カーノス
SF/宇宙 デイリーの1位!ありがとうございます!
仕事前だけどなんとか書き上げれたので、お礼の投稿します!
気がつくと、何もない世界に居た。また、誰かの作った異空間だろうか。
あたりを見回してもなにもない。
それどころか、自分もみあたらない。
・・・死んじゃったか?ええっと、ああそうだ、リンドの襲撃を受けてたんだ。
どうなったんだっけ。
・・・ああ、そうだ。
チルが・・・
全身の、いや、体が無いからそうと言えるかはわからないが、力が抜ける。
転移直後にあった警戒が解ける。コウやレアは無事だろうか。
せめて、彼らだけでも生き延びていて欲しい。
「やあ、久しぶり。こっちはどう?」
だれだ?・・・いや、この声には聞き覚えが有るような気がする。どこで聞いたんだっけ・・・?
「ああ、突然でわからないか、ごめんね。君をここに飛ばしてきたのが僕なんだけど、覚えてないかい?」
ああ、そっか、あの時の声か。それで聞き覚えがあったんだ。
いやあ、ごめんな。せっかく飛ばしてくれたのに、あっさり死んじゃったみたいだ。
「ふふ、大丈夫。まだ死んでないよ。ただ、このままだと脳死に引きずられて、魂も死んじゃいそうだったから、魂だけ引っ張ってみたんだ。案外なんとかなるんだねえ。」
そう言い、クスクスと笑う。面白いことなんだろうか。よくわからない。
でも、助けてくれたのならお礼を言わないと。
「ああ、いいよいいよ。こっちにきてくれて、結果的に僕も助かったし、お互い様ってことで。」
俺、なにかしたっけ・・・?
そう言えば、結局君は誰なんだ。
「あれ、前に自己紹介しなかったっけ。」
ええっと、アイツがにくいなら、あいつの死後におくろうか?って聞かれただけだったような。
「あれ、そっかあ、そこしか届いてなかったんだね。そうだねえ、僕はカーノス。時間を司るー・・・精霊?だよ。」
なんで疑問形なんだ。
「ちょっと定義が曖昧なんだよねえ、今の状態。うまく説明できなくてごめんね。なんとなく察してるだろうけど、あいつのせいなんだ。変ないじられかたしちゃってて。」
あいつ・・・管理者、であってる?
「そうそう、時間の管理権っていろいろわるさできちゃうからね、僕からはぎとろうとしたんだけど、だめだったから、曖昧な存在に改変されちゃってさ。結果、あいつ破滅しちゃってるから笑えるよね!」
いやあ、そんな神話みたいなこと聞かされてもよくわかんないなあ。
「あれ、他人事みたいに言ってるけど、結構な当事者だよ、君。」
そんな神話の体験なんてした覚えがないけど。
「ええー!コームって教えるの下手だよね!ええっと、君達領主がやってる事って、昔の精霊、場合によっては神と崇められていた存在がやっていることの代行なんだよ。つまり、先の戦いは神々の戦いだったってわけ!」
へえ、熱い展開だね。しかし、コームの知り合いだったのか。
「そうだよ、創られた時期が同じなんだ。兄弟みたいなもんだね!」
へえ、そうなのか。
「冷めてるなあ。」
・・・俺のミスで、守れなかった奴がいるからね。
「ああ、チルちゃんか。あの子いいね。すごく助かる。」
そうだ、いい子だったんだ・・・それを、俺が・・・
「ああ、何か勘違いしてるみたいだけど・・・あの子ね、別に死んでないよ。」
え・・・?
「本体は杖だからね。君ね、忘れてただろうけど腕輪あったでしょ。あれがリンド君の砲撃に巻き込まれて、外れちゃったから、機能不全起こしたんだよ。」
思考がついていかない。
ああ、でも、たしかにチルがそんな事言ってたような。
「君のイメージだと、杖って突き出して使うイメージあるだろうけど、現代でそんなんしてる人いないよー?ハーキル君が目からビームだしてたでしょ。フフフ・・・魔力操作に長けてるイメージを出したいからって、アレはないよね!絶対コームわざとやってるよ!」
またクスクスと笑い出す。
いや、でもまてよ、杖は?
「何でも聞いてばっかりじゃだめだよー?でも、久しぶりに人と話せたから話しちゃう!」
軽いなあ。
「杖はねえ、確かに6割くらい消えちゃったけれど、主要機能は体に近い位置におくものなんだよ。」
あの時、俺の腕は肘まで消し飛んでたけど。それくらいなら大丈夫だったってこと・・・?
「それくらいって切って捨てていいほど、軽い負傷じゃないけどね!でもそうだね、あのダメージじゃ精霊は死なない。安心して!」
そっか・・・よかった。ありがとう、教えてくれて。
「いいっていいって!あ、今はそれより君の話しだよ!」
ああ、脳死って言ってたっけ。俺、死にかけてるんだ?
「そうだね、コームがすんごい顔で向かってきてるけど、ちょっと間に合わなそうかな!」
そっか、せっかくチルが生き延びたのに、残念だな。
「自分の死を残念ですますなー!」
クスクス笑う。こいつの笑いのツボがわからない。
「それでね、君を助けたいんだけど、僕のちからって時間関係しかないからさ。」
治療とかはできないってことか。
「うんうん、だから、君の時間を止めるね。」
直後、世界は暗転した。
しかし、PV数が1日8000超えて脳の処理がおいつきません。
頂いている評価も200Pを喜んでた翌日に300超えるなんて。
ありがたやありがたや。
これからも、頂いた評価を裏切らないようにがんばりますので、ゆっくりお付き合い下さい。