14 李白先生を想う
唐の詩人、李白先生の漢詩を紹介したいと思います。
長安 一片の月
万戸 衣を擣つの声
秋風 吹いて尽きず
総て是れ 玉関の情
何れの日か 胡虜を平らげて
良人 遠征を罷めん
これ、李白先生の有名な詩です。というか、古典は引用しても著作権の問題はないらしいですが、漢字の変換が大変ですね。なので、たぶん、もう引用しないです。
意味は、そのままです。よくある解釈などは、言葉を補いすぎて嫌なので、最低限の方が良いと思っています。長安の空に、一片の月がある。あちらこちらの家から、衣を打つ音がしてくる。秋風が吹いて尽きない。すべてこれは玉関の情。……この玉関というのは、玉門関のことで、西の果て、敦煌のシルクロードにある関所です。要は辺境の地なのです。その玉門関への想いなのです。そして、詩はこのように続きます。……いつになったら、敵を平らげて、夫は遠征をやめるだろう……と。
そうなんです。奥さん視点の詩なのですね。それでは、あらためて、原文をどうぞ。できれば、音読。
長安 一片の月
万戸 衣を擣つの声
秋風 吹いて尽きず
総て是れ 玉関の情
何れの日か 胡虜を平らげて
良人 遠征を罷めん




