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皇帝の従える妻は元男の子?!  作者: アリス・world
第二章
20/49

母性に溢れた天使は聖女の如し

プライベートビーチから1週間後の事。


杏月は絶賛メイドに連れられショッピングに向かっていた、杏月は色彩は綺麗だが温かみのある色合いの共地ベルト付きチェック柄フレアスカート、上部は落ち着いたグレーのパフスリーブニットで着飾る、靴はセパレートパンプスのブラウン柄でお洒落にビシッと決める。


メイドは杏月の腕を組み愛おしそうに握っていた、左手首には縦長のレクタンギュラーケースの小さなムーンフェイズはサイドには最上級のダイヤが散りばめられていた。


周囲はメイド姿の美女が可憐な美少女を連れ楽しそうにしている姿は目に物を張る、美しい光景である。







 「メイドさん、それで何処に向かうのでしょうか??」


引かれるがまま連れて来られた杏月は疑問に思い、尋ねてみた。







 「それはですね、今日は照之様からカードをお渡しされたのでお洋服とショッピングモール内を一緒回りましょうね」


美女であるメイドが目をキラキラさせながら言うのを見て杏月は素直に帰れないのを察し大人しく従う。






 「専属メイドとして杏月様とこうして腕を組みながらショッピングを嗜む事ができ恐悦至極でございます」


 「大げさな……わかりましたから、急がないでゆっくり回りましょう??」


首を傾げて杏月はそう言うとメイドは頬を染め杏月を抱き付く、最近は女性の使用人が最高の求愛を示す素振りに女子になった杏月も目のやり場に困っていた。


万遍の笑みで豊かなたわわを押し付けられるのは嬉しい反面、虚しく反面であった、すれ違う人は杏月を見るとその場に制止するように止まり、目で追ってしまう光景にメイドはやたらとドヤ顔で歩くそんな雰囲気。







 「わーーーー!!」


 「こら待ちなさい!!」


小さな男の子が走り騒いでいると買い物していた母親らしき人物が一喝していると男の子は杏月の近くで派手に転んだ。


倒れた幼い男の子は涙目でうるうるしていると杏月は静かに男の子の傍に近寄る、メイドは直ぐにくっついた腕を離し杏月の隣で寄り添う。







 「大丈夫ですか??男の子なら転んだくらいなら泣かないよね?よしよし……立てますか??」


杏月の可愛らしい美声が男の子の耳に吸い寄せられる、幼い手が男の子の頭を優しく撫で手を差し伸べた、男の子は杏月の方に目線を向け無言で差し出された手を握る。


「怪我は無さそうだね」と微笑みながら幼い男の子に向けるといつの間にか幼い男の子は杏月の色香く妖艶な姿に魅ぼれていた。







 「てんしさま??お姉ちゃんはてんしさまですか??」


小さな子にまでそんな事を言われるものだから杏月は驚愕に染まり頬を引き攣っているとメイドは胸を張って言い出した。







 「違いますよ、この方は天使様であり聖女様なのです」


 「おおーーーー!よくわからないけどなんかすごいね!!」


 「いやいや勝手にそんな称号付けないでください」


メイドの言葉に男の子は無邪気に感激して叫んでいた、杏月は苦笑いしながらメイドに食ってかかると母親と父親が慌てて近づいて平謝りする。






 「申し訳ないです、この子ったら目を離すと直ぐにどっかに行っちゃうもので……ご迷惑お掛けしました」


 「いいえ、しっかり見てあげてくださいね??このくらいの子は手がかかりますから……。怪我も無さそうでよかったです」


杏月は小さく微笑むだけで母親は赤面し父親は鼻穴を荒くして血走ったように見ていると、母親は素早い蹴りを旦那の腹部にクリティカルヒットさせる、杏月は苦笑いを零し、でわと言ってその場をそそくさと歩き始めると後ろで男の子の声がフロアに響き渡っていた。







