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ハズレJob【英雄】で異世界無双〜ゲームでは初心者向けのJobが、異世界ではチートでした〜  作者: INGing
1章 VR→R、ゲームの中によく似た世界
22/22

追加報酬、手とり足とり

ブックマークありがとうございます。

 クリスと朝食を採った後、シンシアの元を訪れ木の弓の修復をして貰った。

 流石に2000羽弱ものグラスバードを撃ち落としただけあって、かなりの損耗値が溜まっており料金も10,000w程となった。


 ちなみに昨日は、ずっと遠距離から攻撃していたので盾や鎧の修復は無しだ。

 フォレンツの防具屋をスルーし、道具屋で矢を補充し10,000w支払った。



「何か、新人冒険者って感じがしないわねー」



 とはクリスの談、朝食後わざわざ遠回りしてヒデオの買い物に付き合っている。

 先にギルドに戻って良いと伝えたのだが「わ、私も武器の手入れをしないといけないから」と、お供することにしたのだ。


 ちなみにかなり損耗値が溜まっていたようで、シンシアがジト目でクリスをにらみつけていた。

 以前そのせいで武器がロストしたというのに、懲りずに手入れを怠っているとは……中々にズボラな性格の様だ。


 武器を手入れし道具屋で消耗品を補充し、何か忘れが無いかをチェックしてからギルドに向かう。

 そのヒデオの姿が、どうにも手慣れた”ベテラン冒険者”のようにクリスは思えた。


 事実、ヒデオはベテラン冒険者なのだ……AWOの中では、だが。

 ギルドランクと言うのは1から始まり、最高で999まである。

 クエストの難度は100である【魔王の討伐パーティー募集】が最高なのだが、それをクリアしたあとは名誉ランク扱いで徐々に上がっていく。

 クリアしたクエストの難度がそのまま経験値の様な物とされて上昇していき、プレイヤーとして”どの程度やりこんでいるか”を図るのにうってつけのものだ。

 AWOの中で野良パーティーを組む指針としてとても便利で、同ランク帯の者と組めばだいたい同じくらいのPSを持った者と遊ぶ事が出来る。


 当然、PSの鬼と呼ばれていたヒデオのギルドランクは999だった。



「うーん、まぁ年季の差って事で」



 しかしそれをどう言って説明して良いのかわからないヒデオは、年の功としてごまかした。



「はぁ……まだ言ってるの、それ? 確か36歳だったっけ?」

「うん」



 クリスは、やれやれといった様子でため息を吐く。



「でも、ステータスボードで見たとき私と同じ18歳だったじゃない」

「あ……」



 と、ギルドで登録した時に表示された年齢が18歳だった事を指摘された。

 その頃はただの”バグ”だと思って気にも留めて無かったヒデオだったが、そういえばアリエルに若返らされたんだったと思い直す。



「うーん、じゃあ子供の頃から両親に英才教育をうけてたからとか?」

「……何で自分の事なのに、疑問系なのよ」



 クリスは小さくため息を吐き「もういいわ……」と、半ば諦めた。

 とはいえ、ヒデオとしても「魔王を倒す為異世界からやって来ました、その際女神様に身体を若返らせてもらったんです」などとは口が裂けても言えない。

 というか……言ったところで誰も信じない、ただ頭のおかしい奴だと思われて終いだ。

 なので「ははは……」などと、苦笑いをして誤魔化すしかなかったのだ。



「ヒデオさん! 昨日の【害鳥駆除】の依頼、正式に難度外認定が降りましたよ!」



 クリスと話しながら歩き、ギルドへとたどり着く。

 すると、ヒデオを見つけた受付嬢がカウンターの中からそう叫んだ。


 この時間には珍しく、笑顔が素敵な受付嬢さんの方だ。

 いつもこの時間はきょにゅ……間延びした話し方の受付嬢だった筈だが。



「ヒデオ、何かがっかりしてない?」

「いいえ全く」



 ヒデオの不遜な考えを察知したのか、クリスの方から凄まじい威圧感が飛んでくる。

 本当に、この世界の女性は鋭すぎる。



