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皇帝の従える妻は元男の子?!  作者: アリス・world
第二章
39/49

なもなき一輪の華は感情を知りたがる

10月は忙しくちびちびと更新出来る時にしますね!

リアルの方でちょっと厄介事があってしまい数日おきの更新になってしまうかもしれません申し訳ないです……。

11月になったら毎日更新出来ればとは思うのですが、マイナーかな?と思っていた小説もそれなりに見て頂けているみたいでまた当分はボチボチ頑張れそうです。

借り物競争らしき競技を無事に終えた杏月は照之と共にアリシアが待つ休憩する広場に向かった、芝生が生えシートを敷き生徒達は寛ぐ。


近くに行くとアリシア、紗霧、愛里菜が座って仲良く雑談していた、周りには取り巻きが付いて口説いていると3人とも冷たくあしらっていた。


ひと段落ついてる3人を他所目に照之はズカズカと近付き話す。






 「相変わらずモテモテだなお前達は……」


 「別に嬉しくないのですわ!それなら杏月が擦り寄って来てくれた方が何百倍も嬉しいのだけれど」


 「ご執心なのもよく分かるが、とりあえず杏月を連れて来たぞ?」


そう聞くとアリシアは嬉しそうに言う。






 「ご苦労様ですわね、杏月ったら直ぐに迷うから照之さんが連れて来てくれましたから安心しましたわ!」


 「そりゃーどーも。じゃあ、とりあえず俺は霧崎と何か食い物買って来るからお前達も回って来るといいぞ?(のち)ほど、ここで集合でいいか?」


 「そうね、それがいいわね」


そう言うと杏月はアリシア達と回り、照之は霧崎と仲の良い友人と5人程で向かって行った。


アリシア達と回る杏月、色々な出し物のようなイベントを横目に屋台や本格野外フェスを見つめる。


どれもこれも美味しそうでついつい涎を垂らしてしまうとアリシアがハンカチを取り出し杏月のだらしない口元にハンカチを添える、微笑ましい光景に普段は見れないアリシアの一面にその場に居合わせた者達は絶句し直ぐに魅了されてしまう。


普段は似つかわしくない3人組が照之の付き人の杏月の存在を疑問視する輩は多く存在する、どれも有名な令嬢、中でも優位に立つ人間の事はそれなりに皆一同に把握はしている。


もちろん、好意的な視線もあれば不快な視線を送る者もいる、杏月を手玉に取ろうとする輩もいるとかいないとか……視線を集めるも杏月の素直な笑に大体の者は即落ちである。


微笑み、美味しそうに屋台の料理を頬張る姿は皆の視線を暖かな見守るような眼差しに変えてしまう杏月。


そんな光景にも慣れてきた3人も食べ歩きしながら進む。






 「どれ回りますの??」


 「んー、どれがいいんでしょうか?特に嫌いな物はないのでとりあえず回って決めましょうよ!!」


 「それがいいかも?私は明日の午前中だから今日はゆっくりできる」


 「私とアリシアさんは午後だったよね?それまで楽しく回って食おうぜぇ??」


 「うん、いいわね。午後の2時まで楽しみましょうね、杏月」


アリシアは杏月に小さく笑みを浮かべる、学園では余り笑わないアリシアも杏月達の前では楽しそうに微笑む、以前までは鋼鉄の如き薔薇と恐れられていたアリシア。


普段は笑みも浮かべず淡々と全て熟し、人が話しかけてもぶっきらぼうな言い草にツンが来れば普通はデレも有る筈と普通は思う。


だが、アリシアはツンとツンな人だと今までは思っていた生徒達、それも今は覆され楽しそうに笑うもそれは特別な人だけに見せる笑顔と悟る。


4人は高級レストランの野外フェスに入る、外での食事もまた一興。


幸い天候にも恵まれ晴天の中食べる食事は格別に違いない、様々な食べ物があるので一口サイズや小ぶりで食べ物が盛り付けられているお陰か、多くの女子生徒も周りを気にせず食べ歩きが出来ると好評だとか。


4人は今、海鮮エリアの野外レストランで最高級の海の幸の料理を堪能していた。















ーーーーーーーーーーー


藍那side




私は如月(きさらぎ) 藍那(あいな)、今年で3年生になるにも関わらず今でも心残りが一つある。



それは自分の感情について、幼い時から患っていた失感情病……アレキシサイミア。



今はこうして愛想良く笑えるけど幼い時はそれなりに苦労した、感情の欠落で同い年の子が喜びを分かち合おうとしてくれたのに私は一切分かち合えなかった、気付いた時は幼少期の真ん中辺りだったと思う。