 「てんしのお姉ちゃんーーーー!ありがとーーーてんしさま!!!!」


杏月に大声で叫んで飛び跳ねて嬉しそうに手を振っている幼い男の子に欲発され、その場に居合わせた人達の視線を集めていた杏月、公衆の面前で公開処刑に晒され杏月は小さく手を振って逃げるように去る、少しすると愛おしそうにメイドは杏月を見つめていた。







 「杏月さまぁ……さっきのは天使と言わずなんというのでしょうか?!」


 「き、急になんですか……恥ずかしいのでやめてください」


 「いいえ、致しません。本当の事ですから、さあ、先ずはお洋服を見て回りましょうか。杏月様」


 「ぶー、なんで私の言う事は聞いてくれないの!!」


杏月は思わず頬を膨らませプイッとそっぽを向くとメイドは再びキャーと叫びながら抱き付くのであった。






ブランドの服や下着が並ぶ店にメイドは杏月を連れて入る、杏月は服に疎いためぼけーっとしているとメイドは色々な上下のコーデを行っていた。




 今日はお日柄もよく、私は置物の様に鎮座しております。服を見ていると頭が痛くなるのでクレープのことでも考えていましょう。




現実逃避する杏月はクレープを想像しているとついついゆだれを零しぽわぽわしているとメイドがハンカチを懐からだし、ゆだれを拭いて言う。







 「杏月様、そんな無防備なお姿では従業員の方々がお勤めできなくなってしまいますよ??」


 「だってーー、服選ぶとかめんどくさいんだもん……くっ………。頭が痛くなります」


 「その事でしたらご心配ご無用でございます杏月様。杏月様は私達メイドが担当していますので、杏月様は静に立って頂ければよいのでございます」


 「えぇー、なら私がいなくてもいいような……??」


 「杏月様」


 「はいはい、何でしょうかメイドさん」


 「お洋服をお買いになられたらクレープを食べに行きますか??」


 「ごくり……は、はい。しょうがないですね、クレープの為ですからね。早く買っていきましょう」


クレープという単語に杏月は目をキラキラと子供の様にさせてうるうる上目遣いで言うとメイドは口元を隠しながら急いで服を選んでいた。


杏月はその辺を見てふと値札を見ると一着5万から20万以上の品々だった、杏月は直ぐに服を見て唸ってるメイドに言う。







 「あ、あの……ここお高いんじゃ……別にここでなくても」


 「いいえ、杏月様には質のいい服との事でしたので、生地も滑らかで可愛いお洋服が一杯あります。ご心配ご無用でございます」


 「えぇ……それでいいんですか……??」


 「はい、照之様からしたら被災地に寄付より駄菓子屋の様に安いとおっしゃると思われます」


 「いやいや、駄菓子屋はまず万単位は出ませんよ……」


ぶっ飛んでいる事にただ杏月は苦笑いしか出ない、それからスカートを三点、上着を三点、下着を四点、コートやレースの上着や重ね着コートを六点を買い、合計の金額はとんでもないことになっているのを杏月だけがポカーンとしているのだった。
















ーーーーーーー



ショッピングモールの食事ブースにやってきた杏月は絶賛クレープを何を食べようかと唸っていた。


メイドはそんな姿を見ていると色々な表情を覘かせる、杏月を尊い思いで観察してるとメニューが決まった様子で杏月はメイドに「これがいい!!」と無邪気な笑顔で指を差す、メイドは微笑み返し注文する。







 「すいません、苺カスタードチョコクリームスペシャルお1つとブルベリージャムクリームスペシャルお1つお願いします」


 「いらっしゃいませ!!合計1400円でございます」


 「はい、カードでお願いします」


 「ではこちらにカードを当ててください、ではご用意致しますので横にずれてお待ちください」


会計が終わると杏月は作っている所をじっと見ていた、そんな可愛い杏月を見て女性店員はマスク越しからもわかる勢いでデレデレになっていた、綺麗に生地の元を専用機に乗せ綺麗な丸を描く。


