訓練
短いし毎日投稿の約束守れてないし
すみません
翌日。
僕は外に出ていた。
今日は実戦訓練である。昨日偶然にも浮くことができたのは嬉しい誤算であった。魔法陣を使わずに、魔力の勢いだけで浮けるとは考えもしなかった。
偶然でも前進はした。あとはこのやり方を如何に使いこなせるかだ。
昨日作った手袋をはめ、靴下をはいて靴を履いた。一応靴を履いても魔法を発動しても、靴に影響がないことは昨日確認済みだ。
そして新たに魔法陣を書いた服。前と後ろに全ての基礎魔法を重ねた大きな魔法陣。今回はこれも着る。何せ空を飛ぶ実験だ。空中で何か起こってからじゃ遅い。
まずは昨日と同じ要領で飛んでみる。安定、魔力量も減った気配がない。大丈夫だ。そこから思い切り出力を上げてみる。
ドン、という衝撃が顔にかかる。上をめがけて勢いよく飛んでしまったため、上を向いていた顔が辛い。目も開けられないし首も痛いしでさっさと首を引いてしまった。ついでに出力を緩める。ちょうど下りも上がりもしない具合に調整。今後はこの調整を一瞬でできるようにしたい。
眼下に広がるのは広大な大地。人も建物も町も全てが小さくなってしまった。心なしか寒い気がする。これで見えてきた。
必要なものは寒さ対策、そして体の保護。寒さは火魔法の魔法陣でいいだろう、どこかに書いて加熱の応用で使用すれば良い。問題は風圧からの体の保護だ。風魔法でなんとかできるだろうか?体に沿って防御するのはめんどくさそうなので、とりあえず円球に保護すれば良いだろうか?
風圧によりスピードを出さないため、今日は、魔力放出の切り替えの練習だけをして終わった。
また翌日。
今日は昨日の課題の消化だ。対策してきたことがまだでないことを願う。
まずは勢いよく飛んでみる。服に書いた2つの魔法陣に魔力を通した。火と風。これにより空気の防御壁が形成、防御壁の中の空気が温まる。
昨日と同じ高度に到着、対策は正解だったようだ。飛行中目も開けられていたし、寒くもない。
今度はy軸移動だ。つまり体を地面と平行にしての飛行。これができればどこにでも飛んでいける。
体を傾ける。
「うお!?」
足の裏と手の平からしか射出してなかったので、体を前に倒したらバランスが取れなくなるのは自明の理だろう。僕はバランスを崩して急降下した。
「待て待て待て待て!!」
体がぐるぐる回りながら落ちていく。飛ぼうとするがうまくいかない。これなら体全体にびっしりと魔法陣を書き込んでおけばよかった……。
死ぬ……。
……。
……?
……いや、魔力の射出に魔法陣は使わない!飛べるはずだ。だいぶ回転で酔った頭をフル回転させて考える。
体全体からの魔力放出。全方位に向けて射出するかで一瞬体を空間に固定させる。できなければ死ぬだけだ。やれ!僕は思いっきり体を広げて魔力を放出した。
「ずああああ!!」
ビダッ!!!
体が大の字のまま固定。成功。どうやら死なずに済んだようだ。
「はあ……!はあ……!はぁ……あっぶねぇ」
ゆっくりと高度を落とす。
大変な目にあったが、まあ今後は空を飛ぶ練習は低高度でやれば良いだけの話だ。
こうしてトライアルアンドエラーを繰り返した結果、2週間後には僕は自由に空を飛べるようになった。