雑貨屋売買日誌20
最近はとても平和だ。
ゲルク達も戻ってきたし、魔王は丸くなったし、売り上げは変わらないし。
とは言っても私を含め、ゲルク達5人を養っていくのは今のままでは厳しいので新商品を考えることにした。
ゲルク「こんなのどうでしょう。ピーラーを固定して鉛筆削りみたいに回すことで果物の皮が剥けるなんての。」
ハロルド「それ、もうありますよ……」
メル「クリップって尖ってて危ないから先っぽに着ける専用のゴムとかは?」
ハロルド「悪くはないんですがインパクトがねぇ…」
ハール「デスクワークとかで文字書くの面倒だから全部スタンプでできるようにするとか?」
ハロルド「それは自分で書いた方が早いですよ…」
カルビ「1つの容器の中をいくつかの部屋に分けて色んな調味料が使える様にするとか…」
ハロルド「凄くいい!けどそうすると1つずつの調味料の使える量が減ってしまいます…」
ゲルク「ナイフとフォークを貧乏削りみたいに両端でわけて二本持ちすればわざわざどちらかを利き手に持ち変える必要なくなるんじゃないですか?」
ハロルド「それだとかなり危ないですよ」
ゲルク「じゃあ店長さん、何かあるんですか?」
ハロルド「う〜ん……服の装飾に見せかけた催涙ガススプレーとか……護身用に…」
メル「それ、絶対悪用する人出るわよ…?」
ゲルク「!?何か聞こえない?」
ハール「本当だ!何かが震える様な、高速回転している様な、吹き出している様な……」
ハロルド「どんどん近づいてきますよ!」
???「これなんてどうダァーー!!」
その瞬間、店の壁を突き破り何かが猛スピードで飛び込んで来た。
ハロルド「店が……誰だ!!?」
魔王「私だ!魔王!」
ゲルク「こんなところになんの様ですか……って何それカッコいい!!」
ゲルクが指差したのは自転車をゴツくした様な者で私達が聞いた音と同じ音を発していた。
ハール「なんだか、漢心をくすぐられる様な……///」
魔王「いいだろう!これはハーレー・ダビッドソンというらしくてな!私と入れ替わっていた少年が私の力を勝手に使って作ったらしいがなんとも気持ちが良い物だ!構造は全く分からんが乗り方は覚えたぞ!」
やっぱあんた天才ですわ。
魔王「で、どうだ!?これを店に売る気は…全員「ないです。」
魔王「なんで!?」
ハロルド「そんな得体の知れない物売れないですよ。構造を知らないとボロも出ますし。」
ゲルク「カッコいいけど大きすぎて置き場ないし。」
ハール「変な音と臭いが出てるし。」
メル「ていうか店の修理代!」
魔王「う〜…分かった…店の修理費は後で送ろう…
なんか、ごめんなさい…ってあれ?動かない?」
ハロルド「え?使い方は分かったんじゃ?」
魔王「あれぇ?さっきと全く同じことをしてるのに?」
ハール「ん?なんか漏れてるよ?」
ゲルク「あ、本当だ。」
魔王「もしかしてこれのせいか?」
メル「テープで抑えればいいんじゃない?」
ハロルド「それなら、確か向こうの棚に……」
その瞬間何もかも吹き飛んだ。覚えているのは周りが火で覆われたことだけだった。
気がついた時には店は灰となっていた。
幸い全員怪我で済んだが……
魔王「申し訳ありませんでしたぁーーー!!!!」
ハロルド「…………うん…もう、いいですよ…」
ゲルク「顔……上げてください………」
メル「…どうせ……もうボロボロだったしね……」
ハロルド「はは、…失礼ですね……」
全員「は…はは…あはははは……」
魔王「あ、あぁ…私は何というこを……!」
[ドランフ国王城]
国王「ああっと…災難じゃったな……はい…1500ゴールド……」
全員「ありがとうございます……」
魔王「申し訳ありません……」
私達はどうすることもなくフラフラと歩き回った。
いく当ても帰る場所もなく。
ハロルド「あ…そうだ…船あんじゃん……」
ゲルク「船でどうする気です…?」
ハロルド「そこに住もう……雑貨屋もついでにそこで再開しよう……」
ハール「また船酔いか……」
数時間後
ハロルド「完成、新雑貨屋ハロルド〜………」
全員「わ〜い、パチパチパチ……」
新 雑貨屋ハロルド 開店!!




