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【書籍化&コミカライズ】小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される  作者: 翡翠
第四章 リリアーナ、王子様を意識する
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8

「リリアーナでなければ駄目なんだ」



この台詞セリフは物凄い破壊力ですわね。

後ろから抱き締められて、耳元でこんな台詞を言われて、落ちない方っておりますの?

しかも相手はあの、女性に冷たいとされる『氷の王子様』ですもの。

こんな特別扱いされて、嬉しくない訳がない。

けれども素直にそれを認めるのも、簡単に許してしまうのもやっぱり悔しいので、直ぐには信用なんてしてあげないんだから。



「……本当に私だけなんですの?他の方にも言っていたりしませんの?」


「リリアーナだけだ。他には絶対に言ったりしない」


「私の目を見て、同じ事が言えますか?」


「言える」



ウィリアムは抱き締めている腕を解き、ゆっくりとリリアーナの前に立つ。

そしておもむろひざまずき、リリアーナの手を取り



「私にはリリアーナだけだ。リリアーナでなければ駄目なんだ。

これからもずっと、私の隣で笑っていて欲しい」



リリアーナの手の甲にキスを落とした。

ちょっと拗ねて色々ごねていただけだったのに、これはまさかのプロポーズ⁈

正式な婚約は交わしていたけれど、彼の口からハッキリとした言葉をもらったのは、初めての事だった。



「ねえ、リリアーナ?君は私を選んではくれないのかい?」



驚きすぎて返事を返していないリリアーナに、今度はウィリアムが拗ねた様に聞いてくる。

答えなど決まってはいるが、つい先程拗ねて直ぐには認めるものかと思っていたリリアーナの目は、泳ぎまくっている。



「リリ?」



ああ、もう。

認めればいいのでしょう?

直ぐに認めてしまうのはちょっと悔しいですけれど、きっと目の前の彼は喜んでくれるでしょうから。

滅多に笑わない彼が私の言葉で喜んで笑ってくれるのなら、いくらでも返事しますわ。



「あなたの隣は私だけの特別席ですわ。他の方が座るのは認めませんが、よろしくて?」



若干素直じゃないかもしれませんけれど、これが私ですもの。

ウィリアムは嬉しそうに微笑むと



「構わない」



と言って、リリアーナを抱き締めた。

リリアーナはそっと、ウィリアムの背中に手を回すのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] えんだあぁあーーー [一言] 砂糖で口のなかジャリジャリする。
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