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あなたがあなただったから。  作者: 小鹿志乃
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第一話 私達の始まり

ごく普通の子持ち主婦二人が日常の中で感じた寂しさや不満をお互いの存在で補い合い気づけば特別な存在になっていた。

今まで女性を好きになった事のない二人が引かれ合う恋物語。

何でこんな事になったのか。

後から考えて大変よろしくない。

何がって、私は結婚してるし子供も二人いる33歳。

不倫?なのかな?不倫か。

それって相手が同じく結婚してて子供も二人いる.....同性でもそう言うのだろうか?



彼女とは市の子供向けイベントで出会い、お互い子育てサークルみたいなのは苦手だし、所謂ママ友作りも苦手、子供の為にと数回通った子育て支援イベントで子供同士が仲良くなり、何度か顔を合わせ。

なんとなく気が合いそうだったから、どちらからともなく連絡先交換。


その後お互いに旦那が仕事人間で休日もワンオペ育児って事で誘い合い、やれ動物園だやれ水族館だ公園だと遊びに行き、話してみると共感出来る事も多くどんどんと仲は深まった。


それでついに昨日は旦那が出張でいないから私の家に子供達連れて泊まりに来た。

もちろん私が誘ったのだけど、純粋に泊まりなら時間気にせず話せるし、子供達も喜ぶし。子供が寝たら宅飲みしよー!って思っていただけ。

…なんだけど。



酔った勢いもあってか、彼女はポツリポツリと悩みを言い出した。

それは子育てとか旦那とかそんな事だったのだけれど、その気持ちはよく分かって、

「分かるよ同じだよ」と言いながらお酒を飲んでいた。

その時彼女はポロッと泣いた。

その顔があんまりにも綺麗で可愛くて………。

私も酔っていたし…


お風呂あがりでスッピンの彼女の白い頬は少しピンクになってて、華奢な彼女の細くて柔らかそうなまつ毛を涙が濡らした。

私はその横顔を

―あぁ可愛なぁ、触りたいな。

と思いながら彼女の頬を涙が伝って行くのを見ていて


……気がついたら彼女の、顔がすごく近くに、あって。

あ。

手出しちゃった。

て自分でも思った瞬間キスしてた。


彼女の顔は一瞬大きく目を開いて

「???!」

て顔してたけど、そのままゆっくりお互いまた顔が近づいていった。


柔らかくあったかくて初めて触れるのに落ち着く。

どこかでずっと探してたような待ってたような感覚。



今まで女の人を好きになった事なんてない。

結婚してるし子供もいる。

なのに、なんで。

なんでなんだろう?

彼女に対しての「好き」はどうして急に変わったのかな?


そして彼女も何で受け入れてくれたんだろ?


私達は子供達とは別の部屋で二人で寝た。

ただキスをして抱き合って欠けていた所にピッタリとハマったように、心地よかった。



そして今。

隣で彼女は、スースーと寝ていてとても可愛い。

彼女は私より背が高いけど、とても華奢で色が白くて顔が小さく優しい目をしてる。

頑張り屋さんで家事も育児も素敵に、こなしているけれどとても弱い部分もある人だ。


ぼーっと彼女の寝顔を眺めていた、もしかして、昨夜の事は覚えてないかな?

そんな若い子みたいな考えを巡らせていると布団に座っている私のパジャマの裾が引っ張られた。


「…おはよう」

彼女は寝たまま私のパジャマの端っこをひっぱり寝起きの声で言った。

「お、はよう。寝れた?朝ごはん支度しないと子供達もう起きてくるね!」

「うん。私パン買って来てるからそれ出そう?」

「ありがとう」


いつも通り話せてるけど、今までと違って彼女がとても愛しく見えてしまって、私は焦って布団から出て台所へ向かった。


―どうしよう、酔った勢いとかでは済まない感じ。


「ママーー!」

その時寝室から子供達が元気よくかけて来た。

「おはよーー!」

「はい、おはよー!ご飯作るからまっててね、目玉焼きとスクランブルエッグどっちがいい?」

「んー、スクランブル!」

「私も!」

「ぼくもー!」

「もー!」


子供達は私と彼女で二人づつ、上が5歳同士の女の子。下が3歳同士の男の子だ。


出会った時はお互い上の子だけで、2歳同士だったのに、早いものだ。

最近では子供達だけで遊んでてくれるようになったので、私達はゆっくり話せる機会が増えた。


「じゃあパンとスクランブルとソーセージと…リンゴがあった!」

「りんご食べるーーー!」

「はいはい、待っててね。」


「手伝うよ」

彼女はさっと隣に来た。

何でもなかったみたいに。

やっぱり覚えてないのかな?












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