摺合せて発進
累計PVが4000を、ユニークアクセスが1000人を超えました!やったー!
ブックマークも16件いただきありがとうございます。
意外と、ブクマから以外も見ていただけるんですねえ。
自分は、ブクマしてから見ていたので、いろんな見方?があるんだなあと。
チルは思う。信頼する、と口先では伝えたが未だこの存在とこの設備への不信感は晴れていない。
戦闘モードのほうがトーヤの魔力負担が増えるのだが、今の段階では警戒は解けない。
(マスターとさまよった先で施設があるのは都合が良すぎます。
それも偶然初代の知り合いで、そのせいで扉が開いたとは出来すぎです。
即座に仕掛けて来なかったところを見るに、取り入る事が目的なのでしょうか。)
メンテナンスユニットは思う。数万年ぶりの再会に喜びはしたが、自分を警戒し、なんらかの障壁を展開していたこの存在は、かつての主に害を為そうとしているのではないかと。
(トシヤ様の護衛のようですが、ならばなぜ拐かされるのを見過ごしたのか不可解です。
さらに、見過ごしたにもかかわらず、側に居るのが不自然ですな。
敵方の存在と断定は出来ませんが、まずは目的を探らねばならぬでしょうな。)
((その企みを暴いて差し上げます))
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数時間後
((取り越し苦労でしたか))
お互いに状況を摺合せ、質問を投げかけ合い、トーヤから聞いた現状との矛盾点もないことが確認される。
「長時間お付き合い頂き有難うございました。外部の警戒も不要のようですし、私は戦闘モードを解除します。」
「畏まりました、こちらこそ長時間こちらの知識不足を補って頂き大変助かりました。艦内のデータを直接お渡しできればよかったんですが、規格にこれほど変化が有るとは。」
「いえ、映像情報でいただいた分で十分です、後は補完します。戦闘モード、解除。」
ガシュー
寝室の扉が開く。
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目が覚める。どれくらい寝てていたのだろう。
二人は今も会話していたようだ。
人を殺してしまった事。今では些細なことに思える。
俺はこんなに冷酷だったんだろうか。だが、それも当然に思える。
領主なのだ。帝国に仇なす存在を消滅させるのは義務だ。
おかしいな、人を殺したいなんて思って無かったのに。
当たり前だとしかおもえなくなっているような。
・・・まだ助かったわけじゃない、ゆっくり考えている余裕はない。二人に合流しよう。
扉の先にいた二人に声をかける。
「おはよう、ふたりとも。」
「トーヤおはよう!ゆっくりやすめた?」
「おはよう御座います、トーヤ様。・・・チル様は随分な変わり様ですな」
ああ、戦闘モードじゃなくなったのか。
「ああ、おかげ様でゆっくり休めたよ、ありがとうチル。それと、仲良くなったみたいだね。」
「そうね!ロヴィったらすごいのよ!さんまんねんまえから動いてるの!」
そりゃすごいな・・・動力はなんだ?それに、名前だろうか?
「ロヴィ?」
「おお、自己紹介をしておりませんでした。私としたことが。」
歳は取りたく有りませんな、と小声でつぶやく。
ロボのセリフかそれ。
「私は本艦のメイン・メンテナンスユニット、型番R0-VY11-3000です。トシヤ様からはロヴィと呼ばれておりました。どうぞ、そのようにお呼びいただければと。」
「わかったよ、ロヴィ。俺はまあ、トシヤでもトーヤでも好きに呼んでくれればいいから。」
「畏まりました。」
器用に頭を下げる。愛嬌のある動きだ。
お辞儀のつもりなんだろう。
「んっと、それで、進路はどうなるんだろう。行く宛はあるの?」
「そうですな。本艦に登録された航路の内、チル様の情報と齟齬が多くありまして。確実に味方と言い切れるのは2家だけでございましてな。」
「片方はね!浮島次元にいる精霊のスピェーナ様よ!初代様の頃からずっと同じ島で、精霊中心で領地経営してるの!」
浮島次元?ファンタジー感あるじゃん。もうそっちでよさそう。
「もうおひとかたが、地獄のショーキ殿ですな。」
「じごく・・・?」
「地獄よ!中心政庁からはちょっと離れるけど、静かな良いところなんだって!」
んんん政庁?帝国のか?
・・・いや、でも、じごくこわい。
「えっと、浮島次元に興味ある、かなあ?」
「畏まりました。それでは、進路は第7・3次元へ。チル様にお話しましたが、航行の安定の為にチル様経由でトシヤ様の魔力をご下賜頂いてよろしいでしょうか。」
「トーヤが直接送るとタンク破裂しちゃうから!私送るね!」
破裂すんのか。俺は一体何なんだろうなあ。
「ロヴィの依頼はわかった。俺も安定した道中にしたいと思ってる。供給は頼むよチル。」
「任せてー!」
「それでは、先ずは大気圏外まで転移致しますぞ!トーヤ様はどうぞ艦長席へ。」
言われるがまま、部屋の中心にある、操作盤が左右に並んだ椅子に座り、振動し始めた船体の中で思う。
打ち上げじゃなくて転移なんだなあ。
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ポイントが増える様を眺めるのが好きです。
よろしくお願いいたします。