プライベートビーチと親密な一時 中編
「杏月様、お昼ご飯でございます。さぁ、御一緒しませんか??」
「あ、ともきを探しに行ってくるのでまた後でお願いします。とりあえず今日はともきと2人でゆっくり話しながらご飯を頂きますね?」
「かしこまりました」
杏月はそう言うとメイドはニッコリ微笑み食べ物を紙トレイによそりラップをする、両手トレイに乗せ杏月に渡す、そのバーベキューで焼けたお肉や野菜の乗ったトレイを持ち屋敷の方に向かった。
はぁ、なんだろう……。ともきがあんな事言って来るなんて。私が女にならなかったらこうはならなかったのかな……?
乙女になった杏月は複雑な気持ちで考えているとその足取りはいつもより重い足取りになっていた。
屋敷に戻ると外を清掃していたメイドにともきがいるか尋ねると「裏側のビーチに行かれました」とメイドに言われ杏月は「ありがとうございます」と感謝を一言添え微笑みメイドに頭を下げ、その場を後にした。
少し道は荒れるもしっかりと人1人通れる土道が続いた、少し小道を歩くとそこには小さな池があった。
人の手が一切触れられていない池はとても澄んでいてエメラルドの様な色合いが底の方から覗かせた。
「わぁ……。綺麗……」
杏月は思わず口ずさんでしまう程の美しい小さな池、見て笑みを向け先を急ぎ奥に進むと反対側の浜辺に出た。
杏月は海に視線を寄せると胸元まで浸かって地平線に向かって明け暮れていたともきがいた。
「おーい!ともきー、ご飯だよー??一緒に食べようーー!!」
杏月は両手は塞がっている為、大きな声でできるだけ聞こえるように呼び掛ける、ともきは寂しそうな表情を浮かべて杏月の方を振り向き、ただ静かに見ていた。
はぁ、こんな時に……。今は会いたくもないのに……ぐっ……?!クソっ……!!
ともきは深い溜息をつき黙々と浜辺に上がった、ともきは笑えもしない現状にただ冷たい視線と冷徹に発せられる言葉を杏月に向けて発してしまった。
「ごめん、今は誰とも会いたくないんだ」
「でも、おかな空いちゃうし……。そ、そうだ!一緒に食べよ?皆から許可は貰ってるの久しぶりに2人だけで話したり食べたりしよっか」
ともきには向日葵のように温かみのある満天の笑みを浮かべる杏月の姿を目に留めるのも今は苦痛でしかなかった、分かっていても真逆の事を発してしまう、口から発せられるのは冷たく足らってしまう否定する言葉。
「あ、うん。別に食べたくない……。姉ちゃんの顔も今は見たくない……自分勝手でごめん、だけど本当に今は誰とも話したくないんだ」
ともきは苛立ちと寂しさ、様々な感情が渦巻いていた、ただひたすら冷静でいる為の最善の選択をした。
ともきはそう言うと先程まで横になっていた岩場に座り惚ける、不完全燃焼の様なともきはただ独りで今は呆然と海だけを眺めていたかった。
「ともき…………。」
杏月はトレイを近くに置きそう言うと、ともきの手に幼い手が添えられる、いつもと違う雰囲気を醸し出しナーバスになっていると、ともきは今までにない表所を浮かべる姿に杏月自身、胸が締め付けられる思いでいた。
「ごめんね??ともきが私なんかの為に人生を棒にしないで欲しいの。ともきが辛そうな表情を見た時思い出したの、皆を守る為に今まで頑張ってきて……。でも照之様に助けられて何もかも余裕が出てきてから不敬にも大切な家族に辛い思いをさせちゃったね……」
「いや、別に。こんな時もアイツの話かよ……。はぁーあ、聞きたくね、聞きたくね!!そんなにアイツの事を話したいならあの人と話せばいいだろ!?なんで俺にまで押し付けるんだ!別に杏月姉ちゃんがそうしたいならそれでいいじゃねぇか……俺なんかほっといてくれよ!!!!」
ともきは杏月の握られた手を振り払う、後半はか細く弱々しく言いながら涙目で杏月に訴える、杏月自体ともきの事は誰よりも大切にしてきた、初めて添えた手を否定するように振り払われたのその行為に杏月も悲し涙を浮かべていた。