隣では杏月のクレープを見る姿を見るメイドの姿、杏月を眺める瞳は熱い眼差しで見ていると直ぐに出来上がった。







 「お待たせ致しました、そこの可愛いお人形さんとメイドさん。クリーム多めにサービスしておいたからね」


店員は小声で言うとウィンクする、杏月は上目遣いの形になっており目をうるうるさせ頭を下げ一口かぶりつく。






 「あむ…………。んんーー美味しい!!クリーム一杯で嬉しいです、ありがとうございます」


感謝をして杏月は椅子の方に座りに向かうと店員はぶはっと厨房の中で倒れるように姿を消した、メイドも美味しそうに食べる杏月についつい笑みが零れてしまう。


人気が無い方の椅子に座りメイドと一緒に食べていた。







 「んんーー美味しい。はむはむ……」


 「ふふふ、そんな慌てないで食べて下さいね杏月様。クリームがついちゃいますよ??」


 「はむはむ……うまい!!もちろんです味わって頂いています」


杏月のクレープを頬張る姿は人の食欲を無償に掻き立てる、美味しそうに食べる姿にクレープ店は10人ちょっと早速並んでいた、メイドもクレープを食しつつ杏月を見つめる。




 あぁ、杏月様……とても可愛らしいです。はぁ……。はぁ……。この至福な一時は快感でございます。無邪気な笑顔にわたくしノックアウトでございます。




メイドは食べながらそんな事を考えている顔は少しだらしない顔になっていた。


メイド服の使用人が目立つのか所せましに視線を感じる杏月、辺りを見たら空いていた筈の席は満室になって食事ブースは活気に満ち溢れていた。


食べ終わり少し経ってから席を立って去って行った後、杏月が座っていた席の取り合いが起きていた、絶世の美少女が座った席に男衆は激戦の狼煙に幕を上げ、争奪戦になり警備員が出動する問題にまで発展していたのだった。


















ーーーーーーー



腹ごなしに杏月とメイドはぷらぷらしていた、メイドは杏月と意味もなく腕を組みショッピングモールを回るのは至福とも取れる一時。


2人はぬいぐるみの専門店に入って可愛いぬいぐるみを見つけ合ったり、化粧品を見たり、ゲームセンターでプリクラを撮ったりと充実した一日になっていた。


メイドも心なしか誇らしく満足げな顔をしていた、帰る前にメイドはカフェの飲み物を買いに向かっていた。


杏月も入り口近くのベンチで寛いでいると入り口の外で喧嘩が始まるのではないかと思う程の雄叫びが聞こえた、杏月は思わずビクッとさせるもショッピングモールで暴れないかとそれだけが心配でいた。







 「おい!!てめぇ、俺が誰だかわかってんのか?こんなにかき集めねーと俺様には勝てねぇのか??ああ!?」


 「おいおい、そんな威勢も今だけだぞ!!こっちとら50人集まってんだ、てめぇの組は大分いきってくれてるがそれも今日で終わりだ!!」


 「ならかかってこい。50人程度ならウォーミングアップだ」


 「舐めんな!!一斉にかかるぞ!!」


 「「「おおおおおお」」」


何やら不穏な空気に杏月はあうあうとメイドが戻るのを待っていた、玄関先で命のやり取りをし始める、ショッピングモールの入り口近くの人は一時避難していた。


杏月は柱の方からちらりと覘くと1人の人間が複数の人間と喧嘩をしていた、血の気が多い人達だなぁと思って観察していると1人なのに次々倒していた。


傷だらけでも動きはキレがありものの数分で半数以上が伸びていた、(かしら)らしい人物が何やら絶叫していた。







 「やはり神武(しんぶ)組の若頭なだけはあるな……今日の所はサツが来るからこの辺にしてやる!!」


 「いつでもかかってこい、その時がお前の人生の終わりだ」


額から血が流れるも鋭い殺気を放ち直ぐに伸びている仲間を車に乗せその場を去った。


杏月は生々しい喧嘩を目にしてあうあうしていると少年は入り口付近で疲れたように座り込んでいた。

杏月は何を思ったのか手拭きハンカチを入り口の近くにある水飲み機でハンカチを濡らしそーっと座り込んでいる服装が汚れ、厳つい表情でこめかみに一筋の血筋が垂れていた少年の傍に屈んだ。







