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ハズレJob【英雄】で異世界無双〜ゲームでは初心者向けのJobが、異世界ではチートでした〜  作者: INGing
1章 VR→R、ゲームの中によく似た世界
19/22

怒りの受付嬢、口の上手い人

ブックマークありがとうございます

「難度3の依頼で、グラスバードが2000弱?! ありえません!!」



 【害鳥駆除】の達成報告をギルドで行った時、受付嬢がその表情を怒りに染めて叫んだ。

 普段笑顔しか見せない人が怒ると、相当に怖いな――などと、ヒデオは軽く身を竦めた。



「それが本当だとすると難度20……いや、25はあっても……」



 叫んだ後は、ブツブツとなにやら呟いている。

 ヒデオの報告が嘘だとか、そう思って怒ってる訳ではなく。

 どうやら難度設定の不備があった事に、怒りを覚えているようだ。



「ま、まぁまぁ。問題なく達成出来たので、そのへんで……」



 自分が怒られている訳じゃない、そう分かったヒデオは受付嬢をなだめる事にした。



「いえ! 今回は運良くヒデオさん一人でも対応出来ましたが、次回も同じ様な事が起こった時その人が対応できるとは限りません!」



 受付嬢の言うことも尤もで、普通のランク3の冒険者に対応出来る量ではなかった。

 加護を持ったヒデオが、駆除中にレベルが上がったスキルを使いまくって”ようやく”と言った所なのだ。



「厳正な調査を行い、然るべき処置を取らせていただきます!」

「わ、わかりました。だから、少し離れて……」



 ヒートアップした受付嬢は、ヒデオの顔にずいっと顔を寄せていた。

 これ以上近寄ってしまったら、何かしらの事故キスが起こっても不思議ではない。



「――!! し、失礼しました」



 ヒデオの言葉でそれに気付いたのか、顔を真っ赤に染めて離れる受付嬢。

 ヒデオはホッとした反面、少しだけ残念な気持ちになる。



「まぁ、その辺りはギルド職員さんの仕事って事で。取り敢えず、依頼の清算……してもらえる?」

「わ、わかりました」



 そう言って、依頼書を受付嬢に渡し清算処理をして貰う。



「お待たせしました……【害鳥駆除】の報酬……10,000w……です」

「……え?」



 手渡された銀貨を見つめ、ボーゼンとするヒデオ。

 受付嬢が先程とは違う理由で、顔を真っ赤に染めプルプルと震えている。



「あれ? え? 確か、1890羽くらい駆除した筈なんだけど……」

「はい……ですが、この依頼は”報酬上限”が設定されており……100羽分、10,000wまでとなっており……ます」



 報酬上限とは……依頼主側が設定出来る物で、どれだけ駆除してもそれだけしか払えませんよと宣言するものだ。

 そう言った物は”特記事項”として依頼書に記入してあるのだが、ヒデオもそれに気付けなかった。

 AWOでは”上限”なんて物は無かったし、どれだけ狩ってもいくらでも報酬を貰えた。

 しかし、それは”ゲーム”の中の話であり”無限”に通貨が存在する事を前提としている。

 現実には”農家の人が払える額”と言うのは、上限があって当然なのだ。


 しかも、今回の上限はランク3にしては”高い”方なのだ。

 せいぜい10数羽くらいの駆除だろうと、ギルド側からしても目に留まる程の事では無い。


 しかし、今回の場合は明らかにランク内の領分を逸脱している。

 2000羽程の駆除をしたのに、100羽程の報酬しか払えない。

 受付嬢が今顔を真っ赤にしているのも、そう言った不条理に対する怒りからだろう。



「あっちゃー、それは気づかなかったな。そういや依頼主さんも『増えてきて困っている』とか『昨日の時点で1000羽』とかって言い方で、全羽駆除しろとは言って無かったもんな……」



 話の流れ的に全羽駆除をしなきゃいけないと判断したのはヒデオの方だ、詐欺にあったとは言い辛いだろう。

 これも一つ勉強か、口の上手さにやられたな――と、ヒデオの中で納得する。



「すいません、ちょっといいですか!? 昨日の時点で1000羽……本当にそう言ったんですか?」



 ヒデオが諦めて銀貨を【アイテム】に仕舞った時、受付嬢が耳ざとくヒデオの呟きを拾った。



「え? はい、確かにそう言ってましたけど」

「ちょっと待っててください!」



 そう言って、先程に清算処理が終わった依頼書を取り出す。



「依頼受注日時は……昨日の夜? ヒデオさん、ひょっとしたら残りの報酬も受け取れるかもしれませんよ!」



 受付嬢が言うには、昨日の時点……つまり依頼を出した時点で1000羽を超えるグラスバードの被害を受けていたにもかかわらず、それを隠して難度3の依頼として申し込んできたのは難度詐欺に値するそうだ。

