アリシアの想いとハプニング
ココ最近、頭の中は杏月の事で一杯だったアリシア。
何するのも上の空、習い事も熟すも身が入らずやり気が削がれていた。
細胞の一つ一つが杏月を欲してるかの様な火照りにアリシアは胸をときめかせる、元々は照之の許嫁だったアリシアはそれ程、照之に対して好意は持ってはいなかった。
元々男性より女性が好きだったアリシア、周りや親にもその事実に口を噤んでいた。
今日も薔薇風呂に浸かり寛ぐ、浴槽は大きくはないが最高の一品の浴槽が置かれていた、ジャグジーの様な大きさに薔薇をふんだんにあしらわれている薔薇風呂は薔薇の良い香りが鼻膣を刺激しリラックスする。
はぁ…杏月に会いたいわ、あの美しい杏月を抱き留めてキスをしたい。男は嫌いではないけれど、杏月を見てしまったらもう……戻れなくなるわよ……。
考えただけでアリシアの身体は甘美な悦びに変貌する、普段はツンツンするだけでのアリシアは1人の時は誰よりも乙女チックでデレデレに変貌していた。
学園では冷めた表情に照れる事などまずありえない、冷め切った表情に皆一同その姿に鋼鉄の如き薔薇だと2つ名を知らない内に本人の知らない所で皆に言われていた、称号で呼ばれていたが杏月の事を考えるだけでドキドキとときめきで表情が蕩ける様な妖艶な姿だけが浴槽の中に咲いた。
そんな2つ名にふさわしくないうっとり顔をしたアリシアはお風呂を出ると照之の屋敷に急いで車を走らせていた。
その日は休日で予定がなかった為、一刻も早く杏月を抱き留めたい衝動に駆られていた。
屋敷に着くと照之と遭遇したアリシア。
「よう、なんだ来ていたのか!用事か??」
「いえ、違いますわ。わたくし杏月と会う為に来たんですのよ」
「またどうしてアリシアがそんなに杏月の事を気にかける?そなたは一応王族の血筋を持つ後継者、王子達が黙っている訳ないと思うが……??」
「ええ、それはもちろんですわ。ですが、わたくし杏月が好きですの、だから王子達の求愛には答えられないのよ」
照之はその言葉に絶句していた、また杏月を娶りたい人物が出てきたと思うとひやひやしているとアリシアは口元に色っぽく手を添え冷徹な仮面が砕ける、アリシアの色香のある美しい花が咲いたかのように圧巻する艶姿。
照之は呆然としているとアリシアはそそくさと杏月の部屋に向かった、扉を開けると待望の杏月がそこにはいた。
ピンクのパーカー姿にピンクのパンツが目に入るとアリシアは杏月を目に止めるや抱き付いていた。
「ぶふっ……?!」
「ああ、杏月なのね。嬉しいですわ!!可愛い可愛いわたくしの杏月……。」
杏月にタックルをかますように抱き締める、愛おしくそうに頬擦りしていると杏月の弟達は何がなんだかわからずその場であんぐり返っていた。
「あ、あのアリシア様……?どうしてここに??」
「そんなの決まってますわ!!わたくし杏月が好きなの!!だから会いに来たのよ??」
元男である杏月には充分に効く妖艶な姿に杏月は思わず赤面してしまうとアリシアは杏月にキスし始めた。
軽く触れ嬉しそうに自身の唇に触れるアリシア。
「わたくしのファーストキスあなたに差し上げますの……」
アリシアはうっとり顔でいると、弟達は現状把握が出来ず思考が追い付かずに陸に打ち上げられた魚のようにパクパクしていると、部屋にいた専属メイドが割って入る。
「あの、アリシアお嬢様?確かにそのお気持ちはわかりますが残念ながら杏月様は女性でございます」
「そんなの知ってるわよ、わたくしは元々女の子が好きだったの。それに杏月が最後の一押ししてくれただけなのですわ!!」
「おお、それは素晴らしいですアリシアお嬢様。でも残念ながら杏月様は元男性だったんです。私もその時抱いて頂き、お子ができるかもしれませんね」
ふふふっと笑みを浮かべる専属メイドから思わず爆弾発言が投下された、愛おしそうに腹部を撫でていたメイドに杏月は思考が完全に停止しのだった。
「えっ、じゃあ何で女の子みたいなの?何で女の子になっているの??」