ぐうの音も出ないともきの言い分に杏月は納得していた、だが照之と同じように愛してるともきをほっとく程廃れてはいない。
「ねぇ、聞いてともき!!!!私も照之様と同じくくらいともきの事を大切に想うの、図々しいのは分かってる……だけどほっとけないの、だって、唯一の大切な家族をほっとけるわけないよ!!」
「なんだよそれ……。人を馬鹿にしてるのか!!杏月姉ちゃんが幸せになるなら、アイツと結婚だってしたっていいから俺に関わらないでくれ。俺は負け組なんだ……なにしてもなにやっても、あんなずば抜けて全てが兼ね備えられてるハイスペック人間とは俺は違う!!こんなんなら最初から俺なんか産まれて来なきゃ良かったんだ!!」
ともきは感情のストッパーが外れたの如く物凄い速さで捲し立てるように言う、杏月はプルプル肩を震わせ気付けばともきの頬を思いっ切り叩いていた。
乾いた音が海岸に響く。
「ばか!!私が女になったのが悪いの、ともきは私の為に色々してくれた。ずーっと長く一緒にいて唯一の居場所を私にみいだしてれた、ともき達がいたから私は頑張れたの……だからそんな酷いことを言わないで!!」
杏月はともきの頬を叩くと大粒の涙を流しながらともきに泣き縋る、杏月は涙を流しながらともきの顔をその愛らしい手で添える。
「お願い……そんな事言わないで。ともきが自分の事を犠牲にしてまで私の事を思ってしてくれるのは嬉しいけど、ともき自身の幸せを無にしてまでしなくていいの!!」
「っ……?!」
杏月は身体を引き寄せ愛おしくともきを抱き寄せる、頭を優しく撫でるともきは終始沈黙でいた。
「ともきがそこまで思ってくれてたなんて嬉しかった、ともきもかっこいいんだから私の事を気にせずに自分の人生を歩んで欲しかった……。これは弟達3人に言えることなの、それにさっき初めて手を振り払われた時、とても悲しかった」
「別に、なんで杏月お姉ちゃんがそこまでして泣くんだよ……」
「そんなの決まってるでしょ……?ともきもそうだし、ゆうじもみずきも私の唯一の本当の家族なんだよ?!そんな大切な人を追い出すような自分の甘さに痛感したの。もし、ともきが他の方とお付き合いするなら応援もするよ?でもね……私達は姉弟なの、一線越えてはいけないの」
杏月は寂しそうな表情をするも大丈夫だよと捉える事ができる微笑みを浮かべた。
ともきは自問自答していた。
なんでそんな顔するんだよぉ……。俺は杏月姉ちゃんが大好きでたまらないんだ、そうだろ?でも離れようとしても離そうとしてくれないのは杏月姉ちゃんじゃないか……。その涙を流す姿を俺に、なんでみせるんだよ!!こんな見せられたら……。
ともきはそう思うと自分の為に涙を流し啜り泣きしている杏月の顔に触れる、可愛らしい顔を俺なんかに何故向ける、そう思うもその触れる杏月の頬に添えられた手は愛おしい品を撫でるように擦るともき、そしてともきの手を両手で優しく包み込む杏月。
「俺は杏月姉ちゃんが好きだ、昔から好きだった。この可愛らしい顔、ちょっと何処か抜けておっちょこちょいな所、そして誰よりも家族想いって所も……全て」
ともきはゆっくり泣きじゃくる杏月に優しく唇に触れる、杏月は思わず「えっ?!」と思うもともきはそれを辞めなかった。
「もちろん、今日だけは俺の傍にいて欲しい」
真剣な眼差しで杏月を見つめる、普段見せない凛とした男性の表情を覗かせる、杏月は胸の奥がざわめく。
「うん、今日はずーっと2人だけでいよ??ご飯の時もお風呂の時も寝る時も……昔みたいに仲良く話したりくっついて寝よ??」
「うん……。俺はあの人と杏月姉ちゃんが仲良くしてるのに嫉妬してた、杏月姉ちゃんが俺から離れてしまうんじゃないかて……。でも杏月姉ちゃんは杏月姉ちゃんのままだった、俺の事を考えてくれてた、だけど……今は、姉弟の隔たりを無くして杏月姉ちゃんを1人の男として、抱き締めていたい」
ともきはようやく苦笑いを零す、微動だにしなかった冷徹な仮面が崩れ表情を表す。
