告白にヤキモチを抱く皇帝陛下様
放課後、裏庭にあるアーチ型に巻き付く花が綺麗に色ずく、花が咲く生け垣が周囲に4人程歩ける隙間を開けて迷路のように入り組んでいた。
花が綺麗に巻き付くアーチの下に杏月は呼び出されていた、その理由は簡単である。
杏月の美しさに引かれ告白しようとした生徒は本人の目の前で口頭で伝えられ照之に相談したら大丈夫とのことでとりあえず沙霧と一緒に来ていた、沙霧は着くなり生け垣に身を潜め行く末を見守る。
「わざわざ来て頂き、感謝します杏月さん。この学園に来たてなのは重々承知なのですが、一目見た時から惚れてしまいました!!是非私の彼女になって欲しいのです」
呼び出した隣のクラスの男子生徒、緊張の面持ちで只今凛とした真面目な表情で男子生徒に視線を捉えていた、微風が艶やかな杏月の黒髪を靡かせる。
その美しさに先程の男子生徒も魅ぼれてしまう程の出で立ちに更に男子生徒の心を鷲掴みにする。
「お気持ちは嬉しいです……。ですが私はもう心に決めた御方がいらっしゃいますので、このお話は承諾出来かねます……。」
「な……何故ですか?!そのお相手とはどのような方なのでしょうか??」
男子生徒は納得出来ない様子に杏月は静かにありのまま答えを返す。
「私は元々貧乏な身でした、そして親も最悪で私は人身売買された時、助けて頂いた方がいるんです。その御方は照之様です……あの方に救われた時から身も心も全てはあの方に捧げる覚悟でいた身です。それにあなたは富豪の方々じゃないですか!私なんかを好きにならずとも周りにはとても可愛い方がいらっしゃいます」
杏月は微笑みながら言うと男子生徒は最初の方に引っかがり思わず杏月を同情しかねていた。
「なら私があなたを守ろうではないか!!約束する、そんな家族から守ってもみせる……どの女性よりも私はあなたに惚れてしまったのです。この罪な心をお許しください」
男子生徒は真剣な眼差しでその場に膝を折り傅く、王子のポーズを取り最大の敬愛を表現すると杏月は静かに首を横に振る。
「お気持ちは嬉しいです、私など忘れてしまう程の方が現れます。きっと……だから私の事は忘れてくださいませ」
杏月は静かに男子生徒の頭を撫で諭すように言う、杏月は手を小さく振りその場を去る。
男子生徒は余りの妖艶な出で立ちに見惚れその場に銅像の如く草木が根が生えた様にその場に鎮座し杏月を去る後ろ姿を見つめるのであった。
生け垣の出口に出るとぴょこんと沙霧がこそりと杏月の横に現れた。
「杏月ちゃん、人気者。でも、あんなの誰でも惚れちゃう……。」
「えぇ……?!駄目だったでしょうか?告白の返事とかよく分からなくて……」
「それにあの場面で杏月ちゃんが頭を撫でるのは必殺技を決めてKOするのと一緒だよ?」
沙霧は小さく首を傾げ言うと、杏月はむむむっと考える。
可愛い……私ものこの子なら同性関係なく好きになる。運命すら感じる……。
考え込む杏月に熱い眼差しを沙霧は送っていた、同性なのにこのトキメキに疑問に思うも杏月だからと何となく納得する沙霧。
照之が待つ表玄関の外のベンチに向かう杏月と沙霧、仲良く腕を組み沙霧は杏月に甘えていると周りの男衆の視線が気になる程集めていた。
杏月は書類を片手に眺めている照之の前に着くと杏月は口を開く。
「お待たせ致しました、申し訳ございません。照之様」
「よいよい、気にするな。誰でもお主の美貌に惚れない訳もないさ……早速告白とは流石だな、杏月」
頭を下げようとすると照之はそれを阻止する、直ぐに書類をフォルダにしまうと苦笑いを浮かべながら言うと杏月は「そんな事ないですよ」と言いながらバタバタ両手で否定していた。
「杏月ちゃん凄かったよ照之君。あんなの断り方は逆に誰だって惚れちゃうと思う」
「ふぁっ!?な、なんだと……。どんな断り方を入れていた?!ま、まあ……断ってくれるとは思っていたが何故そうなった、はぁ……。」
「私も……杏月ちゃん好きかも」
「えっ…………!?」
「特別な意味で……。」
沙霧の杏月に聞こえないように耳打ちしながら爆弾発言に照之は思考が停止する、アリシアと同様に杏月に惚れまた同性が好きになったのか?!と思うと恐ろしく感じる照之。
耳打ちで報告した沙霧はペロッと悪戯な笑顔を浮かべて言うものだから照之はまたか……とやれやれと思いながらのほほんとしてる杏月を目に留める。
ふわふわしてボーッとしている杏月の姿、こうボーッとしてる時の不思議な雰囲気を醸し出している杏月に照之は早速妬けてしまうも言う。
「杏月、多分またこうゆうのが頻繁にあると思うが、一応1人ではなく沙霧か愛里菜を常にどちらかを連れて行くようにしてくれ」
「ん??は、はい……?分かりました!!」
杏月は首を傾げながら言うと照之は分かってない感じの杏月に分かりやすく説明する。
「1人だとなにか起きた時対処が遅れてしまう、以前の問題事を再発しない為にだ!!少しは自身の美貌をちっとは気にして欲しいものだな!!」
照之は呆れもせぬ杏月の姿に苦笑いを零し頭を撫でる。
