【アイテム】でチート、【アイテム】がチート
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ギルアスの入り口で守衛にギルドカードを見せ、門を潜って中へと入る。
カードを取り出した瞬間、守衛がぎょっとした顔を見せたが……ヒデオはそれに気付かない。
ギルドへと向かう大通りの途中、美味しそうな匂いを漂わせている屋台を見つけた。
どうやら串肉を焼いているようで、ヒデオはふらふらとその匂いに誘われていった。
「おっちゃん、1本いくら?」
「まいど! 一本で大鉄貨5枚、50wだ!」
値段を聞いてるのだから、まいども利用はしていないのだが。
まぁ、そういった挨拶は商売人のセオリーなのだろう。
地球でもよく聞くので、ヒデオも特に気にしない。
「やっす。じゃあ、5本……いや、6本頂戴!」
「あいよ!」
串に刺さった肉の大きさは、大体5cm角の大きさだ。
それが3つ、地球で買うとすれば200円くらいするのでは?
そんな比較をして、思わず衝動買いするヒデオ。
「お待ち!」
「待ってないよ、ありがとう」
今度はセオリーに対してツッコミを入れるヒデオ、実は地球に居た時からの返し文句だったりする。
銅貨を3枚渡し、6本の串肉を受け取った。
「って、何か包みは無いの?」
焼き上がった串肉は、むき出しのまま渡された。
「いやぁ、実は今さっき丁度切らしちまってなぁ」
「ふぅん? まぁ、じゃあしかたないか」
とは言え、両手に3本ずつ持っているこの姿は……どうみても”食いしん坊”にしか見えない。
流石に恥ずかしいので、5本を【アイテム】にしまい込んで残りの1本にかぶりつく。
「おいおい、なんだよ兄ちゃん! 魔術師様だったのかい、それならそうと言ってくれればサービスしたのによー!」
「……? 魔術師……様?」
ヒデオが串肉を【アイテム】に仕舞っている所を見た屋台のオヤジは、驚いた様に叫んだ。
一方ヒデオは、聞き慣れない単語で頭中に?マークが飛び回る。
「その若さで魔術師様たぁ……かぁー、人は見た目によらねぇなぁおい」
「えーっと、その……魔術師様って、何?」
オヤジは頭に手を当てて”あちゃー”という感じの表情をしている、ヒデオは置いてけぼりだ。
しつこくオヤジに魔術師の事を聞いて、ようやく正気に戻ってくれた。
「なんだ、魔術師様じゃ無かったのか。そうかそうか、オレの見る目が無かった訳じゃなかったんだな」
「いや、だから魔術師様について詳しく」
いや、まだ戻っていなかったようだ。
「魔術師様ってのは、宮廷魔術師様の事さ。アインス王国の王城に仕え、有事の際には騎士様以上の働きをされている方達だ」
「ふぅん……」
ヒデオは2本目の串肉を食べながら、オヤジの熱弁を聞く。
「召し上げてもらう為の条件に”空間魔術”を使える事ってのがあってな、さっき兄ちゃんが見せてくれたのがそれだったから驚きってもんだ」
「なるほど……」
美味しいけど、味が同じだと少し飽きてくるな。
そんな事を考えながら、3本目の串肉を取り出すヒデオ。
「そうそう、それそれ! でな、普段は王都から出て来ない魔術師様がこんな街に? って思ったら、ついテンパっちまってな」
つまり、AWOで言うところの【ロイヤルガード】の事だとヒデオは判断した。
年に数回あった大型イベント【スタンピード】や【巨竜襲来】とか、はては【王都に棲む闇】等で見かけた事のあるNPCだろう。
プレイヤーのJobよろしく【戦士】と【魔法使い】の2タイプ居たが、それがここでは【騎士】と【魔術師】と言う事か。
AWOの時はどっちが偉いとかは無かったと思うが、話しを聞いているとどうやら【騎士】より上位にいるのが【魔術師】のように聞こえる。
ふむふむ、とオヤジの話しを自分の中で整理しながら……4本目の串肉を取り出す。
「兄ちゃんも王城に出向けば、きっと召し抱えて貰えるぜぇ?」
「うーん……興味ない、かな」
オヤジは”どやぁ”とした顔でヒデオに登城を勧めてくるが、ヒデオはきっぱりと断る。
5本目を取り出そうとして、やっぱり止めて食べ終わった串を屋台横のゴミ箱へ捨てた。
「冒険者家業が向いてるんでね、ごちそうさま。色々聞けて、勉強になったよ」
「そうかい、兄ちゃんが魔術師になったら自慢出来ると思ったんだがなぁ」
最年少魔術師を世に送り出したのはオレだ! ってな、などと歯をむき出して笑うオヤジ。
それを聞いた所で、苦笑いしか出ないヒデオ。
腹も膨れた所で、ギルドへと報告へ向かう。
「あら、確か……ヒデオさん、でしたね」
ギルドに入り受付へと向かうと、昨日の笑顔が素敵な受付嬢さんが担当してくれた。
胸は……普通だ、朝の受付嬢と比べると小さ――丁度いい大きさだ。
「何か?」
「イエ、ベツニ……」
相変わらずこの受付嬢さんは、笑顔で”物を言う”のだ。
傍目では何も変わらない笑顔なのに、重圧が凄い。
「あまり、女性の身体をジロジロ見るのはオススメしませんよ」
「そのとおりですね、大変失礼しました。ところでクエストの報告に来たんですけど、受理して貰えますか?」
素直に謝罪して、クエストの依頼書を手渡すヒデオ。
「あら、ヒデオさんは空間魔術が使えるのですか?」
依頼書を何も無い空間から取り出したヒデオを見て、受付嬢はそんな事を聞く。
いいえ【アイテム】です――とは言えず「はい、まぁ……」などと、茶を濁した。
「それでは、薬草の提出をお願いします。それにしても、朝に依頼を受けたばかりですのにもう完了すると……は、え?」
受付嬢の言葉を受け、どさどさと【アイテム】から薬草を取り出していくヒデオ。