「はぁーあ、杏月お姉ちゃんが可愛過ぎるのがいけねぇんだぞ。持ってきたの食べよっか」
そう言いながら杏月の涙でぐしゃぐしゃになっていた顔をむにーと引っ張り頬っぺたをムニムニ触る、岩肌に座っていたともきは、立ち上がり側に置いてあったバーベキューの料理を手に持ち杏月にも渡した。
「「いただきます」」
「ん!?冷めちゃったけど、この肉美味しいな」
「あむ…………本当だ!!冷めてても美味しい。こうして2人で食べるのも懐かしいね」
「そうだな、杏月お姉ちゃんが中学生の頃だよね。よく河原で買い物がてらに肉まん買って半分子して食べたよね」
「あー、あったよねそんな事も。まったりしながらくだらない話して肌寒い河原で食べる肉まんがまた、美味しかったよねぇ」
頬に手を添え思い出に浸る杏月を眺めるともき、美味しそうに肉や野菜をほうばる杏月を見る度ともきは自然と落ち着く感覚に細胞の一つ一つまで感じ取る安堵。
頬に手を添えて美味しそうにほうばりながら足をバタバタしてるそんな姿にともきにとって密かに昔から気に入っていた姿の1ページであった。
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落ち着いた杏月とともきは照之がいる方に戻った。
「えーと、感情的になってしまって、すいませんでした」
「ああ、よいのだ。ともきの気持ちは痛い程わかる、とりあえずここは良いから家族水入らず屋敷の方に戻って休んでいてくれ。それに2人だけを今わ楽しめ、ゆうじとみずきは俺の方に居させるから」
「はい、ありがとうございます」
「ありがとうございます照之様、お気遣い恐れ入ります。さぁ、ともき?行きましょうか」
ともきは謝罪すると照之も特に怒る事もなく2人を屋敷の部屋に戻るように伝える、仲良く手を繋いで屋敷に戻る後ろ姿を見るともやもやと嫉妬を覚えるとメイドは何かを察したようにからかい始めた。
「ぷぷぷっ、照之様強がってもそのお姿じゃともき様にチャンスをお与えになられた事、後悔しませんと良いですね」
「うっさい、そんな戯言良いから片付けろ!!」
「またまた強がるんですから、知りませんよ?杏月様の心を取られても!」
「ぐっ……?!だ、だがそうなればまた俺の魅力で引き戻すだけだ!!たく、煽るのは一前なんだからな!!!!手を動かせーー」
「はーい」
メイドはからかうも直ぐに持ち場に戻り照之は溜息をつくのは言うまでもない。
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杏月とともきは手を繋ぎながら、自室に戻ってベッドで一緒に横になっていた。
「杏月姉ちゃん……」
ともきはそう言うと杏月に抱き付き甘え始める、杏月の身体を頬擦りして杏月を横になりながら目一杯抱き締める。
杏月はじっとともきを撫でてあげる、昔の時のように甘えん坊になるともきを思い出しクスッと笑を零してしまう杏月。
「杏月ねぇちゃん……杏月ねぇちゃん」
「大丈夫、私はここにいるよ。よしよし……」
みずきの様に杏月の胸に甘えてくるともきに杏月は赤ちゃんみたいと照れながらも苦笑いを少し浮かべ、ともきを優しく抱き留め頭を撫でる。
ともきは杏月から漂う甘く女性特有のいい匂いを堪能していた、いつからかこうして甘える事ができなくなっていた自分自身の嫌気がさすも杏月の優しく頭を撫でられると自然と嫌な事が無くなるようなそんな優しく、暖かみある温もり。
部屋はとても静寂に感じ取れる程だった、横になって密着していると杏月とともきは視線が合う、熱い眼差しをし杏月を見つめ視線を一向に外さないともき。
愛おしそに見つめられるともきに杏月は本当にともきなのか?と思ってしまう程真剣な眼差しにドキドキでおかしくなりそうだった、杏月は成る可く平然と装っているもともきにはバレバレである。
「杏月お姉ちゃん……耳が真っ赤だよ?可愛い」