 「あ、あの……余り喧嘩は良くないと思うんですけど……これ良かったら使ってください」


 「ああ?!なんだ……お、おん」


少年は食い気味で機嫌を悪く鋭い眼光で言うも杏月の屈みこんで首を傾げている姿に少年は牙が抜けた様に唖然しながらハンカチを受け取る。







 「お、おう。ありがとう……」


 「いいえ、倒れてしまっている人を助けるのは必然です。今後は善い行いをして下さいね??」


 「…………」


少年は圧巻した、杏月の艶麗なる美少女の笑顔に吸い込まれた。


小さな微笑みに少年は柄にもなく沈黙になっていた、ハンカチを渡すと「ばいばい」と言って中に戻っていた。




中に戻るとメイドが椅子で待っていた。







 「杏月様!!あのような不敬な輩ほっておけば良いものの、ひやひや致しました」


メイドは杏月の姿が現れると椅子から立ち心配そうに頬を膨らましていた。







 「ごめんごめん。何かほっておけなくて……。えへへ、それに血も流していましたし……」


杏月は困り顔で頭を掻きむしるとメイドに優しく抱き締めた。







 「心配してくれたんだよね……?ありがとう、帰ろうか??」


 「はい、仰せのままに」


 「でもまじかで喧嘩みたけど迫力あったんだよーー??こうばーん!!って次々倒していってね」


 「ですが、ご自身のご安全の為にそうゆう行動はお控えくださいませ!!!!」


 「はーーい」


抱き締めメイドの顔を見る杏月は小悪魔笑顔で笑いかけ手を伸ばす、メイドも心なしか嬉しそうに愛おしそうに手を握り仲良く帰宅するのであった。















ーーーーーーー




少年は極道の中の極道、最大規模の若頭をやっていた、最大規模の資産を保有する裏世界を牛耳る16歳だった。



ショッピングモールに買い物に来ていると入り口前でまた絡まれた少年、またかと言わんばかりに溜息を零し向かい合う。



今度は50人かと思っているも40人はその場で倒し伸びていると絡んだ奴らは直ぐに仲間を回収して逃げて行った、神武組の抗争相手はやんちゃすぎると思うと苛立ちが募っていた。



入り口の近くで少し休んでから帰ろうとしたらふと、背後から鈴の音を感じるような透き通った美声が聞こえた。



最初はまたかと思ったがそれは違った、一匹狼である俺に物好きにもその美少女は濡れたピンクのハンカチを微笑みながら差し渡してきた。



最初は新手のハニートラップか?と警戒するもその艶麗な美しい姿に少年は一瞬で魅了された。



柄にもなく女に黙り込んでしまった少年に美少女が困り顔で喧嘩するなと言い寄る始末。



だがその美少女は微笑む度に少年は心を鷲掴みにされた、少年とは存在する世界が違い過ぎるその美しく色っぽい雰囲気の可憐な華はハンカチを置くと去って行ってしまった。



少年は決意する、美少女の為に喧嘩も最小限に抑えこれからは話術で叩きのめすとそう決めると脳裏で少女の姿がちらりと脳裏に浮かび上がる、少年は立ち上がり貰ったハンカチを頬っぺたにつけ少し経ってショッピングモールに入って行くのだった。



それから少年は組を纏めるも仲間内には優しくなったとか、慕う人間も右肩上がりに上昇し歴代の会長よりも規模を拡大した。


少年は可憐の姫君に会う為に切磋琢磨するのであった。

「杏月が可愛い!!」

「杏月の可愛い姿がもっとみたい!」


と思った方は是非評価をお願いします。


ブックマークが17件になってました!!


ありがとうございます。ありがとうございます。

杏月の魅力を感じ取れて頂ければ嬉しいです……

是非評価、レビュー、ブックマーク、色々改善点があればお願いします。

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