表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/74

地獄行き

結局、昨日は805PVいただいておりました。

感謝の投稿でございます。

翌朝、目覚めるとチルの姿は無かった。

流石に2日連続で、一晩中つきっきりは無かったようだ。



管制室に移動すると、少し深刻そうな雰囲気で会話をしている二人が居た。


「やはりですか、ではゲートは・・・」「うん、暫く厳しいかも。」


何の話だろうか。


「あ、トーヤ!おはよう!」


「おはよう御座います、トシヤ様。」


「おはよう二人共。何か悪い事があった?」


二人が目配せをし、チルが話し始める。


「えっとね、虫食い穴を何かが通った反応が有ったの。」


・・・?何が問題なんだろう。


「虫食い穴って、次元をつなぐ門なんだよね。誰か通ってるのは普通じゃないの?」


「んっとね、虫食い穴はそれでいいんだけど、問題は、そこって初代様が発見したけど未公開だったってことなの。」


いいねえ、そういうロマン好きだ。


「初代様は、如何せん破天荒な方でしてな・・・抜け穴は俺しか知らないほうが面白い等という理由でして、ええ。」


トシヤさん、理解できるぜ・・・とか考えてるばあいじゃないか。

その未公開の虫食い穴を、公開せずに使ってるってことは・・・


「順当に考えると、後ろ暗いことをしてる連中が使ってるかもしれないってこと?」


「左様でございます。確証は御座いませんが。もしそうだとなると、相手は現行の船でしょうしなあ。口惜しいですが、避けた方がよろしいかと。」


避ける、ってことは・・・


「地獄側に向かう・・・ってこと?」


「危ない目にあうよりは、そっちのほうがいいかなって話してたの。トーヤはどうしたい?」


地獄はなんとなく行きたくはないけど、リスク背負うのもなあ。


「ちなみに、後どれくらいでつくの。」


「現在、航行を停止しておりますが、再始動したとして30時間程ですな。」


丸一日以上あるなら・・・


「その間に、そいつらが離れてくれたりはしないかな。」


「常に張り付いてはいないでしょうが、復路に鉢合わせる、といった可能性が捨てきれません。」


結局、確証の有る情報は、未公開のゲートを使っている何者かが居る、ってだけだもんなあ。


「・・・地獄って、別に死ななくていけるんだよね?」


「ぷふふ、大丈夫よ!今でも、すごく悪いことをした人の魂はひっぱられるけど、普通に生きてる人が出入りしてるよ!帝国の首都だしね!」


あれ、初耳。なら、天国はなんなんだ?


「首都って天国、えっと、天領じゃないの?」


「天領は天領よ!政府機能は首都の地獄に有るよ!」


うーん、文化が違う。

首都、地獄か。どうにもしっくりこないけど、今はそういう世界なんだと受け入れるしか無いか。

それに、地獄も、まあ、興味が無いわけではないし。

・・・こわいけど。


「わかった。俺も二人に危ない目にあってほしくない。地獄に行こう。」


チルが後ろに回り込んだかと思うと、また後頭部にだきついてきて、頭を撫でる。

・・・恥ずかしいな。嫌じゃないけど。


「承知しました。それでは、針路を変更いたします。」


モニタの星々が流れ始める。移動を再開したようだ。

・・・Gとか感じないのは魔法なんだろうなあ。



--------------



針路変更から暫くたったあと、ロヴィが話掛けてくる。

目の明かりが弱いのは落ち込んでいるのだろうか。


「トシヤ様、申し訳ないのですが、少々魔力をお借りしても良いでしょうか。」


どうしたんだろう、急にかしこまって。

・・・そっか、お金扱いなんだっけか。そりゃ遠慮もする。


「全然構わないよ。でも、何か有ったの?」


「現在位置から最高速で40時間程の位置なのですが、最高速状態は炉の供給より、消費量が上回ります為、速度を維持しようと思いますと、今の容量では少々心許ないものでして。」


元の旅程より長くなったせいか。


「わかったよ、チル経由になるんだよね。」


「送るよー!」


「ええ、有難うございます。・・・しかし、トシヤ様は純白なのですなあ。」


じゅんぱく?何がだ。


「そうなの、トシヤが純白なせいでコームがあれこれ聞いてきちゃって大変だったの。」


「あ奴は臆病ですからなあ、大方、トシヤ様を見定めるまであれこれ仕掛けたのでしょう。」


うーん、話についていけない。


「純白って、なんのこと?」


「これは失礼を。魂の色の事で御座います。」


たましい。色あったんだ。


「ほんとはね、トーヤの家は赤なの。トーヤも前世返りしてなかったら赤で生まれるはずなんだけど。」


「あくまで、魂の色は初代皇帝陛下が世界を改変したルールの一部ですからなあ。」



-----


要約すると、初代皇帝の政策の一つとして、各領主の権限に見合う制約を課したらしい。

その一つが魂の色で、魔力持ちは個人の戦闘能力の高さから、領主が管理しないと、治世に悪影響を出しかねない。どうも、好色な領主が居て、あちこちで作る子供の面倒をしっかり見させるといった理由もあったようだけど。

とにかく、魔力持ちは、魂の色に領地の影響を受けるよう、世界の在り方を改変したそうだ。


低層民と呼ばれる平民も、魂は純白だが、これほどの魔力持ちなら2層以上に引き上げられているはずだから、消去法で改変前の存在だと推測しているとのこと。


「多分、それで合ってると思う。俺の前世魔法とか無かったし。」


「魔法が、無いとは。かなり原始的な文明だったのですね。」


悪意はないんだろうけど、原始的ときたか・・・

これでも数千年の歴史が・・・いや、3万年の前だとかすむなあ。


「ええと、そうかもしれない。まあ、今と比べると何もかもが違ったよ。」


「しかし、コームの奴めは。魂の色位でトシヤ様を疑ってかかるとは。」



・・・俺、疑われてたの?

気に入って頂けたり、続きに興味を持っていただけたら評価やブックマーク頂けると幸いです。


どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