「ちょっと……からかわないでよ」
「やーだ、その恥ずかしがる所も昔から好きだよ?」
「っ……!?もう知らないもん」
杏月はそっぽ向きともきの居ない方を向く、ともきはそんな杏月の背中に密着し腕をお腹辺りに置いて愛おしく全身を包み込む。
「く、くすぐったいから…それに余りこうゆうのダメだよぉ…」
「良いんだよ、昔もこうしてたじゃん。それに女の子になった杏月姉ちゃんはもーっと魅力的だよ」
「もう!!あんまりからかっちゃだめ………褒めてもなんもでないんだから」
「うん、こうして杏月姉ちゃんを抱き締めている事ができるってのが俺の今の幸せなんだ。そっぽ向かないで俺に杏月姉ちゃんの可愛らしい顔を見せて欲しい」
ともきは杏月の頭の付近でそう言うと体温が上がってくるのがわかった、少しすると杏月は向かい合うようにともきの方に向く。
息がかかるその距離に2人は照れてしまう。
「ごめんね、もっと男の時から男らしくいられたら良かったのに……。」
「まあ、でも女の子らしい杏月姉ちゃんも良かったしこうして女の子になった杏月姉ちゃんといられる事ができるから問題ないさ」
「こら、弟が偉そうなこと言うじゃありません!!」
杏月は頬を膨らませながらともきに言うと、ともきは自然に笑が出てしまう、こんなに愛らしく離したくないそんな素晴らしい彼女を放っておけない。
ともきは杏月の頬に触れる、その触れ方は動物を触るように優しく愛おしそうに撫で杏月と目が合う度、微笑むともき。
はぁ…こんなんじゃ心臓がバクバクで持たないよぉ……ともきってこんなにかっこよくなってたんだね。背も大きくなっていつの間に抜かされちゃった……。
杏月はともきを抱き締め胸元に寄り添おうと近付くと、ともきもびっくりしたものの嬉しそうに抱き締め返した。
気づいた時はともきは杏月の唇に優しく触れ、熱いキスを施していた。
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夜頃、お風呂の時間がやってきた、本当に2人だけの時間に2人はドキドキでどうにかなってしまうのではと思う程の幸福な一時。
メイドが扉越しからお風呂が湧いていると言われ促されると2人でお風呂場に向かった、脱衣場があり着替えとタオルが置かれていた。
照之が本当に2人だけの時間にしてくれた事に素直にともきは感謝していた、ともきは先に着替え浴室に向かった。
ドキドキする……。姉ちゃんが姉ちゃんじゃなく1人の美しい女性として見てしまう。ふぅ……お風呂は気持ちいいなぁ。
ともきは身体に湯をかけとりあえず沈む、杏月の事を思うと歓喜する様に体がブルブルと震え上がる。
少しすると裸でタオルを前にして隠しながら浴室に現れた、大事な場所は隠れているものの身体のラインや女性特有のやらかそうな肌や膨らみは昔の面影はもう残っていなかった。
「お、お待たせ……」
「う、うん。何か綺麗になったね、本当に……痣も大分良くなったみたいで良かったよ」
「うん、私も痕が残らなくて、良かったよ」
話すものの会話が直ぐに途絶えてしまう、杏月の素振りや湯を身体にかける仕草は完全に女性その者だった、ともきはただただ杏月に惹かれる。
杏月は湯を身体にかけ湯船に浸かる、ふぅーと可愛らしい声をあげながら入る姿にともきの心を鷲掴みにされた。
「杏月姉ちゃん……とっても綺麗だ!!」
ともきは思わず杏月を抱き締めた、居ても立っても居られない杏月の妖艶な姿に我慢出来ず抱き締めると杏月の豊満な胸を押し当て抱き締める。
あわわ…姉ちゃんの胸が柔らかい…これを味わっているとは皇帝陛下許すまじ……それに、スベスベ肌だし可愛い……。
ともきは自身の身体に密着された杏月の柔らかい2つの豊満な感触に感動していた、浴槽の中でも感じ取れる滑らかな肌触りに人をおかしくする杏月の艶姿や照れ顔にともきは頭が真っ白になる程杏月で埋め尽くされる。
