表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/61

リリアーナ、風邪をひく1

11月14日にビーズログ文庫様より『小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される2』が発売されます。

そして『小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される1』の重版。

これも皆様のお陰です。

ありがとうございます(*^^*)

感謝の気持ちを込めて、SSアップさせて頂きます。

「リリアーナ、大丈夫か?」

 心配そうにベッドに横になるリリアーナの顔を覗き込むように見ているのは、婚約者でありザヴァンニ王国第一王子のウィリアム。

 今朝リリアーナを起こしに来た侍女のモリーが、リリアーナの熱で赤くなった顔に気付き直ぐに医師を呼んで診てもらったのだが。

 結果は風邪とのことだったが、リリアーナは学園の授業と王太子妃教育で毎日忙しく、疲れも溜まっていたのだろうとのことだった。

 その結果は当然ウィリアムの元に届き、慌てて飛ぶようにしてリリアーナの寝室にやって来たのである。

「風邪で熱が出ているだけなので、数日休んでいれば大丈夫だと医師(エマ先生)が……? あの、か、顔が近いです。ウィリアム様? か、風邪がうつっては大変ですから!」

 熱と聞いて、なぜかウィリアムがリリアーナの額に自らの額を寄せて熱を測ろうとしていたのだ。

(なぜ普通に手で測らないんですの!?)

 リリアーナの熱で赤くなった顔が、更に恥ずかしさでこれ以上ないほどに赤くなっている。

 側に控えるモリーが一瞬呆れたような顔をするが、直ぐに元に戻すと

「エマ医師より数日は安静にしているようにとのことですので、申し訳ございませんが……」

 と言いつつウィリアムの退室を(うなが)す。

「そうだな、ゆっくり休ませてやってくれ」

 モリーにそう告げるとウィリアムは視線を再度リリアーナへと戻し、今度は額に唇を寄せ、リリアーナの頭を撫で、後ろ髪をひかれまくった感じで何度も振り返りながら部屋を出ていった。

 パタンと音がして扉が閉まると、モリーが顔を真っ赤にして固まっているリリアーナに小さく呟く。

「さり気なくデコチューしていきましたね」

 その言葉にリリアーナの止まっていた思考が動き出す。

「ほぁぁぁぁああっ!!」

 リリアーナはあまりの恥ずかしさに顔を両手で覆い、ベッドの中でゴロゴロと暴れる。

「病人なんだから、安静になさってください!!」

 腰に手をあてて怒るモリーに思わず「はいっ!」と返事を返して、大人しくなった。


◇◇◇


「ん……」

 いつの間にか眠っていたようで、己の額に手をあてると若干だが熱は下がっているようだった。

 ホッと一息ついて、喉がかわいていることに気付く。

 人の気配にモリーだろうと声を掛ける。

「モリー? 喉がかわいたの。果実水がのみたいわ……」

 リリアーナは風邪などの病気で寝込んだ回数はそう多くはないが、こういう時はやはり気が弱くなるのか、本人も気付いてないようだが必ず甘えるように水ではなく果実水を頼むのだ。

 まだ少し怠い体を起こして視線を横へ向けると、そこには果実水を手にしたモリーではなく。

 なぜか果実水を手にしたウィリアムがいた。

『小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される』のコミカライズ企画進行中です。

さり気なくアピール⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