40 雑談12
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前回は、読んでいる本の話を語ろうとして、結果、小学生時代の話までで終わらせてしまいました。今日の気分からいいますと、ぶっちゃけもうそんなに本の話をしたくはないのです。ジャズの話がしたくなってしまいましたからね。ただ、それも不親切な話だと思いますから、さっくりと書きますと、中学生以降は、ミステリーでは内田康夫先生、西村京太郎先生、高木彬光先生、江戸川乱歩先生あたりが好きでした。国外では、なんだかんだいって、クリスティーとルルーとヴァンダインだったんだろうなぁ。ヴァンダインはつまらない、あんなものは駄目よ、と言いふらしていたのが他でもない僕なんですけど、今では好きになりました。ルルーは「黄色い部屋の秘密」だけですけどね。僕の心理トリックへのこだわりはここから来ています。クリスティーは単純に一時期ハマりましたね。でも、それもまあ中学生の頃のことです。やっぱり「オリエント急行の殺人」や「ABC殺人事件」あたりが好きでした。
高木彬光先生の作品は「刺青殺人事件」「人形はなぜ殺される」「能面殺人事件」「呪縛の家」あたりが本格探偵小説という感じで好きでした。そのあと「破戒裁判」や「成吉思汗の秘密」「邪馬台国の秘密」を読んで、もっと好きになりました。この前、未読だった「わが一高時代の犯罪」を買いました。記憶に残っているのはそのあたりです。
江戸川乱歩先生の作品は、かなり読んだと思います。なんか全巻揃える勢いで買っていたので、初期の短編集とかたまに読み返すと楽しいですね。「鏡地獄」とか。ミステリーくさいのだと「D坂の殺人事件」とか「屋根裏の散歩者」とか。変態だと「人間椅子」とか。乱歩はまあ、みんな変態だけど。
長編だとやっぱり「黄金仮面」「孤島の鬼」「黒蜥蜴」あたりは面白い。「盲獣」はさすがに気持ち悪かった。鎌倉ハム大安売りじゃないでしょ……。でも、乱歩の変態が極まった作品という意味では重要かな、と。
あと乱歩は、随筆とか、評論とかが面白い。「探偵小説四十年」とか非常に随筆が面白くて、高校の頃はかなりハマった。金田一耕助で有名な横溝正史の随筆も、彼が閉所恐怖症で、僕の家族がパニック障害で、自分自身も閉所恐怖症なので、そういう意味では、わりと面白かった。しかしまあ、乱歩のあののらりくらりとして、飄々としている感じは格別。
色々読んだんだけど、タイトルを忘れているのか、内容を忘れているのか、教えてくれたら思い出すかもしれない。なんか火星にいっちゃう話とかうろ覚えに覚えている。夢かもしれない。
横溝正史先生については「悪魔が来りて笛を吹く」を風邪の時に読んだのが、初の出会いで、確か小学六年生の時だが、けっこうハマった記憶がある。それから「犬神家の一族」「獄門島」「本陣殺人事件」と読み進めた。ミステリーとして面白かったのはやはり「本陣殺人事件」という気がする。密室ものだし……。「八つ墓」はそんなに面白いとは思わなかった。それはまあ、僕自身、小学生だったわけだし、あまりにも長い気がしたから。
西村京太郎先生は、作品数が多いので、なんとも全体が捉えにくいけど、大人版のミステリーを、それも文庫本を購入したのは、西村京太郎先生の作品からだった。「新・寝台特急殺人事件」という作品で、「寝台特急殺人事件」の本格ミステリー・大トリックっぷりと比べられないぐらい、ミステリーらしくない話だった。それはヤクザと若者たちの追いかけっこみたいな話だったので「どこが推理小説だ!」と小学生ながらも思ったんだけど、その後「消えた巨人軍」「消えたタンカー」「名探偵が多すぎる」みたいな作品を読んで見直し、「寝台特急殺人事件」「終着駅殺人事件」「京都感情旅行殺人事件」を読んで、完全に平伏した。おそろしい大トリックとサスペンスの達人だった……。
内田康夫先生は、軽井沢のセンセが出る作品が一番大好きよ。ぶっとんだ回ほど好き。それでも軽井沢のセンセの悪ノリ回が一番。豪華客船に乗ったり、海外に渡る作品が最高に面白かった。「貴賓室の怪人」と言ったっけな。元々は「平家伝説殺人事件」や「後鳥羽伝説殺人事件」から入りました。それも小学生六年生の頃から読み始めたんで、しばらく読んでいないのですが、また読み直したいなぁと思っています。
ジャズの話をしようと思っていたんですけど、もう眠いので、ここらで失礼。




