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両親との夕食

「トーヤ様、そろそろお時間が。」


申し訳無さそうにレアが話しかけてくる。

そういえば、今日は両親との夕食を食べる事になってたんだったな。


「ああ、そうだったね。ロヴィ、今日はありがとう。またかけるよ。」


『こちらこそ、貴重なお時間を割いていただき有難うございました。魔石についてはお屋敷に送っておきますので、どうぞ使ってやってください。』


「楽しみにしてるよ、それじゃあ。」


そうして、ロヴィとの通話を終える頃には、夜になってしまっていた。

なんだかんだと話し込んじゃったなあ。


「もう間もなく、お約束のお時間です。」


30分も残っていないか、急がないと。


「レア、服装に乱れがないかみてもらえる?」


「かしこまりました。」


魔法に頼っているんで大丈夫とは思うんだけど、つい見てもらう癖がついている。

レアも、それがわかっているから、特に気にする様子もなく確認してくれる。


「ええ、問題ないように見受けられます。」


よし、じゃあダイニングルームに向かうか。

・・・何を話せばいいんだろうなあ。


----


数分後、その心配は杞憂だったと知る。


「それでトーヤ、どうして父上は君に散華を?」


「わたくしもその点が気になっていたの。トーヤ、聞かせてくれるわね?」


こちらから話題を振ることなく、ひたすら祖父との話を根掘り葉掘り聞かれた。

どうも、散華は祖父の大事なコレクションの一つだったそうで、何故渡す気になったのか不可解らしい。

今日、話をした内容と俺の答えを聞いて楽しそうだった事を伝え、一応は納得してもらう。


結構な物を貰っちゃったんだなあ・・・小遣いっていうもんだから、そこまで価値が有るとは思ってなかった。ああ、そうだ。温泉のことも話しておかないと。


「そういえば父上、お爺様が用意下さった温泉ですが、良ければ保持いただけませんか。」


「それは構わないよ、トーヤが欲するのなら、トーヤの資産とするよう言われているしね。維持管理はするように。」


維持管理・・・?魔法でなんとかなるのかな。後でチルにきいておこう。


「それではトーヤ。旅立ちの前にもう一度くらいは時間を作って食事会を開くので、またお話を聞かせてちょうだいね。」


「はい、母上。本日はおふたりともお忙しい中お招きいただき、有難うございました。」


そう言うと、微妙な表情を浮かべながらダイニングから両親が転移していく。

他人行儀すぎたか。貴族って難しいなあ。


少し間をおいて、後ろに控えていたレアが話しかけてくる。


「トーヤ様、明日のご予定は12時より、立食パーティが予定されています。参加されるのは、今回の旅の中核と成る方々です。」


ついに来たか。

偉いとこの子息が集まるってのがもう、余り気乗りしないけれど、これも貴族の責務だ。

ここ数日の礼儀作法のレッスンでも問題はないと言われているし、きっと大丈夫だろう。


「わかったよ。明日もこの礼服のままでいいのかな。」


「いえ、明日のお召し物はチル様にお渡ししましたのでそちらをご着用下さい。また、参加者の名簿についても併せてお渡ししておりますので、お休みの前に、ご確認しくださいね。」


おお、名簿あるのか。

いきなり名前を聞いて覚える自信はあまりないから、これは有り難いな。


「助かるよ、ありがとう。」


「いえ、お役に立てたのなら何よりです。それでは、私はこれで失礼いたします。」


さて、俺も自室に戻ろう。


すっかり星空になった空間に戻る。

ミニ太陽はミニ月となり、明るさはすこし抑えられている。


「そういえばチル、空間の維持ってどうすればいい?」


「わたしがやっておくよー!魔力がちょっぴり必要だけど、トーヤの場合は誤差ね!」


誤差か。ならいいか。


「わかった、頼むよ。後は、名簿ってどうやって見ればいい?」


「流すね!」


「っ・・・」


そう言われ、脳内に直接リストが押し付けられる。

・・・そうか、見るって言うより書き込まれる感じなんだな。

まあ、覚えなくていいからいいか。


「送ってみたけれど、見られそう?」


「ああ、大丈夫だと思う。一応、確認してみるね。」


今回は7人で・・・全員伯爵家の人か、緊張感増すなあ。


「伯爵ばっかりなんだね。」


「そうね!みんな歴史のある銀河団を治めてる、古い家の出だから先に呼ばれてるの!」


銀河団て。改めて、領地の規模がでかすぎる。よくそんなんで統治しきるよなあ。

いや、なんか父がビームで破壊した星系とかも有るみたいだし、犯罪は有るには有るんだろう。

・・・あんなビーム撃たれるってわかっているのに、なんでやるのかな。


「うーん、ちょっと緊張してきた。また温泉入っていいかな。」


「いいけれど、二回目入るのって珍しいね!」


まあ、今までは普通のお湯だったしなあ。


「いやあ、結果的に自分用の温泉貰っちゃったからね。せっかくだから使ってきたくてて。」


そうして、暫く温泉でゆっくりと時間を過ごした。


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