「あ、クリスさんも一緒だったんですね。昨日は医務室に運ばれたと聞きましたが、大丈夫だったんですか?」



 受付にクリスと共に並び、ヒデオの番になってから再び声を掛けられた。



「ええ、この通り。ピンピンしてるわ」



 ヒデオのおかげでね、等と視線を横に向けるが受付嬢は訳がわからず首を傾げている。

 ヒデオの方は態々説明するつもりも無いので、苦笑いしながら頬をぽりぽりと掻いた。



「ところでイザベラさん、難度外認定って何?」

「えっと……それは」



 クリスからの疑問に、ちらりとヒデオを見る受付嬢イザベラ

 どうやらここで説明しても良いかと、ヒデオの様子をうかがっているようだ。

 別にクリスなら構わない、そう思ってヒデオは強く頷いた。



「実はですね、先日ヒデオさんが受けられた――」



 ヒデオの頷きをうけ、イザベラが詳しい説明を始めた。



「なによそれ!? 難度3の依頼で、2000羽のグラスバード?!」

「はい、しかも依頼人はそれを故意に隠して―

―」



 クリスはイザベラの話を聞きながら、徐々にヒートアップしているようだ。

 報酬がたったの10,000wだったと聞いた時など、今にも依頼人の元へと殴り込みに行きかねない様子であった。



「で、それを調査した結果”難度外認定”って訳ね?」

「はい。討伐記録に照らし合わせた結果、全羽とも依頼中に討伐したと認められました。グラスバード2000羽の討伐、適正難度23報酬上限無し。これが、ギルドの再精査の結果です!」

「おー……」



 そう言って、ドン! と報酬の入った皮袋をカウンターに置くイザベラ。



「残りの報酬、179,000w! どうぞ、お受け取り下さい」

「やー……ありがとう、まさかこんなに早く結果を出してくれるとは」



 ヒデオは有り難く報酬を受け取り、イザベラの顔を見てお礼を言う。

 うっすらとではあるが目の下に隈が出来ており、もしかしなくても夜通し精査や手続き等の雑務を行ってくれたのかと。

 ヒデオは感謝の気持ちでいっぱいになった。



「これはヒデオさんが受け取れる正当な報酬です、私は自分の仕事をしただけですから」

「それでも嬉しい事には変わりないさ。あ、そうだ……イザベラさん、ちょっといい?」



 胸を張っているイザベラの笑顔は、いつも通り素敵だが少しだけ陰りも見える。

 ヒデオは、イザベラに向けて【回復】を使った。

 眠気は消えないが、徹夜の疲れは取れるだろうと思ったのだ。



「これでよし」



 うっすらと光に包まれたイザベラ、その目から隈が消え去り少し顔に生気が戻った。



「これは……まさか、ヒールですか? 一介の冒険者が使える代物じゃ有りませんよ?!」



 自らが感じていた倦怠感がすっかりと消え去り、驚きの声を上げるイザベラ。



「ヒール? よく分かりませんが、ただのスキルですよ。練習すれば誰でも使える物ですから」

「「いや、スキルが誰でも使える訳ない(ですよ)!!」」



 二人の激しいツッコミにたじろぐヒデオ。



「神聖”魔法”のヒールすら使える者は稀なんです、魔法の上位とされてる”スキル”なんて……そんなの使えるのは、神の加護を受けた者くらいで――」



 加護、持ってます。


 等と言える訳もないヒデオは、口を噤んだ。

 しかし、スキルを使うのに神の加護など必要ない気がする。

 ヒデオはそう思った、なぜなら――。



「いや、クリスもスキル覚えてるだろ?」

「え……?私が?」



 昨夜に個人情報プロフィールを覗いたとき、【剣術】のスキルが生えてあった。

 飛斬と連撃は無かったが、強撃はスキルレベルⅠだったのを覚えている。



「うん、剣術の……」

「ひょっとして”アビリティ”の事を言っているの?」



 ヒデオが説明しようとしたら、クリスから聞き覚えのない単語が出てきた。



「……アビリティ?」

「ええ。ずっと研鑽を積んでいると、時たまふと自分が強くなった事を感じる時があるの。そして、その後は意識すると強力な一撃を放つ事が出来るのよ。それを俗に、技量アビリティが増えたと言ってるわ」