「それは少し特殊なのでございます。内容は言えませんが杏月様の子種が欲しいのなら冷凍保存されておりますのでそちらで人工授精させれば良いかもしれません」
「確かにそれならこの可愛い杏月のお子を身篭ることも出来るわね!!ちょっと照之さんに言ってくるわ!!」
アリシアは嵐の様に去っていく中杏月はメイドに訪ねた。
「メイドさんメイドさん……。本当に赤ちゃん出来たのですか!?」
「そうですね、日が浅いので何とも言えませんが従者の殆どが妊娠したとか。その1人もわたくしも入っております」
「えっ?!な、なんで言わないの!?ふぁっ?!私は照之様の奥さんな訳で私からメイドに変わる……んん??ややこし過ぎてわからないよ!!照之様に聞いてきます」
杏月も慌てて照之の部屋に向かうとメイドはうっとり顔で愛おしそうに腹部を撫で回していた。
爆弾発言に弟達は思考が追い付かず完全にショートしたように起動を停止する。
ーーーーーーーーー
「照之さん!!」
いきよいよく開けられたドアを開けてずかずかと入ってくるアリシアに勢いに圧倒される照之。
「な、なんだ、アリシア……??」
「わたくしに杏月の子種を下さいまし」
「ぶふぉ……!?な、急に何を言い出す!!」
「わたくしは杏月が好きなの、それに使用人が杏月の子を身篭っているなんて納得できません!!」
「ぶふぅ…………な、なんだと?!た、確かに杏月は一時的だが死に直面していた、それでもしもの為に使用人は杏月の子種を受けたがまさか子を成していとは……」
照之はブツブツ1人で喋っていると空いていたドアから杏月が慌てて入ってくる。
「失礼致します、照之様。なんでメイドは私の子が出来ているですか!?どうするんですか!!私女の子になっちゃったんですよ?!頭が混乱します」
「まあ、落ち着け杏月。お主が1度死に直面した時そう約束していたが、ここまで話が広がるとは……。まあメイドに関しては杏月の身篭った者は杏月の専属メイドとさせよう」
「じゃあ、わたくしはどうなのよ!!」
「ああ、アリシアにも卒業したら子種はくれてやる。杏月の血筋が残るなら惜しまぬさ。それにオリジナルは俺が貰うのだから」
ぶっ飛んだ事を言い出す物言いに杏月は呆然としていると照之は杏月を抱き締めるて頭を撫でていた。
その行動にアリシアは照之を蹴りのけ杏月を攫う。
「この子はわたくしのですの!!照之さんには悪いけれど、杏月はわたくしの物ですわ!!わたくしも杏月のファミリーに受け入れて頂けますでしょうか……??」
アリシアは照之に向ける冷たい表情が一転杏月にはうっとりと潤んだ瞳が杏月を捉え訴える。
「はぁ……同性ですよ……??本当にそんなんでいいんですかアリシア様は?」
「もちろんですわ!!杏月のお子が身に宿れるなら縁談も全てお断りして杏月と添い遂げるつもりですわ!!」
「照之様……あなた様が最初に言い出したから私の子が出来ちゃったじゃないですか!!ちゃんと責任取ってくださいね??私は身篭った従者達の様子を見に行きますので……アリシア様にも、もしもそうにするのであれば私も全力でサポートさせて頂きます……。照之様の尻拭いは私が致しますのでアリシア様は先ずは学園のご卒業をなさってください」
杏月は今までと態度が一遍して腰に手を当て説教し始めた、その姿は愛らしい美少女ではなく美しく叱る美少女が母親らしい威厳を残し2人を捲くし立て圧倒させていた。
「私はとりあえず従者の方々の方に行ってきます。照之様は従者さん達と私が眠れるお部屋を空けておいて下さい!!」
プンスカプンと頬を膨らませ部屋を後にした姿は可愛いのだが母親らしい自愛に満ち、抱擁力満ちた行動に照之はただ絶句してアリシアは目を潤わせていた。
頼れるお母さんの様な姿に変貌する杏月に飼われたいとアリシアは思ってるいると照之が疲れきったように言う。
「はぁ、俺のしたことが……。アリシアは本当に良いのか、それで??」
「ええ、良いのですわ。わたくし元々女性が好きでしたの、それにあれ程の女性照之さんには勿体ないわよ!わたくしと一緒が1番ですわ!!」