幼かった私は無感情をどうしたら治せるか最初は頑張った、でも直ぐに諦めるしかない出来事があった。



それは、虐め……だがその結論に結びつくのは簡単だった、感情が分からない人とは仲良く出来ないと直ぐに存在否定されハブられる、幼い子程グループを作りたがる。



私は感情が他の人より貧しい、ただそれだけで幼少時代は良い人生とは程遠かった、今でもたまに思ってしまう……なんで産まれて来たんだろうと悩む日々。



そんな中、学園で有名な神乃家の次男が入ったというじゃない、直ぐに私も少し話したら私の悩みを直ぐに見破ってしまった、彼の洞察力に私はなんとか楽観的に捉え凄いのだろうと思った。



私の家系に昔いた花魁のトップがいたとか、その人も私と同じ持ち病みたいのを持っていたらしい、だから私の家柄ではその持ち病の人間には一族からは負の遺産として忌まわしき子として落胤(らくいん)を押された私。



だけど不思議な事に9月の初め頃、風の噂で耳にする事があった、それはあの彼の付き人と言う人物らしく物凄い幼く可愛いとか……私も何の気まぐれなのかふと目にする時があった。



幼いながらも美しく凛とした表情の噂の彼女、一目、目にした途端だった……初めて可愛いと思った、今まで可愛い物を幾ら見ても何にも感じなかった感情が少し色づいた、そんな感覚に陥った。



それから今日の運動会で私は彼女を見つめていると目が合った、困り顔をして悩んでる姿はとても愛らしく可愛らしかった、気付いた時には口元が歪んでしまった。



私と目が合うと直ぐに目を逸らし考える、そんな大した素振りでもないことは分かる……でも私にとっては初めての気持ち、感情を教えてくれた人、だから話してみたい……この手で触れてみたとそう思った。



ころころ変わる表情はみなを魅了させる、そんな彼女を見かける度、私は陰ながら見守った。














ーーーーーーーーーーー



杏月はアリシア達と様々な料理を口にしていた、少量の事もあり難なく食せた。


最上級の海の幸、最上級の霜降り肉、山菜や麺類に様々な料理が準備されていた、一通り出し物やイベントを観たりしているとあっという間の午後2時に迫っていた。


アリシアと愛里菜は準備しに行くと杏月も射撃競技が何なのか見てみたいと思い沙霧と一緒に雛壇の方で見てみる。






 「ふぅ……。美味しかったですね、沙霧様」


満足げに言う杏月に沙霧もぴっとりと座り頷いた。






 「うん、とっても美味しかった。それにしても杏月ちゃんは相変わらずスィーツ好きだね……??」


 「はい!だって美味しんですもん、それに沙霧様も美味しそうに食べていましたよ??」


嬉しそうに杏月は笑顔で言うと少し照れてしまう沙霧はくっついたまま静かにくっつき虫になっていた、まったりとしていると沙霧のスマートフォンが鳴り電話しに静かな方に向かって行く。


美味しい物を食べてぽわぽわしている杏月、緩み切って隙があり過ぎる雰囲気に周囲の男衆はもちろんチラホラいた女子生徒も杏月を観察していた。


少しすると見覚えのある人が杏月の隣に座る、それは開会式に3年生の候補者で出ていた人物だった、1人になるタイミングを見計らっていた藍那。






 「失礼致します」


 「あ、はい……??えっ!?」


藍那が座ると杏月はびっくりした、ステージに立っていた清楚なのに不思議な大人の雰囲気、セクシーな流し目は杏月すらも超えてしまうのではないかと思える熱い眼差し。


杏月はぼーっとしたりするとよくなる現象だが、藍那は自身の意のまま視線を送る事が出来る、それは正に花魁の方ですか??と思ってしまう程の可憐な一輪の華、落ち着いた風格や威厳のある表情は杏月の前には惜しくも崩れる。






 「えーっと……ど、どうしましたか??」


杏月は首を傾げて尋ねると藍那は嬉しそうに言う。






 「あなたが噂の子ね?とっても可愛いでありんす……。い……いえ、ちょっと感謝したくて、それに実際に会って話してみたくてね」


申し訳なさそうに藍那はそう言う。






 「ありんすぅ……??で……ですが、私何かしましたでしょうか??」


 「ええ、急なのも分かっています。私こう見えて感情が欠落しているんです」


 「は、はぁ……唐突ですね、でも尚更解りません。3年生である先輩に、どうしたら1年生の私が結びついたのでしょうか??」


杏月は理解できずチンプンカンプンでいると藍那は順に説明していく。






 「もちろん、それは今、説明致します!私はね、実は……産まれた時から感情が欠落してなかったの、最近もそう……昔から悩んでいた事なんです。でも最近、急に転入して来たあなたを見て今まで感じたことのない気持ちになったの。もちろん一瞬でしたけどとっても嬉しかったんです」