「さぁ、帰ろうか。杏月」
「はい!!帰りましょう。照之様」
「休みの日は杏月ちゃんの屋敷に遊びに行くね」
照之はそう促し帰ろうとすると沙霧は杏月にとてとてと、くっつくと杏月は言う。
「はい、是非、遊びに来てくださいね!!大丈夫ですよね照之様??」
杏月は同性の友達が来ると思うも嬉しそうにして照之の方に尋ねると無邪気な笑顔に何も言えず照之は素直に頷く。
全く……杏月には叶わんな……。
照之は心の内が零れ沙霧と別れ、待っている車の方に向かい帰宅するのであった。
数日後に杏月に告白した男子生徒は余りの杏月の健気の中に気丈なさまに尊い気持ちにさせられた男子生徒は振られたのを感じさせない程の元気っぷりでクラス中に大騒ぎし杏月の評判が気付かないうちにうなぎ登りに突風の上昇気流に乗るが如く登って行くのであった。
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その夜照之は杏月を自室に呼び寄せた。
杏月は照之の部屋に着くとノックすると声が掛かり中に入る。
杏月は何かあったのかな??と粗相を仕出かしたのか不安でいると照之が入口付近に立っていた。
静かに部屋に入り扉を閉じる、杏月は照之と向かい合うと首を傾げ不安ながらも尋ねる。
「あ、あのぅ……。私何か粗相でも致しましたでしょうか……??」
「いいや、そうではない。ただちょっ甘えたくなったのだ」
照之は直ぐに首を横に振ると杏月をそっと抱き締める。
「最近お主はモテ過ぎるのだ……。寂しんだぞ、杏月」
照之は愛おしそうに杏月を優しく抱き留める杏月の匂いや髪を撫で堪能する。
「ふふっ、大丈夫ですよ……。私の心はあなたの物、確かに同性にも恋愛対象にされているみたいですが1番は照之様です。照之様が居なければ私は今、ここにはいません……」
杏月は照之の胸の中に収まり胸板に左手を添え言う、1番というのに照之は男性特有の高揚感に突発的に杏月を襲いたいと衝動に駆られた。
余りの嬉しさに杏月を愛おしそうに見下ろしていると杏月も胸板を見ていた視線を上に移した。
ひと笑いする度に照之の心を奪い取る、愛おしい杏月に照之は直ぐに可愛い唇にキスをする。
愛おしく愛らしい杏月を見るとただの1人の女性を好きになる少年に変貌させる、威厳も何もない無垢の照之は素直に杏月に甘えて深く尊いキスを何度も何度も心ゆくまで行う。
「うぅ……いきなり激しいです……。もう、照之様のえっち!」
杏月は異様な艶姿に変貌しトローンとした目付きで小さく微笑みながら照之の唇に人差し指を付けて言う。
「も、もう……腰が砕けそうになるじゃないですか!!全くえっちさんなんですからー、いきなりそうゆうのは…………ん?!んーーーーちょ……だめ……」
杏月は説教し始めると照之は有無を言わさず接吻を施す、深く溶けてしまうキス。
愛し合うように、確かめ合うように、蕩けてしまいそうな熱いキスに杏月も最初は抵抗するものの照之に固定され心ゆくまでキスをする、喘ぎ声も混ざり互いの唾液や舌が混ざり合う。
愛おしく妬けてしまった照之は感情の赴くまま、杏月を抱き締め激しい大人のキスを長く行った。
終わる頃には杏月は息を荒らげ全身が性感帯に成り代わっていた、腰を抜かして1歩も動けない杏月をベッドにお姫様抱っこで連れていく。
ローブ剥がし下着姿が露になる、白の下着はレースが入っているそれはとても男性の性欲を無限に引き立てるであろう下着姿に照之は見惚れてしまう。
面妖な流し目はいつもの如く照之を唆られ襲いたくなる衝動が訪れる、唇、首筋、鎖骨、肩、胸、腹部、足と愛撫でしキスを順に施す。
大好き過ぎておかしくなる照之は無性に杏月を求めた、部位の場所にキスを施す度杏月の色っぽい喘ぎ声が小さく照之の耳にこだまする。
襲ってしまいたい気持ちを抑える、今は見えない腹部にキスマークを付け耳をハムハムする。
電撃が走るようには杏月は身体をビクつかせ跳ね上がる、感度が良すぎてずっと続けていたいと思ってしまう反応に照之は杏月の頬に手を添え言う。
「杏月、少し妬けてしまった。大好きだ……愛してるぞ、杏月……!!」
「んっ……も、もう。えっちさんなんですから……。わたくしも大好きです…………愛しております」
杏月の涙目で言う姿に心を射抜かれぱなしな照之はベッドで杏月と一緒に寝ようと毛布をかけ見つめ合う。
杏月の色気のあるフェロモンに誘われキスをする、全てが愛おしく尊い杏月を大事に抱き寄せる。
2人とも体温が上がって火照る身体は冷める事を知らない、何度も何度も接吻をして横になる杏月を抱き留め、愛でる。
杏月も素直に抱き締め返しキスをする、照之は嬉しい表情を浮かべニコニコと微笑む。
2人は熱い夜を迎え、イチャイチャしていると仲良く夢の中に落ちていった。
「杏月が可愛い!!」
「杏月の可愛い姿がもっとみたい!」
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