 間違いなくスキルの事だ、そうヒデオは判断した。

 呼び方が違うだけで、武器を振り続けて【剣術:強撃】のスキルレベルがⅠになったのだ。



「それ、スキルだよ」

「そんな訳ないでしょ、スキルってのはもっと人外の事が出来るようになるものよ」



 例えば空を跳んだり、姿を消したり……などと言うクリスに「すいません、それもできます」とは言えず閉口するヒデオ。



「どういう事だ……呼び名の違いはこの際どうでも良いとして、認識に差が有りすぎないか?」



 ヒデオにしてみれば、強力な一撃を出せるようになるのも傷を一瞬にして治すのも空を跳ぶのも等しく”スキル”だ。

 しかしこの世界では、誰でも使えるアビリティとごく少数が使える魔法に選ばれしものしか使えないスキル……と明確に別れて判断されている。



「もしかしてこの世界、転生どうこう以前に禄にスキルも広まって無いんじゃ……だったら、どうあっても魔王を倒すなんて事は出来ないぞ」



 アリエルに依頼された【魔王の討伐】、これを達成するためにはどうあっても”パーティー”を組む必要が出てくる。

 いくらヒデオのステータスが大幅に補正されていても、一人で出来る事なんかたかがしれている。

 しかし、もし”スキル”の事を皆が正しく知らないのならば……いくら人数を集めたところでそれは烏合の衆だ。



「よし、そういう事なら……」



 そうしてクリスとイザベラの事を忘れて、自分の世界に入り込んでいたヒデオは一つの決意をする。



「なぁ、クリス!」

「うわ! びっくりした……何よ、黙り込んだと思ったら急に叫んだりして!」



 呼びかけても反応の無かったヒデオが急に声を上げたのだ、そりゃあクリスもびっくりする。

 しかし、そんなことはお構いなしにヒデオは話を続けた。



「よかったら……オレと”パーティー”を組まないか?」

「え、パーティー?」



 ヒデオの決意とは、何も知らない人間をパーティーに入れる決意。



「ああ、そうだ。そして……オレにクリスを鍛えさせてくれ!」



 そして、スキルを教え一から魔王が討伐出来るメンバーを育成する事だった。



 こうして……AWO内魔王討伐”最多”記録を持つトッププレイヤーによる、(過剰戦力となる)魔王討伐パーティーを育成する計画が始動した。

上昇した数値は、横に↑○○と記入しておきます。

――――――――――


Name:原田 英雄


Age:18


Rank:4


Job:英雄


Level:4


Exp:0/1000


HP:3080/280(+2800)

MP:3050/280(+2800)↓14

Str:28(+280)

Vit:28(+280)+308

Int:28(+280)+154

Min:28(+280)

Dex:28(+280)+154

Agi:28(+280)

Luk:28(+280)



Skill:


【剣術】

強撃Ⅰ:0/100

連撃0:11/50

飛斬Ⅰ:0/100

【投擲】

武器0:0/50

防具0:0/50

道具0:0/50

【鎧術】

鉄壁Ⅶ:Complete/350

重化Ⅶ:Complete/350

行軍Ⅶ:Complete/350

【盾術】

城壁0:0/50

挑発Ⅶ:Complete/350

盾撃Ⅶ:Complete/350

【弓術】

鷹眼Ⅶ:Complete/350

強弓Ⅶ:Complete/350

矢雨Ⅶ:Complete/350

【歩行】

隠密Ⅴ:290/300

縮地Ⅴ:290/300

空歩Ⅴ:290/300

【魔法】

単体0:0/50

範囲0:0/50

異常0:0/50

【魔力】

変換Ⅶ:Complete/350

譲渡0:0/50

減少0:0/50

【回復】

単体Ⅶ:Complete/350

範囲0:0/50

異常Ⅰ:1/100

【結界】

物理0:0/50

魔法0:0/50

治癒0:0/50

【強化】

攻撃0:0/50

魔法0:0/50

付与0:0/50

【弱化】

防御0:0/50

耐性0:0/50

速度0:0/50

【武器】

精製0:0/50

制作0:0/50

強化0:0/50

鑑定0:0/50

解体0:0/50

修復0:0/50

【防具】

精製0:0/50

制作0:0/50

強化0:0/50

鑑定0:0/50

解体0:0/50

修復0:0/50

【道具】

精製0:0/50

制作0:0/50

強化0:0/50

鑑定0:0/50

解体0:0/50

修復0:0/50

【地図】

把握Ⅶ:Complete/350

拠点0:4/50

転移0:0/50

【索敵】

鑑定Ⅴ:260/300

体力Ⅴ:260/300

魔力Ⅴ:260/300



Equip:


【Weapon】

Main:木の弓(Dex+50%)

Sub:銅の指輪(Int+50%)


【Armor】

Body:鉄の半鎧(Vit+50%、重量5)

Shield:皮の小盾(Vit+50%、重量5)



Title:


 英雄の中の英雄

(成長速度倍化)

 転生神の加護

(ステータス+1000%)



Money:1,235,600w↓20,000↑179,000

――――――――――

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