 更にはそれだけの被害を受けながら、上限も100と設定したのは始めからお金を払うつもりが無かったとみなされてこれも詐欺案件だと言う。



「なるほど、つまり……どういう事だ?」

「つまり適正難度での依頼に変更、追加報酬を請求出来るって事です!」



 ギルドが受付た依頼に不備があった時や、後々ランクに合わない依頼があった場合として……依頼難度の再精査、適正報酬の請求が出来ると言う。

 ちなみに……これらの制度は有名無実化しており、ここ数10年起こった事がない。

 それだけギルドの難度設定に高い信頼性があると言うことで、詐欺を行う者を今まで跳ね除けてきた実績が有ると言う事なのだが。



「うーん……それは嬉しいんだけど、受付嬢さんに迷惑が掛からない?」

「大丈夫です! そんな事より”正しき労働には正しき対価を”支払うのは当然ですから、こんな詐欺まがいの行為を許してはいけません!」



 どこかで聞いたようなセリフを、声高々に叫ぶ受付嬢。

 再精査の話あたりから、怒りに染めた顔が笑顔に戻ったが……なにやら熱弁する、その背後には炎が燃えているのが幻視出来る。



「そ、そうですか。ならお願いします……」

「はい! 任せて下さい!」



 そうして、受付の奥へと去って行く。



「…………あ、【草鳥の肉の納品】清算するの忘れてた」



 もう一つの方のクエストの報酬を貰い忘れた事を思い出したが、もう受付嬢は目の前にいない。

 仕方なく別の受付に並び直し、こちらは無事に”上限”分の報酬を貰えた。

上昇した数値は、横に↑○○と記入しておきます。

――――――――――


Name:原田 英雄


Age:18


Rank:4↑1


Job:英雄


Level:4


Exp:0/1000


HP:3080/280(+2800)

MP:3066/280(+2800)↑3066

Str:28(+280)

Vit:28(+280)+308

Int:28(+280)+154

Min:28(+280)

Dex:28(+280)+154

Agi:28(+280)

Luk:28(+280)



Skill:


【剣術】

強撃Ⅰ:0/100

連撃0:11/50

飛斬Ⅰ:0/100

【投擲】

武器0:0/50

防具0:0/50

道具0:0/50

【鎧術】

鉄壁Ⅶ:Complete/350

重化Ⅶ:Complete/350

行軍Ⅵ:155/350↑30

【盾術】

城壁0:0/50

挑発Ⅶ:Complete/350

盾撃Ⅶ:Complete/350

【弓術】

鷹眼Ⅶ:Complete/350

強弓Ⅶ:Complete/350

矢雨Ⅶ:Complete/350

【歩行】

隠密Ⅴ:290/300

縮地Ⅴ:290/300

空歩Ⅴ:290/300

【魔法】

単体0:0/50

範囲0:0/50

異常0:0/50

【魔力】

変換Ⅶ:Complete/350

譲渡0:0/50

減少0:0/50

【回復】

単体Ⅶ:Complete/350

範囲0:0/50

異常0:0/50

【結界】

物理0:0/50

魔法0:0/50

治癒0:0/50

【強化】

攻撃0:0/50

魔法0:0/50

付与0:0/50

【弱化】

防御0:0/50

耐性0:0/50

速度0:0/50

【武器】

精製0:0/50

制作0:0/50

強化0:0/50

鑑定0:0/50

解体0:0/50

修復0:0/50

【防具】

精製0:0/50

制作0:0/50

強化0:0/50

鑑定0:0/50

解体0:0/50

修復0:0/50

【道具】

精製0:0/50

制作0:0/50

強化0:0/50

鑑定0:0/50

解体0:0/50

修復0:0/50

【地図】

把握Ⅶ:Complete/350

拠点0:4/50↑1

転移0:0/50

【索敵】

鑑定Ⅴ:260/300

体力Ⅴ:260/300

魔力Ⅴ:260/300



Equip:


【Weapon】

Main:木の弓(Dex+50%)

Sub:銅の指輪(Int+50%)


【Armor】

Body:鉄の半鎧(Vit+50%、重量5)

Shield:皮の小盾(Vit+50%、重量5)



Title:


 英雄の中の英雄

(成長速度倍化)

 転生神の加護

(ステータス+1000%)



Money:1,077,700w↑60,000

――――――――――

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