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皇帝の従える妻は元男の子?!  作者: アリス・world
第二章
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慕う者達の想い

それから杏月は学園を早引きし屋敷で休養する為に帰宅するのだが、武装して警備していた従者達に思わず絶句する、杏月と視線が合うと銃器を抱え微笑んでいた、余りのギャップに差の激しさに杏月は大事過ぎてお腹一杯になっていた。


照之に車の近くまでお姫様抱っこで抱えられて向かうと杏月は恥ずかしいと主張するも照之はそれを許さなかった、人が多い学園に公衆の面前で杏月は痛みと恥じらいに悪戦苦闘しているとあっという間に車の近くに辿り着く。






 「御無事で何よりでございます。杏月様」


従者達が心配していると照之は言う。






 「すまぬが杏月の事、任せたぞ。俺はまだやる事があるのでな」


 「かしこまりました、照之様。杏月様は我々屋敷の従者共と特殊部隊の方々が責任を持って送迎致します!!」


杏月は一々大事の様に言うので苦笑いを浮かべ言う。






 「照之様にメイドさんまで大袈裟です……少し身体を休めば大丈夫ですから……」


 「ダメだ!仮にもこの俺の妻になるおなごだ、それにそなたを苦しめる者を許す訳にはいくまい」


 「そうです!そうです!杏月様は我々の大事なお慕え致す麗しき御方、そして照之様の側室に近い存在の方に許される筈のない残虐行為でございます」


照之と従者は活きまいていると杏月は静かに迎いのリムジンに座ると外にいたメイド達は照之に一礼すると車内に戻った。


杏月は何故そうなったのか……。今の現状に疑問視していた。






 「さぁ杏月様。是非、わたくしの膝を御使い下さい」


嬉しそうに言ってくる専属メイド、周りのメイドも羨ましい瞳を杏月に向けていた。


ふにふにで張りのあるメイドの太股が心地良い寝心地を誘う。


杏月は気付けば頬擦りしていたり撫でて堪能していると頭上から息が荒いメイドの息遣いに体制を仰向けになり目に留める。






 「んんっ、杏月様。もっとして頂いて良いのですよ……?さぁ、まだ起き上がらずこのまま横になって下さいませ!!」


 「んっ……。眠くなってきちゃった。今回はお言葉に甘えさせて頂きますね」


杏月は頭上にいるメイドに微笑み瞼を閉じる。


杏月の疲れた身体には心地良い寝心地に直ぐに意識が遠のきその可愛い寝顔にメイドは愛おしそうに愛撫でる。


メイド達は互いに見合って微笑み合っていた。


















ーーーーーーーーー




それから杏月は目が覚めた時、日を跨いでいた。


良く寝ていたのもあり、痛みは残るもののベッドから起床する。


んんーと背伸びし小さく欠伸をする、辺りを見渡すと弟達3人はまだ寝ていた。


みずきの頬っぺたをつんつんして微笑み再び毛布の中に潜る、みずきが足に絡みつく様に抱き付いていたのもあり、再び横になるも直ぐに2度寝してしまう。






 「―――――ます。ともき様、ゆうじ様、みずき様、朝の朝食のお時間でございます。起きて下さいませ」


3人の毛布をむしり取る、そんなメイドの切磋琢磨して声を上げているとその声に吊られ杏月は意識を覚醒させる。






 「あら、杏月様。起こしてしまいましたか??」


 「いや、大丈夫です。んんー……。ふぅ、3人とも起きて!朝ですよーーー!!」


杏月は首を傾げ軽く横に振り否定してから微笑み返し3人の起こすのを手伝う。






 「おねぇたん……おはぉー」


 「おはようみずき、それにともきもゆうじも起きて食べておいで?私はまだ食べたくないから先に行っておいで??」


 「んー、おはよ姉ちゃん、メイドさんもおはようございます」


 「おはようございます」


 「おはよーございます」


3人とも起きて朝の挨拶をメイドと交わし付いて行き食堂に向かった。