「これ、いったいいくつ有るんですか……?」
笑顔を崩す事は無かったが、口調にやや驚きが混ざっている。
「さぁ? 100から先は数えてませんね」
とヒデオが言うように、そこには100本をゆうに超える本数の薬草が山となっていた。
「10”株”と言う単位が分からなかったんで、これだけあれば足りるだろうって数を採ってきました」
「そう、ですか。一応”王国単位法”と呼ばれる物で決められているのですが、薬草の場合ですと”葉が10枚で1株”ですね」
今度は、口調に呆れが混じっている気がする。
表情を変えずに感情を表に出すとは、この受付嬢なかなかにできる。
ちなみに10株で1束ですよ、と親切にも教えてくれた。
「薬草1本に対し、薬効の有る葉が5〜7枚と結構バラつきが出るんですよ。なので、薬草の取引の場合”本数”では無く”枚数”になるんです」
「なるほど、そうでしたか」
そう言われて見てみると、先程ヒデオが取り出した薬草も茎1本に対して葉が5枚の物や7枚の物がある。
だったら、最初から葉だけを採って来れば良かったのかと少し後悔した。
「とにかく、今から葉を摘んでカウントし直しますので……」
「あ、それなら大丈夫です」
受付嬢の言葉を遮り、薬草の山を【アイテム】へとしまい込む。
そしてその後、葉だけになった薬草を取り出した。
「丁度780枚、78株ありました」
その取り出された薬草は、丁寧に10枚毎に纏められている。
「…………いま、何を……したんですか?」
受付嬢は、言葉をつっかえながらも声を出す。
今なお表情を変えないあたり、凄いとヒデオは尊敬した。
だが、それもあと僅かで崩壊してしまいそうな危ういバランスの様にも見える。
「何って、一度収納して葉をバラして枚数から株数にソートし直して出しただけです」
先程、グラスラビットを【アイテム】に放り込みながら色々と検証した結果だ。
丸ごと放り込む事も出来たしバラバラにして入れる事も出来た、各部位毎に纏める事も出来たし入っている物を検索する事も出来た。
どうやらAWOの時よりも多機能で、実用性に富んだ仕様になっているようだった。
「………………」
受付嬢は、ついに言葉を発する事が無くなった。
もうひと押し、そんな事をヒデオは考えてしまう。
「あ、あとグラスラビットを討伐してきたのでそちらもお願いします」
そう言って【アイテム】から取り出す、耳・毛皮・肉・魔石……。
「な、な……」
毛皮を出したあたりから、受付嬢がバグり出した。
「なんですか、この状態の良い毛皮はー!!」
がたっと椅子から立ち上がり、毛皮を指さして叫ぶ。
その表情は、ついに笑顔を崩れさせて驚きに染めた。
「よし、勝った!」
ヒデオはどうやら人知れず、何かの勝負をしているようだった。
上昇した数値は、横に↑○○と記入しておきます。
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Name:原田 英雄
Age:18
Rank:1
Job:英雄
Level:1
Exp:52/1000
HP:770/70(+700)
MP:770/70(+700)
Str:7(+70)+38
Vit:7(+70)+77
Int:7(+70)+38
Min:7(+70)
Dex:7(+70)
Agi:7(+70)−23
Luk:7(+70)
Skill:
【剣術】
強撃0:13/50
連撃0:11/50
飛斬0:13/50
【投擲】
武器0:0/50
防具0:0/50
道具0:0/50
【鎧術】
鉄壁Ⅶ:Complete/350
重化Ⅶ:Complete/350
行軍Ⅱ:125/150↑30
【盾術】
城壁0:0/50
挑発Ⅶ:Complete/350
盾撃Ⅶ:Complete/350
【弓術】
鷹眼0:0/50
強弓0:0/50
矢雨0:0/50
【歩行】
隠密Ⅱ:80/150
縮地Ⅱ:80/150
空歩Ⅱ:80/150
【魔法】
単体0:0/50
範囲0:0/50
異常0:0/50
【魔力】
変換0:0/50
譲渡0:0/50
減少0:0/50
【回復】
単体0:0/50
範囲0:0/50
異常0:0/50
【結界】
物理0:0/50
魔法0:0/50
治癒0:0/50
【強化】
攻撃0:0/50
魔法0:0/50
付与0:0/50
【弱化】
防御0:0/50
耐性0:0/50
速度0:0/50
【武器】
精製0:0/50
制作0:0/50
強化0:0/50
鑑定0:0/50
解体0:0/50
修復0:0/50
【防具】
精製0:0/50
制作0:0/50
強化0:0/50
鑑定0:0/50
解体0:0/50
修復0:0/50
【道具】
精製0:0/50
制作0:0/50
強化0:0/50
鑑定0:0/50
解体0:0/50
修復0:0/50
【地図】
把握Ⅲ:102/200↑30
拠点0:2/50↑1
転移0:0/50
【索敵】
鑑定Ⅱ:50/150
体力Ⅱ:50/150
魔力Ⅱ:50/150
Equip:
【Weapon】
Main:鉄の剣(Str+50%)
Sab:銅の指輪(Int+50%)
【Armor】
Body:鉄の半鎧(Vit+50%、重量5)
Shield:皮の小盾(Vit+50%、重量5)
Title:
英雄の中の英雄
(成長速度倍化)
転生神の加護
(ステータス+1000%)
Money:914,600w↓300
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