バンバンバン♪


ババンバ♪ バンバンバン♪


口ずさみながらお湯に浸かり汚れと疲れを落とす。

この風呂にはブイレ村周辺にしか生息しないと言われている「メラニンスライム」が一緒に入っており美白効果は温泉界でも有名だ。

私のシワだらけの体にも染み込みとても心地よい。

言わずともスライムって結構可愛いので癒し効果もある。


次の風呂は岩盤浴だ。

この部屋では独自に品種改良された薬草を炊くことにより怪我や疲労にとても良いらしい。温度はかなり高めで発汗によるサウナのような効果もある。

 

風呂上りのマッサージは本当に気持ちが良い。

最近五十肩に悩まされていたのでここまで気持ちが良いといつまでもここにいたいと思う。


こうして私は娯楽施設を楽しんだ。


カジノ 料理 プール などあらかた楽しんだ。


気持ちを切り替えて仕事に戻ろうと店に向かっている途中


???「あんた、ケイプか?」

後ろから声をかけられた


誰かと振り向くとある知り合いだった。


彼女の名はジェンダ。私とは古い付き合いで、甘味処を営んでいる。


ハロルド「ジェンダか。久しぶりだね。また、シワが増えたんじゃないかい?」


ジェンダ「またまた。ヤダねぇ。そういうアンタは性格も顔も昔っから変わらないんだから。で今も雑貨屋、続けてんのかい?」


ハロルド「最近は勇者が多くてね。休暇も含めてここに来たわけなんだが。」


ジェンダ「そうかい。ならうちに寄ってきな。サービスするよ。」


なるほど彼女はここで店を開いているのか。彼女の作る菓子は確かにここの温泉と会いそうだ。考えたな。


ハロルド「じゃあ、少し。」


そうして彼女の甘味処「E-ティー」に寄った。

名前がいろいろアウトな気もするが。

この店のお菓子は饅頭やマカロン、クッキー、ケーキなどあらゆるものを出してくれる。甘さも控えめかつ冷んやりとしたものが多いので風呂上がりの者からすればとても食べやすいのだ。


中に入るとそこにも見た顔があった。



ゲルク「あ。」


ハロルド「あ。」


確かに近い内に会うだろうと前回言ったが早すぎる。せめて前々回出てきたフリードとかならまだ納得いったが、なぜこのコミュ障、変態、大食漢、人間恐怖症と会うことになるのか。


ジェンダ「なんだい、アンタら知り合いなのかい。

それなら悪いんだけどあの若者の通訳をしておくれよ。声が小さ過ぎて何言ってるのか聞き取れないんだよ。」


あぁ。そう小さく返事をした。

彼が嫌いというわけではないが正直、彼らの相手ほど話すのが大変な人とは会ったことがない。


結局、ジェンダの一方的な長話を聞かされ、ゲルク達の伝言板がわりをしてこの日は終わった。


何のために温泉に来たのやら。



次の日


私は「ブイレ村」を少し離れた「鉄人 ネクソン鍛治市」に来た。ここは火山帯の中でも特に危険で溶岩の吹き出し口なども多数ある。しかし鉱山資源も豊富で輸送費を削減するためここに鍛治場を開いたらしい。


ここの集落の長でもあり鍛冶屋の頭領のネクソンとはジェンダと同じく古い付き合いで大事なビジネスパートナーだ。彼の鍛冶屋で作られた商品の売り上げの40%はここに渡している。

完成度は天下一品だがこういうのにお決まりの頑固な性格により依頼はそこそこだ。部下ももうちょっとサポートしてあげればいいのに。


ハロルド「やあ、ネクソン。」


ネクソン「おう、ケイプか…!お前自ら出向くとは珍しいな……!」


ハロルド「ちょっと急に大量の素材が入ってしまってね。」


ネクソン「すまねぇがしばらくかかるぞ。今かなり忙しくてな。完成は早くても半年後だな…」


半年……


ハロルド「有り得ない!お前のところにそんな大量の依頼が届くなんて!」


ネクソン「心外だな…!俺の腕なら本当はもっとかかるかもしれ何いんだぞ…!」


ハロルド「お前が頑固じゃ無ければの話だがな。」


この一言に拗ねたのかネクソンはそれ以上口を開かなくなり、察した私はそろそろ移動することにした。






あまり休暇にならなかったな。

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