杏月はベッドの端に寄り掛かり片側の髪を耳にかけてボッーと天井を眺めていると部屋に照之が入ってくる。






 「起きたか、杏月。体調の方は大丈夫そうか?」


 「はい、お陰様でなんとか……。でしゃばってしまって申し訳ございません、照之様……」


照之は体調を気遣いながら杏月の傍に近寄って行くと杏月はシュンとした様に落ち込んでしまった。






 「よいよい、そなたの優しさもまた一興だ!だがな、あの様な無茶はしないで欲しい。俺は本当に生きた心地がしなかったぞ??」


照之は強めの口調で言うとベッドに腰を掛けて杏月の瞳を見てしっかりと言う。






 「うっ……ごめんなさい。照之様……」


杏月は照之に怒られ素直に謝罪し頭を下げた、瞳を潤わせ泣きそうになると照之は慌てて杏月を抱き留める。






 「き、気を付けてくれれば良いのだ……。怒ってはいるが何より杏月が無事ならよいのだ、何もなかったことが1番だ。よしよし、それにいつもそなたの優しさは誰かを変化させてしまうのであるな……。」


 「そ、そうでしょうか……?私は優しさ位しか取り柄はありませんから」


照之は杏月の頭を撫でてやると杏月は素直に甘える、華奢な腕を照之の腰に回し抱き締める。


素直に抱き付き顔を胸に押し寄せぐりぐりとする、そんな愛くるしい仕草に照之はデレデレになりながらも言う。






 「いや、杏月の優しさは素晴らしいものだぞ?誰かの心をいとも容易く鷲掴みにしてしまうのだから。それに……だ!!そなたの笑顔で救われる者は数多くいると知れ」


杏月は照之の胸で静かに涙する、照之は優しく頭を撫で続けて言う。






 「俺も感謝しているのだ、俺だけではない……。他の従者達やアリシアや愛里菜もそうだ。そなたの優しさでその愛おしい笑顔でその者達は少なくとも救われた、それはもう立派な物ではないだろうか??杏月……??」


照之は抱き締めていた手を離し杏月の涙を流す顔をそっと手を添える。






 「俺は杏月の事が好きで好きでたまらないのだ。心配するのも当たり前だ、もう独りで身を犠牲にしなくてもよい。俺達を……頼ってくれ」


 「は、はい……。」


照之は優しくキスをする、杏月も瞳を閉じ受け入れる。


暖かく心がポカポカとする様な優しいキスに杏月も涙ぐみながら微笑む、その微笑みに照之は更に深く長い接吻を施す。


愛おしく愛らしい杏月を照之は無心に舌を絡ませ合う、杏月も可愛らしい声を漏らすも照之は辞めない。


いつまでもこうしていたいと思う程照之は杏月を愛でるように触れキスを続ける、キスをし終わると首筋や頬っぺたにキスをする。


目をトローンとしている杏月に照之を抱き締めた、普段見せない甘える姿に心を奪われる。


そんな一時を堪能していると物凄い勢いでアリシアの声が屋敷にこだました。






 「杏月ぃぃいいいーーーーーーーー!!!!!」


物凄い奇声を上げてやってくるのに照之と杏月は苦笑いして離れるとドアが勢いよく、開く。






 「杏月!!大丈夫ですの??照之さん杏月は私のです、さぁ!ここから出て行って下さいまし」


 「いやいや、ここは俺の屋敷だぞ!!」


 「知りませんわー、杏月が居れば良いのです。あなたはあくまでオプション以下の装備品です事よ??」


照之は項垂れながら落ち込んだように部屋を後にした、杏月は苦笑いしてその後微笑むとアリシアはみずきの様なタックルを決める。


ベッドに勢いよく倒され、抱き締められる。






 「杏月。杏月。心配したのよ??馬鹿な杏月。もっと自分を大切にしなさい!!」


 「す、すいません……。ご心配掛けてしまって……」


杏月もアリシアに応えるように抱き締め返す。


杏月にしか見せない素顔は今日は涙で歪んでしまっていた、アリシアは物凄い力強く抱擁すると杏月も苦しいと漏らしながらアリシアの頭を撫でる。






 「申し訳ございません、アリシア様。照之様にも怒られました、今まで独りでそうして来たからつい……あはは。さぁ、アリシア様……そんな悲しいお顔をなさらないでください」