思わず杏月を抱き寄せながら見つめると耳まで真っ赤にする照れ姿にともきは一瞬で魅了され手元から離したくはない衝動に駆られる。
「お姉ちゃん……。」
「な、なに……ともき??」
「こうして入るのも、久しぶりだね」
「そうだね、私達がここのお世話になり始めてから入ってなかったもんね……」
「うん、でも寝る時は一緒だから……嬉しいよ」
ともきはぴったりと杏月にくっついてそう言うと杏月も頬を染めながら私も!!と満面の笑みで言う。
「正直さ、姉ちゃんがあの人と結婚するのは反対派なんだよね。でも姉ちゃんがいるから俺達も不自由なくさせてもらってるのも事実……。そこには本当に感謝してるし杏月姉ちゃんを良くしてくれる所は評価せざるを得ない、でも……!!」
そう言い残すと杏月の頬に手を添え名残惜しそうに言う。
「この愛しい姿は渡せない……俺の唯一の我儘なんだ。許して欲しい姉ちゃん……」
「う、うん。誘惑してるつもりはないの……こんな事になるなら私の身体も顔も醜い方が良かったのかもしれないね。ごめんね、ともき??」
「そんな悲しい顔しないで??俺はそんな事思ってもないよ?逆にこんな優しくて愛らしい姉ちゃんが持てて幸せと思ってる!!杏月姉ちゃんは醜いなんて言わないで欲しい……。俺はただ妬いてるんだ、あの人が姉ちゃんと深い関係になる度に分かっていても、やきもちしちゃうんだ」
杏月がしょんぼりしているとともきは慌てて首を横に振る、ただ大事な人を取られ嫉妬しまった事を素直に杏月に伝える。
「ありがとぉ……なんか改めて言われると恥ずかしい。昔さ?私が辛い時いつもともきは1番に傍に居てくれたんだよぉ?お父さんから暴力受けた時も1番早く来てくれて傍にいてくれて慰めてくれたよね」
「当たり前だろ?大事な人をほっとくなんて出来ねーよ」
「年も近くて1番分かり合えた大事な家族。そんなともきや弟達がいたから辛いのも頑張れたの……照之様にはもちろん感謝してる。でも1番感謝してるのはともきなの!!本当にありがとね。ともき」
杏月の本当に気持ちを知れともきは思わず嬉し涙を浮かべた、杏月は裸をタオルも隠さずアタフタしている姿に愛おしく全身全霊でこの人を大切にしたいという気持ちが無限に溢れる。
幼いながらも出る所は出て色気のある身体に男の本能や野心を無意識に掻き立てられる、女性特有の身体を見てしまったともきは絶句するのだった。
「杏月姉ちゃんにそんなに思われいたとは……嬉しかった」
「当たり前でしょ?!大切な家族なんだから!!」
「だーめ……。今は俺の大事な彼女だ」
ともきはそうゆうと杏月に熱いキスをする、照之にも負けない一途な愛を持って杏月を満たす。
ともきが杏月の口を蹂躙し始めると身体をビクンと感じさせながら受け入れる、ただただ杏月はされるがままともきの舌を絡ませ合う。
湯船で浸かって熱くなった身体はもっと熱さを増す、ともきは一心不乱に接吻し杏月も蕩けるような面妖な艶姿でキスをする。
「ちゅ…ぷちゅ……んちゅ……あむ…ちゅ」
2人はキスをし終わると杏月が異様な色気を醸し出し虚ろな瞳はトローンとしていた、座っていたのも関わらず腰を砕け立てなくなっていた。
杏月はともきに寄り掛かり上目遣いでうるうるしていた。
「はぁ……はぁ……。ともきの……えっち、いくらなんでもダメって言ったでしょ!」
「…………」
「わかってるの??沈黙したって許してあげないんだから!ん!?んんー……らめ……ちゅ…んっ」
杏月は頬を膨らませ怒っていると無言でいたともきは杏月を黙らせる様に再び大人のキスをする、為す術もなく素直になるまで杏月はともきに可愛がれるのだった。
「はぁ……はぁ……おゆるし…くだひゃぃ」
「ダメ、姉ちゃんが俺のだって分かるまで辞めない。それまではお風呂でずーっとキスしよ、ね??」
ダークな笑を浮かべるともきに杏月はふにゃふにゃになりながら追い討ちラッシュが続けられるのであった。
ーーーーーーーー
お風呂上がり、2人は部屋に戻っていた。
