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【書籍化&コミカライズ】小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される  作者: 翡翠
第一章 王子様の婚約者にされました
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3

 父からの了承も得られた為、パーティーでは王宮の壁と同化する様な色合いの地味目なドレスを選び、宝石も上品な派手過ぎない物を選んでいく。

 王宮でのパーティーなので、地味過ぎてもダメなのだ。

 この国には王子様が三人おられ、第二王子オースティン様(20)には既に婚約者がいらっしゃるので、今度のパーティーは第一王子ウィリアム様(23)か第三王子ホセ様(17)のお相手探しなのだろう。

 この王子様達は、とにかく見た目が極上で御令嬢達からの人気がすこぶる高い。

 ウィリアム殿下は近衛騎士団副団長という地位を実力で手に入れられた方で、その実力は折り紙付きではあるが、笑った顔を見たことが無いと言われる程に、常に仏頂面をされている為に『氷の王子様』等と呼ばれている。

 オースティン殿下はウィリアム殿下の真逆をいく様に、常に笑顔を絶やさぬ方で『微笑みの王子様』という微妙な呼ばれ方をしている。

 因みに婚約者は深窓の令嬢と言うに相応(ふさわ)しい侯爵令嬢である。

 ホセ殿下は上の二人と違ってとても可愛らしい容姿をされており、『天使様』と呼ばれている。

 本人は可愛らしい容姿にコンプレックスを持っている様なので、この呼ばれ方はとても屈辱的であろう。

ウィリアム殿下かホセ殿下の婚約者の座を狙う御令嬢達はとても多い。

 きっと当日は目がチカチカする程に着飾った御令嬢達が集うのだろう。

 リリアーナは面倒だと言わんばかりに『私は王子様を狙ってはおりません』アピールを前面に出しているであろう地味目のドレスと宝石を見て、満足そうに頷いた。


「当日のメイクは薄めでお願いね」


 当然の様にそう言うリリアーナに、侍女であるモリーは呆れた様に笑う。


「王宮のパーティーに地味にしてだなんて、そんな事言われるのはお嬢様くらいですよ。逆に目立つんじゃないですかねぇ?」

「ううん、目立ったらダメなのよ。とにかく空気になりたいの。パーティーの間は壁と同化出来る様に、わざわざ王宮の壁と同色のドレスを選んだのだから。あ、コルセットは不要よ? 王宮のパーティーならきっと美味しいものが沢山ある筈だもの。王子()より団子だわ」

「お嬢様、王宮のパーティーでお腹一杯食べるだなんて事はくれぐれも(・・・・・)なさらないで下さいませ」

「……はい」


 侍女のモリー(17)はヴィリアーズ家メイド頭の娘であり、リリアーナとは姉妹同然に育った為、遠慮も容赦もない。

 そんなモリーに頭が上がらないリリアーナである。

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