 「無理ですわ……!!杏月がもし傷物にされたと思うとそんな悠長な事など出来ませんのよ?私は杏月が大好きなの、そんな大切な存在を傷つけられ、のうのうとしてられませんことよ?だから私も学園を2日休んだの」


 「えっ……?!だ、大丈夫なんですか?そんな無理しなくても良いんですよアリシア様??」


 「良くありませんの、2日間は全ての用事を先延ばして杏月と一緒にいるんですわ!!」


アリシアは頬擦りしながら杏月を撫で回す、杏月は愛されているんだと実感すると杏月はアリシアと目が合う度、笑顔で応えたのだった。

















ーーーーーーーーー




それからアリシアは杏月と一緒にベッドでゴロゴロしてお昼まで過ごしていた、メイドは昼食の準備が出来たと部屋にやってくる。






 「失礼致します。杏月様、アリシア様、お食事のご準備が整いましたのでおいでくださいませ」


メイドが言うと仲良く2人して食堂に向かう。


食堂に着くと料理長直々に料理をワゴンに乗せ運んで来た。






 「どうぞ、アリシア様。本日の昼食は中華のフルコースでございます。是非、堪能して頂けたらと思います」


 「お気遣い痛み入りますわ!!」


 「杏月様にはまた後日、中華のフルコースを堪能して頂きたいのですが……。本日はお身体を養う為に胃に優しいリゾットをお作り致しました。味も5種あり私自ら腕によりをかけて作らせて頂きました」


 「えへへ……私の為にお気遣い、ありがとうございます、料理長さん。いつも美味しいご飯を作って下さり、本当に感謝ばかりでございます」


杏月は料理長に万遍の笑顔を浮かべ嬉しそうに話しかけると杏月を横目に見ていたアリシアや料理長は頬を染めて俯いてしまう。


料理長は直ぐに用意して料理の品々を配置する、美味しそうに食す杏月の姿に料理長は満足気にそして見惚れていた。


アリシアも美味しそうに味わい満足している面持ちで黙々と食す。

















ーーーーーーーーー




食事が終わり部屋でまったりとしていると、アリシアは杏月にピッタリとくっつき虫になって映画を鑑賞していた。


時々、杏月の方を見るアリシアにドキドキしてしまう杏月、男なら絶対に堕ちない訳がないと思う程の美貌を常に覗かせる。




 あぁ、わたくしの杏月……。とても可愛い杏月。ふふふっ、愛おしいその横顔がまたそそりますわ……。




アリシアはそんな事を思いうっとりとして杏月を見る。






 「アリシア様……私を見るより映画を観てください!」


 「ダメよ……わたくしは杏月を見つめていたいの」


 「は、恥ずかしいから見つめないでください……」


杏月は頬紅を染めてそっぽ向くとアリシアは嬉しそうに抱き締めイチャイチャしながら話し始める。






 「杏月は……照之さんの王妃に成られるのはとても憎々しいことなのだけれど、わたくしはあなたといたいと思っているの」


 「はぁ……。まあ照之様がいいと言うのですし。こうして同性同士で楽しくいるのもいいのかもしれませんね?」


 「そうね、わたくしは本当にあなたには感謝しているのですわ。今まで踏ん切りがつきませんことでしたの、じりじりと好きでもない殿方と縁談……そんな話しばっかり、退屈で退屈で……。でも杏月を見た時覚悟が決まったの、幸いにも世継ぎも作れるというのだから」