はぁ……お風呂入ったのに下の方が心無しか濡れちゃってるかもなんで?!……ゔぅ……。それにともきがあんなにドSだったなんて知らなかった。
ぐったりとする杏月はお風呂場の事を考えるだけで身体が色欲に駆られ、おかしくなりそうになっていた。
一途な愛に女性とのしての悦びを味わってしまった杏月、分かっていてもともきに熱い接吻をされるだけで電撃が走る感覚に直ぐに寝ようとするもともきはお風呂に出てもベッタリひっついて離さない。
「杏月姉ちゃん……。可愛いよ……大好きだよ」
ともきは赤ん坊の様に甘えてくる、胸の触感を味わいながら全力で杏月を抱き寄せたと思えば見つめ、見つめ合えば唇にキスを施すそのループに杏月は今までにない快楽に頬紅は音速で染まり活きぐるう。
ともきは色欲全開の杏月を大事そうに愛おしそうに抱き締めて抱擁し熱い接吻を交わす度、ともきは独占欲で満ち溢れる。
「ね、ねぇ、ともき……??少し休も??」
「ん?なんでー、俺はこうして杏月姉ちゃんと居られるから嬉しいよ」
「うん、私も嬉しいけどがっつき過ぎよ?まだ女性になってから日が浅いんだから辞めなさい」
「ちぇー、そう言うなよ姉ちゃん。今日は姉ちゃんエネルギーチャージしてるんだから!」
「ちゃ……チャージって……。ともきさぁー、いつも寝てる時が多いんだからそうゆう時にみずきと一緒に甘えて来なさいよ!!もう私は少し疲れちゃて眠くなってる……ん!?んんー……ちょ…………んっ……とも……き」
「ちゅ……ぷはぁ。ダメ、今日だけはこうしてたんだ……今はこうして愛し合いたい」
「ちょ、ちょっと……いきなり辞めてよ……??もー、少しちゅうは禁止!ほら抱き締めてあげるから、ね?」
杏月は苦笑いしながら両手を広げるとともきはサッと抱き付く、杏月より遥かに大きい筈のともきは杏月にくっついては頭をグリグリして甘える。
少し落ち着いて来ると薄い毛布をかけ寝る準備をしていたらともきはずーっと杏月を凝視していた。
「ねぇ、ともき?そんなずーっと見ていて飽きないの??」
「飽きない!!杏月姉ちゃんの全てが可憐な姿に気にならない」
「えー……。ずーっと見られると恥ずかしんだけど」
「ぐっ……いやさ、杏月姉ちゃんって何かする時とっても真剣な眼差しが、ぐってなるんだよね。さっきのお風呂の色気むんむん漂わせるのと違い過ぎて見てて飽きない」
「えっ……もーー寝るんだから見てないで手伝ってよ!えい!!!!」
「ぶはっ?!枕投げるな!やったな……??くくくっ。行くぞーせい!!」
「ぶふぉ……や、やりおる」
「さて姉ちゃん??良くもしてくれたよね??これはしっかりと再教育が必要みたいだね」
「ひっ?!やめてーー!!」
杏月達は枕を持ちながら追いかけっ子が始まった、杏月は華麗なフェイントを決めるが見事にともきに捕まる、背中を摘まむようにベッドに連行される。
「さあ、寝ようか」
「う、うん。なんでそんな近くでいるの……?寝るんだよね??そんなにくっついてたら寝れないじゃん」
「いいの、今日だけは俺だけの特権……。」
「いやいや、ともきは結構みずきと同じように抱き付いて来る時あるよね??ねぇ?!……んんーーーーー」
電気が消えた薄暗い部屋で杏月が抗議するや否、杏月の誘惑するその唇にともきは吸い込まれるように熱い大人のキスを暫し続けるのだった。
目をトローンとし艶姿で乱れる髪がまた美しい杏月、本当に人間なのかと思う面妖な妖気を漂わせる流し目はどんな男もイチコロで仕留めてしまうそんな色目きに染まっていった。
杏月の色っぽい姿で静に微笑む、その微笑みにともきは美しく次元が違う小悪魔に魂を売ってしまう人になってもいいと本能が悟る姿に再び抱き寄せるのだった。
「杏月が可愛い!!」
「杏月の可愛い姿がもっとみたい!」
と思った方は是非評価をお願いします。
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