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【書籍化&コミカライズ】小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される  作者: 翡翠
第三章 リリアーナ、王子様に警戒中
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8

ダニエル目線です

ある日のこと。

氷の王子ことウィリアム殿下がいきなり突拍子も無いことを口にした。



「リリアーナに髪紐の礼をしようと思うのだが、何を選べば良いのか分からぬ。

ダニー、何か良い案は無いか?」



仕事の手を止めて真剣な顔で聞いてくるから、一体何かと思えば。



「お礼を思い付いたのはウィルにしちゃ上出来だけどな?そんな事より今は仕事しろ」


「仕事はしているだろう」



何か最近このパターン多いな。

まあ、確かに手は動いているけどな。

それより今この部屋にいるのは俺だけじゃないからな?全部聞かれているぞ?

みんな氷の王子様が女のプレゼントで悩んでいるなんて聞いて、固まってるじゃないか。

……これ後で近衛の連中の間で、嵐か天変地異かって大騒ぎになるぞ。

全く、この王子様は両極端過ぎなんだよ。



仕方ないと心の中で溜息をつき、優しい幼馴染の俺がアドバイスをしてやろうと口を開きかけた時。

近衛騎士団一の問題児にして女好き、別名エロテロリストと呼ばれる男がいつの間にかやって来た。

こいつを巡って女が争うなんてのは日常茶飯事。

剣の腕は確かなんだがなぁ、それ以外がとても残念な奴だ。

そいつが余計な事を言いやがった。




「それなら彼女が行きたい店に連れて行って、気に入った物をプレゼントさせて欲しいとでも言えばいいんじゃねえの?

デートも出来て一石二鳥だろ?」



おい、ちょっと待て、そこの恋愛初心者。

何目をキラキラさせてんだよ。

お前警戒されてんだから、二人で出掛けるなんてまだ無理に決まってるだろ?

そしてそこのエロテロリストも、ウィリアム(このバカ)に余計な事吹き込んでんじゃねえぞ。



「採用……」


「するな!」



全く、何採用しようとしてやがる。

イラッとしたのでエロテロリストには面倒な仕事をたっっぷりと振ってやった。

ブツブツ文句を言っていたが、女口説く暇があれば働きやがれ!

俺なんて女の子に出会う場所も時間も無いというのに。チクショウ!

そして目の前のお前だ、お前。

攻めすぎて警戒されたの忘れたのか?少しは学習しろよ!

まずは彼女の警戒心を解くのが先だからな。

あれだけ釘刺したっていうのに。

まったく、しょうがないヤツだよな。



とりあえず髪紐のお礼は先送りにして、近いうちこの幼馴染み(ウィリアム)の為に、リリアーナ嬢を誘う理由付けのお菓子でも仕入れてくるか。

……本当、俺ってウィリアム(こいつ)に相当甘いよなぁ。

だからって訳じゃ無いけど、もう少し俺の扱いを丁寧にしてくれてもいいと思うんだが。

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