 「生々しい事言いますねアリシア様は……。政略結婚とか縁談かぁ、なんか(しがらみ)が多いですよねこうゆう富豪の方々って」


 「そうよ、そうゆう世界なのだから仕方ないわ。だから時として力を行使する時も必要なのですわ……でもこうして杏月と居る時は柵も嫌なことも何もかも忘れられるの」


 「でも……何で皆さんは私の事をそこまで過大評価するのでしょうか……??」


 「はぁ……。これだから無自覚さんは困りますわね!いいこと??あなたは無駄に1人で抱え込む事が多いわよね?」


 「は、はい……。よく怒られています」


 「そこよ、今は気を張らず周りを見なさい。もう1人で抱えなくてよいのですわ、それにわたくしまで内緒はいじわると言うものなのだけれど……」


アリシアはジト目で杏月を見つめる、自分が心配されていると再認識すると嬉しさが止め処なく溢れてくる。


いつの間にか目元から涙を流しているとアリシアはアタフタし始めると杏月はアリシアを抱き締める。






 「アリシア様、いつも心配して下さってくれていたのですね……!本当に疎くて申し訳ございません」


 「ふん。べ、別に心配などしていませんの。杏月はただ、わたくしの傍にいてくれればそれでよいのですわ」


アリシアは頬を染め杏月を見つめる、頭をこつんと合わせ息が当たる距離に杏月もついついアリシアの出で立ちに杏月も同じように頬を紅色に染める。






 「さぁ、また一休み致しますわよ。っとその前に……」


 「な、何ですか??んっ……?!」


アリシアは杏月にキスをする、ぎこちなく杏月の唇の中に迫りくる。


婀娜っぽい姿にまたおかしな不思議なドキドキに襲われる、同性同士で本当に良いのかと迷うもアリシアの美しさに自然と誘われてしまい魅了される。


だがそれ以上にアリシアは杏月に魅了されていた、目を細めトローンとする艶姿の杏月に鼓動は加速する、暫し熱いキスをすると互いにベッドに入り微笑みながらくっ付いて寝付いてしまう。

















ーーーーーーー



午後の夕方頃、杏月は誰かに頬を突っつかれる感触で目を覚ます。







 「んっ……な、なんれすか?」


呂律が回らない杏月は、目を擦りながら横になっていた身体を起き上げる。







 「杏月ちゃん……。アリシアさんと仲良く寝て羨ましい。私も混ぜて??」


沙霧が部屋にいた、杏月は頭にはてなマークが浮かび何故いるのか考えているとまたツンツンと頬を突っつき始める沙霧。







 「沙霧様……突っつき過ぎますぅぅ……どうしましたか……??」


 「照之君に杏月ちゃんに会いたいって話したら屋敷に来ていいって言われた。それにあの時、私を庇ってくれてありがとぉ」


沙霧は杏月に抱き付き頬擦りする。







 「あ、当たり前です!あのままでは大事故になりそうでしたから……えへへ、でも無茶し過ぎて皆さんに怒られてしまいました」


 「当たり前、杏月ちゃんは大切な人。そして撫でるスペシャリスト、無茶はダメ」


 「うぅ……沙霧様まで」


杏月はあうあうしていると沙霧はくすりと笑い杏月を抱き締めたのであった。


沙霧は杏月に頭を撫でると気持ち良さそうにしているとアリシアが目を覚ますとその状況にアリシアも頬をぷくっと膨らませ混ざろうとする。







 「杏月……わたくしもしてくださいまし」


 「杏月ちゃん、私にもして欲しい」


杏月は2人から迫られドキドキでどうにかなりそうになりながら2人を優しく頭を撫でてあげると2人は蕩けるようなうっとり顔で撫でられるのであった。

「杏月が可愛い!!」

「杏月の可愛い姿がもっとみたい!」


と思った方は是非評価をお願いします。


累計pv1万の大台を突破していました!!


ありがとうございます。ありがとうございます。

是非評価、ブックマーク、色々改善点があればお願いします。

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