「お、おん……。わかった」
照之に食いつく姿に圧巻され後退り吃ってしまった。
「照之さん、たまにはこの屋敷に遊びに来たいのだけれどよくて?杏月の顔を定期的に見ないと最近何も手に付かないのよ」
「あー、それはわかる。アリシアは同性が好きなのは意外だが余り杏月を困らせるなよー?それに学園に夏終わりから俺と共に行く事だしその時は優しくしてやってくれ」
「ふふふ、照之さんにしては気が効きますわね!!もう運命を契あった仲ですの、私は杏月の顔を見てから帰ると致しますわ」
アリシアはウッキウッキで照之をそっちのけで部屋から去っていった、照之は俺の「威厳が……。威厳が……。」と壊れたように言いながら頭を抱え悶え苦しむのであった。
アリシアは杏月を探しているとテキパキと動いている杏月を目の当たりにする、普段はふわふわしている表情も母親らしい威厳を醸し出しメイドを愛おしそうに付き添って話し込んでいた。
話が終わると疲れたようにアリシアの方に向かって来た、アリシアは小走りに杏月を抱き締め口を開く。
「杏月……わたくしあなたが好きなの。照之さんには話は済みましたわ!!これでわたくしは杏月と夫婦なのですのよ??」
「うぅ…私、女性なんですよ??アリシア様みたいに美しい御方が私なんか……」
「いいのよ、わたくし元々女性が大好きだから。それを後押ししたのはアナタなのよ杏月、責任……取ってくださいますわよね??」
杏月は女性になってもアリシアのあざとい可愛さに悪戦苦闘していた、もうハチャメチャな状況に杏月は思考が追い付かな過ぎているとアリシアの薔薇の香りが杏月を襲う。
妖艶で可憐なアリシア、金髪美少女は杏月よりも少しだけ背が高いが女性としての魅力はピカイチであった。
整った顔立ち、瞳は深く澄んだブルーの瞳は宝石の様に綺麗な姿、服装も王族らしい煌びやかなドレスを身に纏い一層美しさを引き立てる、鼻筋は通っていて唇は女性が憧れるそんな形をしていた、髪型も今日はストレートヘア。
全てがパーフェクトなアリシアが何故自分なんかにと悩んでいるとアリシアは幼い子の様に杏月に甘えていた。
「ねぇ、杏月。わたくしの事を嫌いですの……??」
潤んだ瞳に唇を尖らせる不安がるアリシア、そんな甘えられる姿に杏月は同性としてもドキドキしてしまう程の出で立ちに自然と母性を擽らせる。
静かにアリシアの頭を優しく撫でるとアリシアは子猫のように気持ち良さそうな顔になってデレデレになっていた、杏月もクスクスと微笑みながら言う。
「照之様が許可致したのであればしょうがないですね!!よしよし、アリシア様。そんな強く抱き締めないで下さい恥ずかしいです」
「いやよ!わたくしの大事な杏月を抱き締めるのはわたくしの特権なのですわ!!」
「もうハチャメチャです……。とりあえず学園でお会いした時はお願い致しますね」
杏月は困り顔になるも直ぐに笑顔でアリシアに訴える、満面の向日葵の様な暖かみのある笑顔にアリシアはキュンキュンしていたのだった。
うっとり顔で杏月を撫で回すと軽くキスをして「またね」と嬉しそうにその場を去って行く、杏月は呆然とし意識が落ち着いた頃には複雑な関係に頭が混乱して頭を抑えていた。
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帰宅する為、車内に戻ったアリシアは愛おしそうな自身の唇に触れていた、杏月とのキスを思い出しうっとり顔でいる姿は冷徹な仮面とは程遠いアリシアの姿。
はぁ、杏月。杏月。わたくしの杏月。可愛過ぎて胸が苦しいのですの……なんでしょうか、杏月に撫でられた時全てを捧げてしまう覚悟になってしまいましたわ?!
アリシアはむず痒い感覚に陥る。
早く学園でお会いしたいわね、ふふっ。愛しの杏月は……わたくしのですわ。
決意する様にアリシアは満足気に頷いていた。
「杏月が可愛い!!」
「杏月の可愛い姿がもっとみたい!」
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