藍那は杏月の手を握ってそう訴える、そのきっかけをくれたのが杏月だっただけかもしれない、だが杏月の優しい微笑みについ感謝をしたくなってしまう不思議な衝動。






 「急に声を掛けてしまいましたが、ホントに生きているのが辛かったんです……。その少しの希望でも私に見出してくれたあなたには感謝したかったの」


杏月に想いを伝えると杏月は向日葵のような温かみのある優しい微笑みを浮かべ言う。






 「なんで私なのかは分かりませんが、私なんかで先輩のお悩みが解決できたのなら誇らしく?思うます。だから悩んでしまった時は私で良ければ話などお聞き致しますよ!!」


 「っ……?!」


杏月のその優しさに藍那は初めて涙した、今まで自分になかった感情が噴水の如く吹き、湧き水の様に湧き出る感情、感謝では言い表せない気持ち……諦めていた自分の欠落していた感情に少しだが色づき始めた藍那。


なんとも言えない気持ちにさせられた藍那、まるでモノクロだった無の世界に様々な色で溢れ出る、藍那は杏月を公衆の面前の中、気にも留めず抱き締めていた。


杏月も突然の事で戸惑っているも甘えてくる藍那の頭を撫で諭す。






 「よしよし、先輩も大変だったんですね……。感情が分からないというのは私なんかは言われても多分解りません、経験した人にしかわからない気持ちも多いと思います。ゆっくりでいいと思いますよ!!それに今は競技を観ながらまったりしましょうよ!ね?先輩!!」


杏月は微笑み訴えると藍那も素直に頷き杏月の隣に座った。


少しして沙霧が電話から帰ってくると不満げな面持ちで杏月に近付く。






 「杏月ちゃん、浮気はダメ……」


沙霧はそうに言うと杏月の隣にぴっとりと寄り添うようにくっついて座る。






 「でも、何で3年生の藍那先輩がいるの??また不思議……。」


沙霧は不思議そうに窺っていると藍那は言う。






 「突然で申し訳ございません、ですが私は杏月ちゃんに救われた身……形はどうあれ感謝を伝えたいと思うのは自然な事です」


藍那の言葉に沙霧は考え、沈黙する、少し間を持つと納得したように頷き口を開く。






 「そっか、杏月ちゃんだもんね……納得」


 「ええ、あなた達が羨ましくて妬けてしまいますね」


 「ふふーん、いいでしょー。でも先輩でも譲れません」


 「ゾッコンなんですね……その気持ち分かります」


 「先輩とはいい紅茶が飲めそう」


 「そうね、色々彼女の事……その、聞かせてもらいたいわね」


杏月は思った、目の前で何故か2人で会話して熱い握手が交わされる事に……。


杏月は何故自分自身の話でここまで盛り上がるのか謎でしかない奇妙な光景、杏月は呆れて照之やアリシアと愛里菜の射撃競技を眺めていた。


3人共、射撃の腕は凄いらしく競技専用の拳銃とライフル銃で的を的確に当てる、照之とアリシアは長距離精密射撃を行っていた。


的も小さくその的の中心付近を軽々と当ててしまう2人、どこの狙撃手ですか??と疑問に思ってしまう精密度に度肝する杏月だがその微笑ましい様子を左右にいる沙霧と藍那は静に見守って杏月の体温を自身の肌に感じていた。


愛里菜は至近距離からの拳銃での早打ち、的確に配置されている的を素早く打って競う競技。


どれも特殊な拳銃で行われている為合法とかなんとか。


それぞれ不思議なイベントにネーム負けしている運動会もどきを開催してる学園に心の底から呆れ果てる杏月であった。

「杏月が可愛い!!」

「杏月の可愛い姿がもっとみたい!」



と思った方は是非評価をお願いします。

ブックマーク48件行きました!嬉しいです!!

マイナー過ぎるハチャメチャ作品を見て頂き、ありがとうございます。

是非評価、ブックマーク、して頂けたら嬉しいです、是非よろしくお願いします。

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